心理カウンセラーの仕事や資格について
・心理カウンセラーとは
心理カウンセラーは、患者と向き合い患者が抱えている悩みやストレスをヒアリングし、
患者の置かれている状況や心理状態を把握した上で、心理テストやカウンセリングを行い、
患者の抱えている問題を解決に導くサポートをします。
実際は、心理カウンセラーという名称の職業があるわけではなく、
心理的なカウンセリングをする人の総称として心理カウンセラーと呼称しています。
心理カウンセラーが活躍している職場は、医療機関が学校、企業、地方公務員などで、独立して開業している人もいます。
・心理カウンセラーに必要な資格
基本的には無資格でも心理カウンセラーと名乗れます。しかし、多くの心理カウンセラーは資格を有しています。
もっとも代表的な資格は、国家試験である「公認心理師」です。
公認心理師は2018年12月から開始された新しい資格です。
公認心理師は、患者やその周囲の人に問題解決に向けた援助と、心の健康に関する教育や情報提供を行います。
公認心理師の資格を保有することで心理カウンセラーとしての知識や技術を保有していることが国から証明され、
就職や転職が有利になります。
「臨床心理士」は、日本臨床心理士資格認定協会が認定している民間の資格です。
臨床心理士は、投薬する権限はありませんが1対1のカウンセリングをすることで患者の問題を解決に導きます。
この資格は、民間資格の中でも最も注目度が高い資格です。
「産業カウンセラー」は、日本産業カウンセラー協会が認定する民間の資格です。
主には、会社などに勤める労働者の問題や悩みをカウンセリングし、患者の問題解決のサポートをします。
「認定心理士」は、日本心理学会が認定する民間の資格です。
認定心理士になるには試験はありません。日本心理学会に認定申請をして、認定されると資格を取得できます。
認定条件は、通算2年以上の国内滞在と大学・大学院での必要な科目を修了していること、
日本心理学会指定の科目の単位を取得していることです。
「メンタルケア心理士」は、メンタルケア学術学会が認定する民間の資格です。
基礎的なカウンセリング手法や、精神医学・薬理学・生化学などいろいろな観点から心理学を学ぶため
医療現場や教育現場など働き先の幅も広がります。
「認定カウンセラー」は、日本カウンセリング学会が認定する民間の資格です。
取得するには日本カウンセリング学会のカリキュラムを修了する必要があります。
・心理カウンセラーになる方法
基本的に心理カウンセラーには資格は必要がありませんが、
就職を考慮した場合は国家資格の「公認心理師」か、民間資格の「臨床心理士」の資格を持っていた方が有利です。
これらの資格は、協会が指定した大学院修士課程か専門職大学院の終了が条件となっているので、
心理カウンセラーになるためには、大学院で心理学を学ぶのが最も近道です。
・心理カウンセラーに向いている人物像
カウンセリングは、患者と対話しながら悩みや不安を解きほぐすものです。
単に心理学の知識があるだけではなく、人として誠実であることや包容力、さらにはコミュニケーション能力が必要です。
特に、メンタル患者へは相手を傷つけないような独特の会話手法があります。
また、相手のしぐさや言葉から心の動きを読み取る鋭い洞察力も必要です。
そして、患者の立場に立って総合的に判断する判断力も必要です。
なお、心理カウンセラーは、患者に共感しすぎて、カウンセラー自身もストレスを抱えることがあるため、
適切なストレス解消方法を持っている人に向いている仕事です。
・心理カウンセラーの将来性
ストレス社会となった現在は、うつ病などのメンタル患者が増えていて、心理カウンセラーの需要も年々高まっています。
公認心理師という国家資格もスタートしたばかりなので、今注目を浴びている職業です。
最近は、企業内に健康管理センターを設置することも増えてくるため、今後も心理カウンセラーの需要は増加する見込みです。