ADHDなど発達特性のある従業員をどう活かす?人事・管理職ができる理解と支援
職場には、さまざまな特性を持つ従業員が在籍しています。なかでもADHD(注意欠如・多動症)などの発達特性は、「集中が続かない」「ケアレスミスが多い」といった困りごととして表れる一方で、適切な環境やサポートがあれば大きな強みとして発揮されることもあります。本記事では、ADHDの特性をどう理解し、人事・管理職として従業員の力を活かすために何ができるのかを整理します。
ADHDとはどのような特性か
ADHDは発達障害の一つとされ、不注意(集中を持続しにくい)、多動性(じっとしていることが難しい)、衝動性(すぐに行動してしまう)といった特徴がみられる場合に分類されます。これらの特性は、ときに業務を進めるうえでの困りごととなり、人間関係の構築を難しくすることもあります。
ADHDはもともと子どもを対象としたとらえ方でしたが、近年では成人にも当てはまる特性であることがわかってきました。つまり、すでに働いている従業員のなかにも、こうした特性とともに日々の業務に向き合っている人がいる、ということです。
「向いていない」の裏側にある可能性
社会的なコミュニケーションが苦手で、加えて読み書きに困難をともなう特性(ディスレクシア/読字障害)などがある場合、定型的な作業を求められる業務では難しさを感じ、力を発揮しにくくなってしまうこともあります。
しかし、一般的な型にうまく当てはまりにくいということは、裏を返せば「型にはまらない新しい発想」が求められる分野、つまり創造性が重視される業務では、その特性が強みとして発揮される可能性があるとも考えられます。担当業務や役割の割り当てを工夫することで、本人の持ち味を活かせる場面は少なくありません。
特性を活かせるかは、職場環境とサポート次第
ADHDの特性がある方が、適性のある業務でその強みを発揮できるかどうかは、本人だけの問題ではなく、サポートする周囲の人々や職場環境が重要な要素になります。上司や同僚の理解、業務の進め方の工夫、相談しやすい雰囲気づくりが、その人の力を伸ばす大きな支えとなります。
ADHDの特性がある方は、苦手なことには関心を示しにくい一方で、興味のあることには人並み以上に熱心に取り組める力を持っていることがあります。その適性を見極め、関心と業務の方向性を一致させることができれば、組織にとって大きな戦力となる場合があります。
人事・管理職が気をつけたいこと
注意したいのは、「集中できない」「ケアレスミスが多い」といったエピソードがあるからといって、本人をADHDと決めつけたり、ラベルを貼ったりしないことです。診断は専門医が行うものであり、職場が安易に判断するものではありません。逆に「発達特性があるから特別扱い」と過度に身構える必要もありません。
大切なのは、特性の有無にかかわらず、一人ひとりの得意・不得意に応じて業務を調整し、力を発揮できる環境を整えていくことです。本人が困りごとを抱えている場合は、産業医や社内外の相談窓口につなぐことも、人事・管理職の重要な役割です。具体的な配慮が必要な場面では、本人と相談しながら、無理のない働き方を一緒に考えていきましょう。
多様な特性を活かす職場づくりへ
どのような人にも向き・不向きがあります。ADHDの特性がある方には、その向き・不向きがとくに表れやすいといえるでしょう。特性を否定するのでも過度に美化するのでもなく、本人と職場が理解し合い、力を発揮できる環境を整えていくこと。それが、多様な人材が活躍できる組織づくりにつながります。配慮や対応に迷うことがあれば、産業医や専門の相談窓口と連携しながら進めていくとよいでしょう。
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