新型コロナウイルス感染が事業所内で発生した際の、ストレス対応で大切なワード

職場にはさまざまな環境がありますが、新型コロナウイルスをはじめとする感染症が事業所内で発生し、すでに大変な思いをされた方もいるかもしれません。実を言えば、私自身も福祉法人の子ども施設で新型コロナの感染が分かり、対応をしたばかりでした。

法人経営者でもあり、公認心理師・臨床心理士・キャリアコンサルタントでもある筆者が、「感染症が事業所内で発生した際の、ストレス対応で大切なワード」についてお話しします。

本記事は、次のような方におすすめです。

  • 従業員や利用者などに感染が広まったとき、どうしたらいいか心配
  • 組織のなかで感染対策に対する考え方が様々で、どのようにリーダーシップを発揮したらいいか悩んでいる
  • クラスターが発生した場合の実際の様子を知っておきたい

事前の備えが初期対応を左右する

私が理事長を務める法人の子ども施設で職員が感染し、利用している子どもにも感染が広がっていることが分かり、その対応に追われていました。職員に落ち度はなく、ワクチンも接種済みで、家庭もしっかりした方です。たまたま発熱があり検査をしたところ陽性と分かり、休日の朝に私のところへ連絡が入りました。

日頃から保健所の方と連絡を取り合い、担当官を園に招いて職員研修などをしていたことから、初期対応は比較的スムーズに行うことができました。最初のポイントとしては、次の2つが挙げられます。

  • あらかじめ、発生した際のパターンをいくつか想定しておくこと
  • 保健所などの関係機関とは、意識して良好な関係を作っておくこと

「今からでは遅い」と思わず、感染症対応がひと段落し関係機関に余裕が出てきたら、ぜひやっておきたいことです。「研修会」を持ちかけると、たいてい快く来てくれると思います。

発生後の慌ただしい流れ

発生確認後は、施設の特性もあって慌ただしい流れでした。全体を休園とし、全職員・全園児に検査を実施。結果的に新たな感染が分かり、休園措置を取りました。保健所への協力として検査補助を行ったり、その後の健康観察を陰性確認済みの職員が交代で行ったりと、連携した対応を実施できました。

その後、感染が分かった家庭で家族内感染が拡大したり、事前の情報より症状がややつらいものだったりということはありましたが、7日間で通常の運営に復旧できました。ただ、その7日間は保健所への対応に加え、自分自身も休みなく、毎日の健康観察と、「濃厚接触者」として待機している職員や利用者家庭へのケアに追われました。土日祝日も関係ありませんし、夜中でなければ時間も関係ありません。

待機している人の不安を想像する

私と数名のスタッフが忙しく動いている一方で、家で待機している職員や利用者家庭は『どうしたらいいのだろうか』と悩むはずです。ですので、こういったときは自身の忙しさはもちろんですが、ほんの少しだけ想像力を働かせて『自分が待機している従業員だったら』『自分が利用している家庭の親だったら』と推察する時間を持ちましょう。会社組織の方であれば、出入りしている取引先なども考慮するとよいでしょう。

一方、感染症に関しては考え方も様々です。私の関わる園の従業員にも『ワクチンは打ちません』という方がいます。国としても接種は義務化していませんので、法人としても「義務」にはできません。ですが、利用家庭に損害を与えないように、という点については共通認識を作っていくことができます。そこで『様々な利用者の考え方を、自分の考えと同じように尊重するように』という言い方をしています。

複数の連絡手段を確保しておく

今や『電話連絡網』を作っている会社組織はあまりないかと思いますが、私の関わる園では複数の連絡方法を用意しています。「電話連絡網」、SNSを活用した連絡網、そしてこちらから一方的に情報を提示するメーリングリストのようなものです。利用者についても同様に準備しています。

『個人情報が面倒』という方もいるかもしれませんが、緊急時には安全確保のほうが優先です。事故・災害があった際には、施設として個人情報よりも生命を重視するということを事前にお伝えし、そうした際に使用する旨の限定をつけて情報を提供・活用させていただいています。今回は、この前提が機能していました。

なお、誹謗中傷につながるとして感染情報の提供に否定的な地域もあります。感染予防は生命に関わること、誹謗中傷は名誉や権利の侵害に関わることで、どちらに重きを置くかには多様な考え方があります。そのため、『情報を提供しつつ、合意を形成していくこと』が、こうした対応の基本となります。

情報提供で大切なのは「文飾」を排すること

情報を提供する際にとても大切なポイントが『文飾』です。文飾とは文字どおり「飾り」ですが、情報から受けるストレスの多くは、この文飾のせいだといえます。例を挙げてみましょう。

『深夜に申し訳ございません。つい先ほどのことですが、ついにわが社でも新型コロナウイルスの感染者が出てしまいました! 今後、対策が必要となりますので、この件については、また明日の午前中に速やかに対応したいと考えます。』

なんと回りくどいことでしょう。読んでいるだけでイライラしそうです。端的には、こうでしょう。

『お知らせします。22時に保健所から連絡があり、当社社員に新型コロナウイルスの感染が確認されました。以降の対応については、明日午前に改めてお知らせいたします。』

職員にかける声かけも同様です。緊急の際は焦った様子や疲れた雰囲気を見せがちですが、社内のメンタルヘルスを考えるなら、ある程度は平然と対応する必要があるでしょう。もちろん自分としては『無理をしている』わけですが、事態がひと段落したら「いや〜、あのときはつらかった!」と言えばよいのです。まずは余計な詮索を招く『文飾』を排して、端的に、冷静に情報提供を行いましょう。

「新しい情報はありません」も大切な発信

もう一つ、「新しい情報がない」ときには『新しい情報はありません』と発信することも大切です。自分自身に置き換えてもわかるとおり、情報が早い現代において『知らせがないのは良い知らせ』ということは、まずありません。現代では『情報がない』ということも、価値のある情報なのです。

これだけでも、対応待ちのストレスを大きく減らし、結果的に不要な問い合わせを防ぐことにもなります。ぜひ定期的に使ってみてください。

KIRIHARE所属 臨床心理士

KIRIHARE Well-being(従業員支援プログラム)のご紹介

KIRIHARE Well-beingのストレスチェック機能について

キリハレ株式会社の創業思想である「心の健康を大切にできる社会」の実現を目的に開発した、企業様向けの新EAPサービス(従業員支援プログラム)のご紹介です。

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KIRIHARE Well-beingの特徴

  • 従業員のメンタルヘルスを継続的に維持できるよう「メンタル不調の予防」と「メンタル不調の早期発見・介入・回復」に重点を置いたサービス設計
  • LINEを活用した双方向型のコミュニケーションで、各従業員の状況に沿った「心のセルフケア方法」を提案すると同時に、社外で気軽に「悩み相談ができる場」を提供
KIRIHARE Well-beingの特徴

▽予防:既存のEAPサービスは、「従業員がメンタル不調に陥った後に、相談する」というフローが基本でしたが、KIRIHAREが提案する新EAPサービスでは、不調にならないための「予防」を何よりも重視し、従業員自らが「心のセルフケア」を意識できる環境を提供します。

▽発見:従業員はLINEにて心理テスト等による定期的な自己チェックが可能なため、ストレス状態への気づきや意識を促し、早期発見につなげます。

▽早期介入:高ストレス状態であることを従業員自身が自覚できず、自ら対処できない場合、KIRIHARE側がメンタルヘルスの状態を検知し、LINEのプッシュ通知を使って、セルフケアの促進やカウンセリングを提案し、メンタルヘルスの悪化を防ぎます。

▽早期回復企業全体で、メンタル不調の予防・早期発見と介入のサイクルを回すことで、従業員がメンタル不調を引き起こした際も、早期回復を実現します。

KIRIHAREが提供するセルフケアコンテンツ一覧

【KIRIHARE Well-beingカウンセリング機能】

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▽LINEメールカウンセリング:プレカウンセリングでは解決できない場合などは、心理専門職の臨床心理士が対応します。チャットとは異なり、長文での相談が可能です。

▽Zoomや対面のカウンセリング:心理テストの受検結果やプレカウンセリング等で、メンタル不調の度合いや緊急性が高いと判断された場合は、心理専門職の臨床心理士によるZoomもしくは対面でのカウンセリングを提案します。

KIRIHARE Well-being カウンセリング機能

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KIRIHARE Well-beingダッシュボード機能

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