精神的自立の概要と自立のしかた

・精神的自立とは
精神的自立ができている状態とは、「自分の言動や行動を誰かの意思に委ねていない状況」です。
つまり、人の意見や価値観をそのまま受け入れることなく、自分の考えに基づいて行動できることを指します。
たとえば、友人同士でカラオケに行こうというシチュエーションになった際、
「楽しそうだから行く」など、「楽しそう」という自分の考えをしっかりもっているならば、
精神的自立ができている状態といえるのではないでしょうか。

・精神的自立ができているかチェック
精神的自立ができているかどうかは、いくつかのチェックをすることで判断できます。一例としては、「自分の意見をもっているかどうか」「決断は自分で行えるか」「相談と決断を混同していないか」「周りに対して気を遣いすぎていないか」「1人の時間を過ごせるか」などです。

「自分の意見をもっているかどうか」については、意見をもっていないと、自分の考えに沿った行動ができません。
自分が精神的に自立しているか判断に迷ったときは、自分の意見はどうなのかを確認してみるのがよい方法です。

「決断は自分で行えるか」については、発言などにしっかりと自分の意見が盛り込まれているかどうかです。
たとえば、「○○さんが言ったから」などと発言するときは、自立できていないのです。

「相談と決断を混同していないか」については、自分の責任において決断したのかどうかが問われます。
「○○さんに相談したらこう言われたので決めた」という状況では、自立しているとはいえないでしょう。

「周りに対して気を遣いすぎていないか」について、「気遣い」は決して悪いことではありません。
とはいえ過剰な気遣いは、相手に受け入れてほしい、認めてもらいたいという気持ちの現れであり、
そのような思考では自分の意見に基づく決断は困難です。

「1人の時間を過ごせるか」については、文言を変えると「誰かと一緒にいないと不安ではありませんか?」ということです。
1人で過ごすことができないのは、自立できているかどうかの大きな指標です。

・精神的自立をするために意識すべきこと
精神的自立をするためには、意識改革が必要です。
自分の精神を変えるには、思考方法を学ぶ必要があります。

最初に意識すべきことは、「自分の人生は自分のものである」ということです。
精神的に自立できていない人は、周囲の人の反応をうかがいすぎなのです。
他人のご機嫌とりをしながら生活するパターンを、変えていく必要があります。
自分の考えに基づく行為だからこそ、その行動に責任をとることができるのです。

また、他人に対する意識を変える必要もあります。「他人は他人」であることを意識するのです。
自分は他人と異なる存在であることを意識すると、より他人を尊重でき、同時に自分も尊重できるようになるでしょう。
自分を尊重できれば、「自分らしい行動」を取れるようになります。

・精神的自立のためのトレーニング方法
精神的に自立するためのトレーニング方法の一つに、「1人で行動する」ことがあります。
1人での行動を継続すると、自分で自分を頼れるようになるため、精神的な自立につながります。
1人で旅行してみたり、外食してみたり、映画を見たりなどのトレーニングがおすすめです。

「1人でできる趣味を探す」ことも、精神的自立のよいトレーニングとなります。
1人で趣味を楽しむと、おのずと自分の興味が理解でき、好みや意見が明確になるというメリットがあります。

「自分の目標を明確にする」ことも大切です。
自分の目標は自分だけの意見です。自分で決めた目標は、他人には左右されない明確な意思の表れとなります。

「自分の決断を意識する」ことも大切です。
自分自身の決断であるという意識は、自己責任意識を育みます。
自分の決断で行動したのであれば、失敗したときも他人のせいにはできません。責任転嫁せずにじっと内省する機会も、とても大切です。
そうして、認識できる決断を増やしていくと効果的です。

「経済的にも自立する」ことも重要です。
経済的な側面は、自分の生活を成り立たせるのに必要不可欠な要素です。
未成年の場合、たとえば携帯電話料金のみを自分のアルバイトで賄うなど、小さなことから始めるとよいでしょう。