眠れない症状を引き起こす不安障害
不眠は、職場で気づける不調のサイン
仕事や家庭の強い心理的ストレスは、不眠を引き起こすことがあります。床についてからも無意識に不安なことを考えてしまい、なかなか寝つけなくなるためです。さらに「眠れないこと」自体が新たな不安となり、いっそう眠れなくなる悪循環に陥ることもあります。睡眠不足は集中力低下やミス、欠勤の増加として職場にあらわれるため、不眠は人事・管理職が従業員の不調に気づける重要なサインです。本記事では、不眠の背景にある不安障害について、職場での気づきと対応の観点から整理します。
不安障害とは(管理職が知っておきたい基礎知識)
不眠の原因ともなる不安障害は、不安を主症状とする状態の総称です。代表的なものに「パニック障害」「社会不安障害」「強迫性障害」「外傷後ストレス障害(PTSD)」「全般性不安障害」などがあります。診断や治療は精神科・心療内科などの専門医療機関が行うものであり、人事・管理職が判断するものではありません。ここでの内容は、従業員の不調のサインに気づき、専門機関への相談をうながすための一般的な知識としてご理解ください。
パニック障害
突然、理由もなく動悸やめまい、発汗、息苦しさなどの強い発作(パニック発作)を起こす状態です。また発作が起きるのではないかという不安から、発作が起きやすい状況を避けるようになります。エレベーターや満員電車など「逃げられない」と感じる空間に強い恐怖を覚え、外出や通勤が困難になるケースもあります。通勤や特定の場面を避ける様子が見られる場合は、無理をさせず相談につなぐ配慮が必要です。
社会不安障害
人に注目されることや人前で恥をかくことへの強い恐怖から、人前で話すこと、会議やプレゼン、人の多い場所への移動などに強い苦痛を感じる状態です。本人は不安を「おかしい」と感じながらも抑えることが難しくなります。職場では、発言や人前に出る場面を極端に避ける様子としてあらわれることがあります。
強迫性障害
強いこだわりや不安にとらわれてしまう状態です。「過剰に手を洗い続ける」「戸締まりを何度も確認する」など、不合理だとわかっていてもやめられない行為を繰り返し、それに多くの時間を費やして業務や生活に影響が出ることがあります。確認作業に極端に時間がかかるなどの様子が見られたら、本人を責めずに見守る姿勢が大切です。
外傷後ストレス障害(PTSD)
事故や災害、暴力被害などの強烈なショック体験が心のダメージとなり、時間が経ってからもその体験に強い恐怖を感じる状態です。突然恐怖体験を思い出したり、不安や緊張が続いたりするほか、頭痛・めまい・不眠などの症状があらわれます。職場で事故や重大なトラブルを経験した従業員には、こうした影響にも目を配る必要があります。
全般性不安障害
仕事や家族、将来のことなどが気にかかり、極度の不安や心配を抱える状態が長く続くものです。不安症状だけでなく、落ち着きのなさ、疲れやすさ、集中力の低下、イライラ、筋肉の緊張、不眠などがあらわれます。これらは職場でのパフォーマンス低下や欠勤として表面化することがあります。
人事・管理職としての対応
不安障害は決して珍しいものではなく、適切な治療やサポートによって改善が期待できるとされています。人事・管理職としては、不眠や強い不安、集中力低下などのサインに早めに気づき、本人を責めずに話を聞き、産業医や社内外の相談窓口・従業員支援プログラム(EAP)、専門の医療機関といった適切な相談先につなぐことが大切です。あわせて、過重労働の是正や業務量の調整など、ストレス要因そのものを減らす職場環境づくりも、予防の観点から欠かせません。従業員が一人で抱え込まずに済む体制を整えていきましょう。
0120-659-646

