不安な時は、考えるより動くを意識しよう
仕事の現場では、納期や評価へのプレッシャー、対人関係などから不安を抱える従業員は少なくありません。本記事では、人事・管理職が部下の「不安」のサインに気づき、声をかけ、必要な支援につなげるための視点を整理します。
「不安」と「心配」は少し違う
「不安」は誰もが経験する気がかりで落ち着かない感情ですが、似た言葉である「心配」とは、心理面で少しニュアンスが異なります。
「心配」は、たとえば「あの案件は間に合うだろうか」というように、対象がはっきりしていることが多いものです。一方「不安」は、はっきりとした対象がないまま、先のことを考えすぎて生まれることが多いとされます。「この先この職場でやっていけるだろうか」「自分は評価されていないのではないか」といった、対象が漠然とした感情です。心配が主に外の出来事に向きやすいのに対し、不安は自分自身に向かいやすい感情だと言えます。部下の不安に気づくには、まずこの違いを理解しておくと役立ちます。
不安は仕草やふるまいに表れる
不安な状態になると、人は知らず知らずのうちに、心を落ち着けようとする動作や仕草を見せることがあります。これは「なだめ行動」とも呼ばれ、本人は気づいていなくても無意識のうちに表れるものです。
たとえば、会議中にボールペンをやたらと触ったり回したりする、髪の毛や顔(頬・鼻・耳など)を頻繁にさわる、といった仕草は、不安をやわらげようとする行動だと言われています。管理職としては、こうした仕草に加えて、口数が減る・ミスが増える・遅刻や欠勤が増える・表情が硬いといった日常の変化に目を向けることが、部下の不調の早期発見につながります。「最近どう?」と気軽に声をかけられる関係を普段から築いておくことが大切です。
不安を抱える部下への向き合い方
不安が強いと、業務が手につかなくなってしまう従業員もいます。人事・管理職としては、本人を追い詰めず、安心して話せる環境をつくりながら、次のような支援を意識するとよいでしょう。
- 不安を言葉にできる場をつくる:1on1や面談の機会を設け、何が気がかりなのかを本人が言葉にできるよう傾聴します。頭の中で漠然としていた不安が整理されるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。否定や説教ではなく、まず受け止める姿勢が大切です。
- 業務の見通しを示す:不安は「先が見えないこと」から生まれやすいものです。タスクを分解して優先順位を明確にしたり、判断に迷う部分のサポート体制を示したりすることで、本人の見通しが立ち、不安が小さくなります。
- 休息・気分転換をうながす:強い不安が続くときは、いったん業務から離れて気持ちを切り替えることも有効です。適度な休憩や有給休暇の取得をためらわせない職場の空気づくりも、管理職の役割です。
ただし、不安が強く長く続き、業務や生活に支障が出ている場合は、管理職だけで抱え込まず、産業医や社内外の相談窓口、従業員支援プログラム(EAP)などの専門的な支援につなぐことが重要です。早めに専門家へつなぐことが、従業員の回復と職場の安定の両方につながります。
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