考えが深まっていない職員との対話~どう気づかせるか~
ハラスメントの事例として
『こんなこともわからないのか』
『何年やってるんだ』
『こんなの子どもでも分かる』
というような例が挙げられています。
他方、現実的な業務の中では、
「その考えは不適切だろう」
と思われることもあるものです。
法人経営者でもあり、公認心理師、臨床心理士、
キャリアコンサルタントでもある筆者が
『考えが深まっていない職員との対話』についてお話します。
◆こちらの記事はこんな方にお勧めです
〇考えが深まっていない部下との対話の仕方を知りたい
〇ハラスメントにならないようにしたいが、早く気づいてほしい
〇短時間で考えの方向を変えさせたい
なぜ面接を行うのか
わたしの管理している職場では、
これから年度末にかけて、職員一人ひとりと面接をします。
わたしも、できるだけ多くの職員の面接に同席して、
現場の管理職と2名で行います。
この面接にはいくつかの意味があって
業務評価的な意味
職員の今後のキャリアに対する見通しを与える意味
メンタルヘルス等の問題がないか確認する意味
職場改善に資するような考えなどを吸収する意味
です。
日ごろ、比較的関わっている職員であっても
こうした場での面談は、意味がある事が多く、
今年も、私自身も改めて「職場」というものについて
考える機会となっています。
「共通理解」して聴くには
とはいえ、年齢や性別にかかわらず
「ちょっと、そういう考えを持っているとよくないかなあ…」
「え、それはちょっと筋違いじゃないかな?」
というようなことを言う職員もいるものです。
私も心理職の端くれですので
「そりゃおかしいでしょ」ということを、
すぐに表情や言葉に出すようなことはしませんが
「これは困ったな・・・このお話はどう着地させようかな」
と、聞きながら考える事かあります。
よく「カウンセリングマインド」ということを
学ばれている方にありがちなのは
「聴いたことを否定しないで聴く」
とうことは知っているのですが、
そのことと、「自分が納得できていないこと」を
どうするかが折り合っていない方を見かけます。
要するに「がまんして聴き続けている」
というパターンですね。
実際に傾聴をするということは
「価値観を差しはさまずに聴く」
と言うことなのですが、そのことと
「自分の中にストンと落ちる共感がない」状態なのに
「そうなんですね。わかりますよ」
なんて返しているのは、「うそ」でしかありません。
大切なのは、「なるほど、そう考えているのか」
という納得をもって、応じることですので
相手の話のリズムを崩さないようにしながら、
腑に落ちない部分や、わからない部分については、
更に聞きこんでいくことになります。
その質問の仕方が
「〇〇〇〇って言ってましたかけど、
それってもう少し聞いてもいいですか?」
「〇〇〇について■■と言ってましたけど、
それってどういう感じですか?」
というような聞き方です。
それらを繰り返して、
目の前の方の人となりなどを併せ、
「こういう意味であってますか?」
と相手に返したときに、
「そうなんです!」
とかえってきたら、
「なるほど、わかりました!」
と共感が成立するわけです。
こうなると、「共通理解」がありますから、
話はどんどん進んで、良い雰囲気で話し合いができます。
Aさんの場合(面接の事例)
ところが、つい先日、「これはどうしようかなあ・・・」
というケースがありました。
※脚色してお話しします。
40代の独身の女性職員で、専門職として10年以上の
ベテランのAさんとしましょう。
今年度の勤務を振り返ってもらっていると、
どうも隣の部署の同年代の女性職員Bさんに対して
批判的な言動が多いのです。
「こちらの仕事と、向こうの仕事で、向こうのペースにばかり
合わせなければならない雰囲気で、私は嫌なんです」
話の要点は、Aさんの業務は、Bさんの業務の前段階なのですが、
Bさんの業務のペースに合わせて、
自分が仕事をしなければならず、自分のペースも考えてほしい、
ということです。
「自分勝手なんじゃないか」
「なぜこっちが合わせないといけないのか」
そのまま聞いていると、私個人もイライラしてきます。
「Bさんは、年度が始まると、すでに次の年の
3月末の目標を見据えてしまっていて、
こちらのペースは考えてくれないんです」
対処方法
さて、みなさんなら、なんと声を掛けますか。
「話し合ってみたらどうですか?」
「それは大変ですね。お察しします」
「あなたも計画を立ててはいかがですか?」
こうした場合に、一番早い進展になるのは
『そうだったんですね。もしできたら、『どうなったらいいか』
と言うことを教えていただけますか』
考えが深まっていない状態と言うのは、
感情が先にある状態です。
つまり、現状に対する不満が中心となりますので
「どうなったらそれが解消されるか」という状況を、
具体的に本人にイメージされることが効果的です。
「えーと・・・仕事に目標があるのはいいと思うんですが、
勝手に決めないで、話し合ってほしいんです」
「なるほど!いいですね。で、その話し合いをするには、
どうしたらいいですか?協力できるところはします」
「うーん・・・・。苦手な人なので・・・1対1だと、
意見は言いにくいです。なにか場を設けてもらえたら」
「なるほど、わかりました。
各部から、年度初めに2人ずつくらいでて、
仕事のペースの確認などをできるようにしましょうか」
「それだと、すごく助かります」
『なるほど。では、具体的に
どんな感じになったらよいと思いますか?』
という質問は、どんな不満にも有効です。
また、1回だけでなく、それを重ねていくと、
共通認識を作れて、「聴いてくれた感」も高まります。
とても有効な面接になりますので、使ってみてください。
KIRIHARE所属 臨床心理士
KIRIHARE Well-being(従業員支援プログラム)のご紹介
キリハレ株式会社の創業思想である「心の健康を大切にできる社会」の実現を目的に開発した、企業様向けの新EAPサービス(従業員支援プログラム)のご紹介です。
▽こんな方におすすめ
- 従業員のメンタル不調を事前に防ぎたい
- 健康経営を実現したい
- 社内の福利厚生が充実していることを対外的にアピールしたい
- 採用において自社を『ブランド化』し、魅力を高めたい
上記のようなニーズがお有りの場合、当社のサービスを通じて解決できるかもしれません。
詳細は以下をご確認ください。
▽KIRIHARE Well-being公式ページ
https://kirihare.jp/▽資料請求
https://share.hsforms.com/18kN8rZspTq2MAEOFbwW_gg5m6sq▽新規登録(人事ご担当者様向け)
https://kirihare.jp/ap/user/register▽貴社の状況に合わせたサービス内容をご提案します。無料相談はこちらからhttps://meetings.hubspot.com/operation9/kirih
KIRIHARE Well-beingの特徴
①従業員のメンタルヘルスを継続的に維持できるよう「メンタル不調の予防」と「メンタル不調の早期発見・介入・回復」に重点を置いたサービス設計
②LINEを活用した双方向型のコミュニケーションで、各従業員の状況に沿った「心のセルフケア方法」を提案すると同時に、社外で気軽に「悩み相談ができる場」を提供
▽予防
既存のEAPサービスは、「従業員がメンタル不調に陥った後に、相談する」というフローが基本でしたが、KIRIHAREが提案する新EAPサービスでは、不調にならないための「予防」を何よりも重視し、従業員自らが、「心のセルフケア」を意識できる環境を提供します。
▽発見
従業員は、LINEにて心理テスト等による定期的な自己チェックが可能なため、ストレス状態への気づきや意識を促し、早期発見に繋げます。
▽早期介入
高ストレス状態であることを従業員自身が自覚できず、自ら対処できない場合、KIRIHARE側がメンタルヘルスの状態を検知し、LINEのプッシュ通知を使って、セルフケアの促進やカウンセリングを提案し、メンタルヘルスの悪化を防ぎます。
▽早期回復
企業全体で、メンタル不調の予防・早期発見と介入のサイクルを回すことで、従業員がメンタル不調を引き起こした際も、早期回復を実現します。
【KIRIHARE Well-beingカウンセリング機能】
▽プレカウンセリング
社内にある保健室のような感覚で、いつでも気軽に利用できるカウンセリング機能です。従業員は、カウンセラー資格や相談援助の国家資格を持つ有資格者に、LINEでのチャット形式やZoomで悩み相談ができます。
▽LINEメールカウンセリング
プレカウンセリングでは解決できない場合などは、心理専門職の臨床心理士が対応します。チャットとは異なり、長文での相談が可能です。
▽Zoomや対面のカウンセリング
心理テストの受検結果やプレカウンセリング等で、メンタル不調の度合いや緊急性が高いと判断された場合は、心理専門職の臨床心理士によるZoomもしくは対面でのカウンセリングを提案します。
人事責任者向け機能
▽ダッシュボード機能
カウンセリング相談の希望者や実際に相談を開始した従業員の統計などが瞬時に把握できます。従業員全体のメンタルヘルス状況を多角的に理解することで、各部署の業務量や人員の調整、業務手順の見直しなど、業務環境の改善を検討する一つの手段としてもお役立ていただけます。
▽レポート作成機能
ダッシュボードで表示された項目をグラフで表示し、レポート作成が可能です。
▽ストレスチェックシステム(従業員50名以上の場合)
年に1回実施の義務のあるストレスチェックの運用が、システムにて無料で行えます。面倒な事務作業や集計、集団分析も管理画面にて全て対応可能です。
現在、弊社がリリースした新EAPサービスを3ヵ月間無料で体験いただけるキャンペーンを実施中です!「従業員のメンタルヘルス対策が必要だと思っていながらも、仕組みをゼロから考えるのは難しい・・・」「コロナ禍でテレワークが進み、従業員のメンタルヘルス状況が把握しづらい」等のお悩みを抱えている企業の人事担当者様必見の特別企画です!!沢山のご応募お待ちしております。
「まずは話だけでも聞いてみたい」「とりあえず資料が欲しい」などのご希望があれば、以下に記載のURLより、お問い合わせください。
▽KIRIHARE Well-being公式ページ
https://kirihare.jp/▽資料請求
https://share.hsforms.com/18kN8rZspTq2MAEOFbwW_gg5m6sq▽新規登録(人事ご担当者様向け)
https://kirihare.jp/ap/user/register▽貴社の状況に合わせたサービス内容をご提案します。無料相談はこちらから
https://meetings.hubspot.com/operation9/kirih