職場のセルフケアに「散歩」を活かす|人事が勧めたいメンタル不調予防の習慣

従業員のメンタル不調の予防には、特別な道具も費用もかからない「日常の習慣」が大きな役割を果たします。なかでも、手軽に取り入れられて効果が期待できるセルフケアのひとつが「散歩」です。本記事では、人事・労務担当者や管理職が、従業員の心身の健康づくりや職場のセルフケア施策として「散歩」をどう活かせるかを整理します。
なぜ「散歩」が職場の健康づくりに役立つのか
散歩が健康によいことは広く知られていますが、メンタルヘルスの観点からあらためて注目される理由は、その手軽さにあります。特別な準備や費用が不要で、誰でもすぐに始められるため、運動習慣のない従業員でも取り組みやすいのが特徴です。テレワークの普及で日中に外へ出る機会が減り、気分転換のきっかけを失っている従業員も少なくありません。短い散歩を促すことは、そうした従業員の気持ちの切り替えを後押しします。
参考までに、KIRIHAREのセルフケアコンテンツでは、ただ歩くことに意識を向ける「マインドフルネス」の考え方を取り入れた散歩を紹介しています。
従業員に勧めたい、散歩の3つのポイント
職場で散歩を呼びかける際は、「がんばらなくてよい」ことを伝えるのがコツです。次の3点を案内すると、従業員も無理なく取り入れやすくなります。
- できれば「朝」に。起きてから1時間以内に外に出ると気分が切り替わりやすい
- 歩く距離や時間を決めず、気の向くまま歩いてよい
- 気が乗らない日や天候が悪い日は、無理をしない
「何キロ歩く」「何分続ける」といった目標を課すと、かえって負担になり長続きしません。義務ではなく気軽な気分転換として位置づけることが、職場のセルフケア施策を定着させるポイントです。
朝の習慣として根づかせる工夫
朝の散歩は、起き出すまでが最初のハードルになりがちです。従業員に勧める際は、「起きてから30分以内に身支度をして、とりあえず外に出る」といった、ハードルを下げる具体的なコツもあわせて伝えると実践につながりやすくなります。完璧を目指さず、まず外に出ることを目標にするだけでも、習慣化の第一歩になります。

歩きながら五感に意識を向ける(マインドフルネス)
散歩の効果をより高めるには、歩きながら自分の身体や五感に意識を向ける「マインドフルネス」の要素を取り入れる方法が勧められます。「よい・わるい」という評価ではなく、「いま自分はどう感じているか」をそのまま受け止めるのがポイントです。空の色、風や空気の感触、鳥のさえずり、季節の草花の香り——そうした周囲の感覚に意識を集中させることで、頭の中の雑念から少し距離を置くことができます。
歩いていると、悲しさや不安といった雑念が浮かぶこともあります。それを否定せず「自分はそう感じているのだな」と受け止めることも、マインドフルネスの大切な姿勢です。朝の光を浴びながらのこうした時間は、ささやかでも確かな気分転換になります。人事・管理職としては、こうしたセルフケアを「個人の心がけ」に任せきりにするのではなく、休憩時間の取りやすさや、昼休みの散歩を後押しする声かけなど、職場の仕組みとして取り入れる工夫が、従業員のメンタル不調の予防につながります。
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