一人で働くのが得意な従業員を活かす|人事・管理職のための多様な働き方への配慮

「みんなで仲良く」「チームで一丸となって」という雰囲気は、多くの職場で良いものとされています。しかし、人と関わることに強いエネルギーを使い、一人で集中して働くほうが力を発揮できる従業員も一定数います。本記事では、人付き合いが得意でない従業員、一人で過ごすことを好む従業員に対して、人事・労務担当者や管理職がどう向き合い、どんな環境を整えれば、その人らしく働き続けてもらえるかを考えます。

「一人を好む」ことは、短所ではなく特性

従業員のなかには、人と話すと緊張してうまく話せない、大人数の雑談が苦手、といった特性を持つ人がいます。こうした従業員は、周囲から「付き合いが悪い」「協調性がない」と見られてしまうことがありますが、それは決して短所ではありません。一人で集中することで高い成果を出す、丁寧で正確な仕事をする、といった強みとして表れることも多いのです。管理職が「人付き合いの得手不得手は個性であり、評価軸とは別のものだ」と理解しておくことが、こうした従業員を活かす第一歩になります。

環境とのミスマッチが、不調や離職を招くことがある

たとえば、長年一人で集中できる環境で力を発揮してきた従業員が、組織変更によって急に大人数の中での密な協働を求められると、強いストレスを感じることがあります。これまで業務連絡を中心にやってきた人にとって、急に周囲と打ち解けることを求められるのは大きな負担です。こうした環境とのミスマッチが続くと、次第に人と話すこと自体がつらくなり、心身の不調や、最終的には離職につながってしまうケースもあります。

管理職が「みんなと同じように振る舞えないこと」を問題視するのではなく、本人がどんな環境で力を発揮できるのかに目を向けることが大切です。配置転換や席替え、業務の進め方を変える際には、本人の特性や希望を確認し、無理のない形で進める配慮が、不調の予防につながります。なお、体調や不調の原因はさまざまで、医学的な判断は専門家に委ねるべきものです。気になる不調がある従業員には、産業医や医療機関への相談を案内しましょう。

多様な働き方を活かす職場づくり

「一人で働ける場所」や「人間関係がほどよくドライな環境」のほうが力を発揮できる従業員のために、職場が整えられる工夫はいくつもあります。

  • 集中して作業できる席や、静かなスペース・在宅勤務などの選択肢を用意する
  • 雑談や懇親への参加を「任意」とし、参加しないことを否定的に扱わない
  • 個人的なことを根掘り葉掘り聞かない、適度な距離感を尊重する
  • コミュニケーションの量ではなく、成果や貢献で公平に評価する

「みんな仲良く」という雰囲気そのものは悪いものではありません。ただ、その雰囲気を全員に一律に求めると、合わない従業員が無理を重ね、心身の調子を崩してしまうことがあります。多様な特性を持つ人それぞれが居心地よく働ける環境を用意することが、結果として組織全体の安定と生産性につながります。

管理職が意識したい、関わり方の基本

一人を好む従業員は、自分の世界をしっかり持っている人でもあります。管理職としては、過度に踏み込んで親密さを求めるのではなく、必要な情報共有や声かけは確実に行いつつ、本人のペースを尊重する関わり方が望まれます。一方で、孤立して困りごとを抱え込んでいないかには注意が必要です。「一人が好き」と「孤立してつらい」は別物だからです。本人がつらさを抱えている様子があるときや、一人で抱えきれないと感じているときには、無理に元気づけるのではなく、産業医や専門の相談窓口につなげる配慮を忘れないようにしましょう。

多様な従業員の働きやすさを、仕組みで支える

KIRIHAREは、従業員のメンタルヘルス対策やセルフケア、相談支援を支援するサービスです。さまざまな特性を持つ従業員が、困りごとを一人で抱え込まずに相談できる窓口づくりや、人事・管理職が早期に気づき支援につなげる仕組みづくりにご活用いただけます。導入をご検討の企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせ・資料請求ください。