ADHDの特徴と3つのタイプ|人事・管理職が知っておきたい職場での配慮
ADHDとは、Attention-Deficit / Hyperactivity Disorderの略称で、日本語では「注意欠如・多動症(注意欠陥多動性障害)」と呼ばれます。発達特性のひとつであり、職場でも特性のある従業員が働いていることは珍しくありません。人事・管理職が特性を正しく理解することは、適切な配慮や環境調整につながります。主に次の3つの特徴が見られるとされています。
- 不注意:ケアレスミスが多い、集中が続きにくい、時間管理や片付けが苦手
- 多動性:そわそわして落ち着いていられない、しゃべりすぎてしまう
- 衝動性:順番を待つのが苦手、思ったことをすぐ口に出す、感情が高ぶりやすい
これらの特徴は単独で表れるよりも、組み合わさって現れることが一般的とされ、その組み合わせによって、おおまかに次の3つのタイプに分けて理解されることがあります。職場での「困りごと」の表れ方も、タイプによって異なります。
①混合型
多動・衝動性と不注意の両方の特徴をあわせ持つタイプです。落ち着きなく動きまわったり衝動的に行動したりする一方で、ケアレスミスや見落としも起こりやすいとされます。ただし、どちらが強く表れるかは人によって異なるため、本人が感じる働きづらさや、周囲のかかわり方の難しさも一人ひとり違ってきます。職場では、本人の困りごとを丁寧に聞き取ったうえで配慮を考えることが大切です。
②不注意優勢型
不注意の特徴が強く、ぼんやりしているように見えやすいタイプです。何も考えていないわけではなく、気が散りやすいために一つのことに集中しづらく、結果として周囲からは「ぼうっとしている」ように見えることがあります。落ち着きのなさが目立ちにくいため、気づかれにくいことが特徴とされます。職場では「やる気がない」と誤解されやすいため、人事・管理職は決めつけずに背景を理解する姿勢が求められます。
③多動・衝動性優勢型
落ち着きのなさと衝動性が強く表れるタイプです。じっとしていることが苦手で、衝動が抑えにくいために大きな声を出したり、感情が高ぶったりすることがあります。思ったことがすぐ口に出てしまい、結果として相手を傷つける発言につながったり、順番を待てなかったりすることもあります。職場では対人面でのすれ違いが起きやすいため、本人と周囲の双方への支援が役立ちます。
職場での配慮のヒント
特性の表れ方には強弱の個人差があり、生活環境や求められる役割の変化によっても変わっていくとされています。人事・管理職としては、特性を「本人の努力不足」と決めつけず、次のような環境調整を検討することが有効です。
- 指示は口頭だけでなく、文書やチェックリストなど目に見える形で伝える
- 業務の優先順位や締め切りを一緒に整理し、こまめに進捗を確認する
- 集中しやすい座席・時間帯の調整など、環境面の工夫を検討する
- 本人の強みを活かせる業務配分を一緒に考える
ここでご紹介した内容は一般的な傾向であり、診断は医療機関で行われるものです。本人が困りごとを抱えている場合は、無理に診断を求めるのではなく、産業医や専門の相談窓口につなぐことが大切です。特性を理解し、合理的配慮を検討することが、従業員一人ひとりが力を発揮できる職場づくりにつながります。
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