うつ状態の従業員のネガティブな発言とどう向き合うか――人事・管理職の関わり方

うつ状態にある従業員の話し方には、「自己主張はするものの、その内容はネガティブで積極性に欠ける」という特徴がみられることがあるといわれます。こうした傾向を「扱いにくい」と感じてしまうと、適切な支援につながりにくくなります。本記事では、職場でうつ状態の従業員と接する人事・管理職に向けて、こうした話し方の背景にあると考えられる心理と、組織としての向き合い方を整理します。なお、不調の現れ方には個人差が大きく、ここで述べる内容がすべての方に当てはまるわけではありません。

自己主張とネガティブさが同居する背景

真面目で責任感が強く、正義感を持って自己主張できる人ほど、ストレスを抱え込みやすいという指摘があります。自己主張をした際、その内容が正論であっても、結果的に周囲を不快にさせてしまうと、組織のなかで煙たがられてしまうことがあります。そうして意見を取り合ってもらえない状況が続くと、責任感の強い人でも耐えがたい思いを味わい、心の不調につながっていくことがあると考えられています。

本来、自己主張は願望や意見を伝えるための手段です。しかし「どうせ自分の意見は通らない」と繰り返し感じてしまうと、「一応主張はするけれど、どうせ無理だろう」という思考に変化していきます。これが、自己主張をしながらもネガティブな表現に偏っていく一因ではないかとみられています。話し方の背景に、過去に意見を受け止めてもらえなかった経験が潜んでいる可能性を、管理職は念頭に置いておきたいところです。

ネガティブな発言を頭ごなしに否定しない

ネガティブな発言が出ること自体は、決して悪いことではありません。発言を遮ったり「もっと前向きに考えよう」と即座に切り返したりすると、本人は「やはり聞いてもらえない」と感じ、さらに口を閉ざしてしまいます。まずは、なぜそう感じたのかを丁寧に聞く姿勢が、うつ状態の従業員が職場で安心して働ける環境づくりにつながります。

面談や1on1の場では、評価や指導を急がず、「話を最後まで聞く」ことを意識するとよいでしょう。具体的には、否定の言葉を挟まずにうなずきながら聞く、本人の言葉を言い換えて確認する、結論を急がせない、といった関わり方が有効です。こうした聞き方そのものが、本人の安心感を支えます。

マイナスのイメージとして語られる内容は、場合によっては職場そのものが抱える課題を映し出していることもあります。むしろ問題なのは、そうした声を聞き流して放置してしまうことです。なぜマイナスのイメージが生まれているのかを把握することが、職場改善の糸口になることもあります。

個人だけでなく組織にも目を向ける

うつ状態の従業員への対応を考える際には、組織のあり方そのものが問われることもあります。業務量や評価のしくみ、コミュニケーションの取り方など、職場の体質を見直す必要が出てくる場合もあります。本人だけが不調と向き合うのでは不十分で、会社の側も、うつ状態の従業員を取り巻く環境を整える努力をしていくことが求められます。

あわせて、人事・労務担当者は、うつ状態の従業員が安心して休養や治療に専念できる制度(休職・時短勤務・業務分担の見直しなど)を整え、本人が「職場に戻れる」と思える復職支援の道筋を示しておくことが大切です。配慮の内容は本人と相談しながら決め、押しつけにならないようにします。

うつ状態の従業員への接し方や職場環境づくりに迷ったときは、産業医・産業保健スタッフ・臨床心理士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家の視点を取り入れることで、本人にとっても組織にとっても、より良い対応につながります。

早期に気づき、支援へつなぐ仕組みを

話し方の変化は、不調の早期サインの一つです。従業員が気軽に気持ちを言葉にできる入り口があれば、深刻化する前に支援へつなげられます。KIRIHAREのAIカウンセリングは、従業員がいつでも話を切り出せる入り口として活用でき、必要に応じて産業医や社内窓口への橋渡しを行います。従業員のメンタルヘルスの早期対応にお役立てください。

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