社内で共有できる簡単なリラクセーション法|従業員のストレス対策に

従業員のストレス対策として、研修や面談に加えて「セルフケアの方法を社内で共有する」ことは、人事が取り組める身近な施策の一つです。なかでも、特別な道具や場所を必要とせず、誰でもその場で実践できるリラクセーション法は、職場で広めやすく効果が期待できます。本記事では、従業員に紹介しやすい「ほぼ誰にでも当てはまるリラクセーション法」と、社内で展開する際のポイントを、人事・管理職の視点で解説します。

◆こちらの記事はこんな方におすすめです

  • 従業員のストレス対策として、手軽なセルフケア法を社内で共有したい
  • 研修や朝礼などで「誰でもできるリラクセーション法」を紹介したい
  • やり方が簡単で、専門家でなくても社内で教え合えるものを知りたい

リラクセーション法には好みがある

心理職は、リラクセーション法のバリエーションを比較的多く持っています。というのも、「この人には当てはまるけれど、あの人には当てはまらない」「やればある程度効果はあると思うけれど、この人はやらない」というように、意外と好みが分かれることがあるからです。社内で一律に同じ方法を勧めても、なかなか定着しないのはこのためです。

たとえば「自律訓練法」は歴史が長く、一定の効果が認められているとされますが、自己催眠的な要素を含むために「なんだか難しそう」と敬遠されたり、「ここから先は専門家と一緒に行ってください」という段階があったりして、効果を実感できるまでに時間がかかることが少なくありません。方法が厳密に決められていることもあり、自己流で広めると逆効果になりかねない、という難しさもあります。

そのほか、心拍などのバイタルサインをフィードバックして客観的にリラックス状態を把握する「バイオフィードバック法」や、箱庭を活用する方法などもあります。いずれも基準がさまざまで、職場の中で手軽に取り入れられる方法ばかりではありません。すでに自分に合ったストレス対処法を持っている従業員であれば、それを尊重すれば十分です。

一方で、ストレス対処があまり得意でない従業員や、「重要なプレゼンや商談の直前で緊張がひどい」というような場面では、その場で・具体的に実践できる方法を知っておくと役立ちます。ここでは、社内で共有しやすい一例をご紹介します。

緊張の正体は「不安」

人はストレスがたまったり極度に緊張したりすると、肩が上がり、呼吸が浅くなり、動悸がします。体温が上がったり、口が渇いたり、胃が痛くなったりする場合もあります。その背景には、理由はさまざまであれ、「不安」が体の中に充満している状態があります。

「失敗したらどうしよう」「望んだ結果でなければもうおしまいだ」「あの人に嫌われるのではないか」——こうした不安や恐怖が体の中にたくさんあると、頭も体も思うように動かなくなってしまいます。なんとかしたいと思っても、不安はなかなか出ていってくれません。こうした状態の従業員に、その場で気持ちを落ち着ける手段を伝えられると、いざというときの支えになります。

周りに気づかれずにできる呼吸法

では、この状況を周りに気づかれずになんとかする方法を見てみましょう。心臓のドキドキを自分でコントロールするのは難しいことですが、そんなときでも自由にコントロールできるものが一つあります。それが呼吸です。呼吸をコントロールできるということは、言い換えれば、自分の身体機能を精神で自在にコントロールできるということで、とても重要なポイントです。

やり方は次のとおりです。従業員に伝える際は、この手順をそのまま共有できます。

  1. 息を吐くときに、心の中で「私は、体の中の不安を吐き出す」と言いながら、ゆっくり息を吐く。二酸化炭素や汚れた空気とともに、たくさんのストレスや嫌な気持ちが出ていくイメージで、できる限り吐ききる。
  2. 次に、心の中で「私は、力を吸い込む」と言いながら、おなかの奥のほうまで大きく息を吸う。体に不足している酸素を、力の素として取り込むイメージを持つ。
  3. 「私は、体の中の不安を吐き出す」「私は、力を吸い込む」を、ゆっくり心の中で唱えながら、周りに気づかれない範囲で数回くり返す。

これで、ほとんどの場合は気持ちが落ち着きます。完全になくならないにしても、その場でのストレスや不要な感情をおさめることができます。

「深呼吸しろ」と昔からよく言われてきたはずです。あれは正しいのですが、少し説明が足りないだけで、詳しく言えばこのようなことなのです。理にかなった方法ですので、効果を高めるためには、「体の中の不安(ストレス)を吐き出す」「力を吸い込む」ということを体にもきちんと意識させ、コントロールすることがポイントです。

社内で展開する際のポイント

この呼吸法は、騒がしい職場でも、移動中でも、自席でも実践できます。研修や朝礼、社内報などで紹介したり、繁忙期やプレゼン・商談の前といったストレスがかかりやすい場面で活用を促したりするとよいでしょう。寝る前などに試すと「体感」しやすいので、はじめは自宅で練習し、いざというときの引き出しとして覚えてもらうのもおすすめです。

ただし、こうしたセルフケアはあくまで日常的なストレスへの対処法です。強い不調が続いている従業員には、無理にセルフケアを勧めるのではなく、産業医や社内外の相談窓口、医療機関といった専門家につなぐことが大切です。セルフケアの普及と、いざというときの相談体制の整備を両輪で進めていきましょう。

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KIRIHAREが提供するセルフケアコンテンツ一覧

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