なかなか改善しないケースに向き合うときカウンセラーはなぜ平気なのか

会社などの組織の中で、トラブルや問題を抱えてしまう職員がいるとき、「早く改善してほしい」と思うのは、どの管理職の方も同じでしょう。なかなか改善しないように見えるケースを前にしても、ある程度経験のある心理職はそれほどあわてません。なぜそうした姿勢を保てるのでしょうか。法人経営者でもあり、公認心理師・臨床心理士・キャリアコンサルタントでもある筆者が、管理職・人事担当者の立場から役立つ考え方をお話しします。

こちらの記事は、こんな方におすすめです。

  • 職場で不調を訴える職員が多く、管理職である自分のほうが悩んでしまう
  • 管理職としての組織づくりが思うように進まず、悩みや疲れを感じる
  • 部下の相談に向き合う際、自分が抱え込まないための考え方を知りたい

「原因を取り除けば解決する」という発想の落とし穴

体の不調であれば、原因を特定して取り除くことで回復を目指す、という考え方が当てはまりやすいものです。しかし、職場で起こる人の悩みや不調は、必ずしも一つの「原因」を取り除けば解決するとは限りません。

カウンセリングや心理的な支援は、「原因を見つけて取り除く」という構造とは異なります。そのため、効果が分かりにくいと言われることもありますが、人の悩みは原因と結果が一対一でつながっているわけではない、という点を理解しておくことが、管理職として職員に向き合ううえで大切になります。

人の悩みは、その人ごとに異なる

人間の悩みや苦悩は、その人の年齢や経験、受けとめ方、人格、性格、価値観によって大きく異なります。同じ出来事でも、受けとめ方は人それぞれです。たとえば、ある人にとっては乗り越えやすい状況が、別の人にとっては深刻な悩みになることもあります。

つまり、職員一人ひとりの悩みにアプローチする方法は、画一的な「正解」があるわけではなく、その人自身の「在り方」に寄り添いながら考えていく必要があるということです。状況が変われば落ち着くこともありますし、時間をかけた成長に寄り添うことが必要な場合もあります。管理職として見ている問題は、必ずしも単純な原因と結果の因果関係ではない、ということを念頭に置いておきたいものです。

他人の悩みと、自分の悩みを切り分ける

さて、管理職である私たちは、職員をどういった視点でみて、悩んでいるでしょうか。「なぜなんだろう」「原因は何だろう」と探し、その社員の中に「原因」を見つけて「取り除こう」とする思考が、かえって自分自身の悩みの源になっていないでしょうか。

そして、そうした悩みには、たいてい感情が伴っています。イライラしている、自分の力が否定されたようでつらい、無力感で悲しい――。実際に、あなたのマネジメントについてあれこれ言う人がいるのかもしれません。

しかし、他者の悩みや人生の苦悩は、本来あなた自身の人生とは切り分けて考えてよいものです。もちろん、社内の人間関係や業務環境が原因で職員が不調を訴えているのであれば、組織に手を加えることも必要でしょう。それは管理職の仕事ですので、「さて、どうしようか」と具体的に考えればよいのです。職員の悩みそのものを自分が肩代わりして抱え込む必要はありません。

悩みを「書き出して」見つめてみる

悩みというのは、それが具体的にどんなものなのかわからないことから生じます。管理職として少し気持ちを整理したいときは、絵でも言葉でもいいので、思いつくまま白紙に書き出してみましょう。そして、出し尽くしたら、それを見つめてみてください。あなたの「悩み」と言っていたものは、すべて体の外に出ています。

まだすっきりしない場合は、言い尽くせていない思いがあるためですから、もう少し探ってみてください。心理職である筆者も、「何だろう、このモヤモヤする気持ちは」と思うときには、こうした方法を取っています。職員の悩みと自分の悩みを切り分けて見つめることが、管理職自身のメンタルヘルスを守ることにもつながります。なお、職員の不調が深刻な場合や、自分一人で抱えきれないと感じる場合には、産業医や外部の相談窓口など、第三者の専門家につなぐことも管理職の大切な役割です。

執筆者:KIRIHARE所属 臨床心理士

KIRIHARE Well-being(従業員支援プログラム)のご紹介

KIRIHARE Well-beingのストレスチェック機能について

キリハレ株式会社の創業思想である「心の健康を大切にできる社会」の実現を目的に開発した、企業様向けの新EAPサービス(従業員支援プログラム)のご紹介です。

▽こんな方におすすめ

  • 従業員のメンタル不調を事前に防ぎたい
  • 健康経営を実現したい
  • 社内の福利厚生が充実していることを対外的にアピールしたい
  • 採用において自社を『ブランド化』し、魅力を高めたい

上記のようなニーズがおありの場合、当社のサービスを通じて解決できるかもしれません。詳細は以下をご確認ください。

KIRIHARE Well-beingの特徴

  • 従業員のメンタルヘルスを継続的に維持できるよう、「メンタル不調の予防」と「メンタル不調の早期発見・介入・回復」に重点を置いたサービス設計
  • LINEを活用した双方向型のコミュニケーションで、各従業員の状況に沿った「心のセルフケア方法」を提案すると同時に、社外で気軽に「悩み相談ができる場」を提供
KIRIHARE Well-beingの特徴

▽予防

既存のEAPサービスは「従業員がメンタル不調に陥った後に相談する」というフローが基本でしたが、KIRIHAREが提案する新EAPサービスでは、不調にならないための「予防」を何よりも重視し、従業員自らが「心のセルフケア」を意識できる環境を提供します。

▽発見

従業員はLINEにて心理テスト等による定期的な自己チェックが可能なため、ストレス状態への気づきや意識を促し、早期発見につなげます。

▽早期介入

高ストレス状態であることを従業員自身が自覚できず、自ら対処できない場合は、KIRIHARE側がメンタルヘルスの状態を検知し、LINEのプッシュ通知を使ってセルフケアの促進やカウンセリングを提案し、メンタルヘルスの悪化を防ぎます。

▽早期回復

企業全体で、メンタル不調の予防・早期発見と介入のサイクルを回すことで、従業員がメンタル不調を引き起こした際も、早期回復を実現します。

KIRIHAREが提供するセルフケアコンテンツ一覧

【KIRIHARE Well-beingカウンセリング機能】

▽プレカウンセリング

社内にある保健室のような感覚で、いつでも気軽に利用できるカウンセリング機能です。従業員は、カウンセラー資格や相談援助の国家資格を持つ有資格者に、LINEでのチャット形式やZoomで悩み相談ができます。

▽LINEメールカウンセリング

プレカウンセリングでは解決できない場合などは、心理専門職の臨床心理士が対応します。チャットとは異なり、長文での相談が可能です。

▽Zoomや対面のカウンセリング

心理テストの受検結果やプレカウンセリング等で、メンタル不調の度合いや緊急性が高いと判断された場合は、心理専門職の臨床心理士によるZoomもしくは対面でのカウンセリングを提案します。

KIRIHARE Well-being カウンセリング機能

人事責任者向け機能

▽ダッシュボード機能

カウンセリング相談の希望者や、実際に相談を開始した従業員の統計などが瞬時に把握できます。従業員全体のメンタルヘルス状況を多角的に理解することで、各部署の業務量や人員の調整、業務手順の見直しなど、業務環境の改善を検討する一つの手段としてもお役立ていただけます。

▽レポート作成機能

ダッシュボードで表示された項目をグラフで表示し、レポート作成が可能です。

▽ストレスチェックシステム(従業員50名以上の場合)

年に1回実施が義務づけられているストレスチェックの運用が、システムにて無料で行えます。面倒な事務作業や集計、集団分析も管理画面ですべて対応可能です。

KIRIHARE Well-beingダッシュボード機能

「まずは話だけでも聞いてみたい」「とりあえず資料が欲しい」などのご希望があれば、以下に記載のURLよりお問い合わせください。