従業員に相談窓口を案内するとき|相談相手との相性をどう考えるか

従業員にカウンセリングや相談窓口の利用をすすめても、「このカウンセラーとは何となく相性が合わないかもしれない」と感じて足が遠のいてしまうことがあります。本記事では、相談相手との相性をどう考えればよいか、そして人事・管理職が従業員に相談窓口を案内する際に押さえておきたい視点を解説します。

相性は人それぞれ|評判が良くても合わないことはある

食べ物の好みが人それぞれであるように、人との相性もまた人それぞれです。同じ食生活で育った家族であっても好みが違うように、世間から「良い人」と思われている相手でも、相性が合わなければ関係がうまくいかないことがあります。

これはカウンセラーとの関係でも同じです。評判の良いカウンセラーであっても、従業員によっては相性が合わないと感じることがあります。人事・管理職としては、「合わないと感じたら別の相談先に変えてもよい」という選択肢があることを、あらかじめ従業員に伝えておくことが大切です。一度合わなかっただけで「カウンセリングは自分には向かない」と諦めてしまわないよう、相性は人それぞれであることを理解してもらいましょう。

「相談先は一つでなくてよい」と伝える

相性が合わないと感じたら、別のカウンセラーや相談窓口を利用してかまいません。社内外に複数の相談先(社内相談窓口、外部EAP、医療機関など)があれば、従業員は自分に合うものを選びやすくなります。「無理をしてまで一つの相談先を続ける必要はない」というメッセージを発信しておくことで、相談のハードルが下がります。

セカンドオピニオンという考え方

主治医以外の意見を聞くことを「セカンドオピニオン」といいます。同じ診断結果・同じ治療方針が示されると、本人が安心して治療に臨めるようになることもあります。

カウンセリングでも同様に、複数の相談先に触れることで迷いが整理される場合があります。一人の相談相手だけに頼り続けると、他の視点に目が向きにくくなることもあるといわれています。人事としては、従業員が複数の支援につながれる体制を整えておくことが、適切な支援への近道になります。

従業員に案内するときの留意点

信頼関係を築いてからでないと悩みを打ち明けられない方もいれば、見ず知らずの相手のほうが打ち明けやすいという方もいます。感じ方は人それぞれです。相談先を案内する際は、こうした個人差を前提に、「合う・合わないがあって当然」「合わなければ変えてよい」ということをあわせて伝えるとよいでしょう。

そのうえで、従業員が「自分は本当は何を求めているのか」を整理できるよう、相談窓口の役割や利用の流れをわかりやすく案内しておくことも有効です。相談先の選択肢と利用方法を整えておくことが、従業員が納得して支援につながるための土台になります。