『発達の難しさ』を抱える社員とのかかわり方
今回は、「発達の難しさを抱える方の採用を考える」をテーマに、法人経営をしている公認心理師・臨床心理士でありキャリアコンサルタントでもある筆者が、『発達障がい』をはじめとして『気になる子』とともに成長してきた従業員について、どう考えるかをお話しします。
今回の内容は、こんな方におすすめです。
- 何か雰囲気を共有しにくい『気になる社員』を抱えている
- 発達障がいと診断された社員とのかかわりに困っている
障がいは本人の努力の問題ではない
『気になる子』や『発達の難しさ』という言葉が国内で使われるようになってから、20年ほどでしょうか。以前に比べると、社会の中での理解も浸透してきているように感じられます。
かつては「空気が読めない(KY)」とか「片付けができない」といったことが、面白おかしく「ネタ」として扱われるところからスタートしました。現在では、もちろんそうした扱いは「無理解」と言われるでしょうし、面白おかしく取り上げるものではないと考えられます。
発達の難しさ、発達障がいについては、現在のところ原因は明確になっておらず、特性とうまく付き合っていくための支援が中心となります。『障がい』という言葉にインパクトを感じる方もいるかもしれませんが、それまで「性格の問題」「変わった人」という目で見られ、本人の努力不足や協調性のなさとしてとらえられていた部分について、「本人の努力等の問題ではないこと」が明確になったことは、とても重要なことと考えられます。
現在では大学などでも発達の難しさに対応してきているものの、まだまだ途上です。会社で「採用」を担当する方にとっては、「発達の難しさ」への対応は苦慮されるテーマでしょう。特定の診断がある場合はその特徴を理解しやすい一方、対応が難しいのは、「気になる子」として認識されてきたものの、これまで何の対応もされてこなかった方々です。
「二次障がい」とは?
ここでご紹介したいのが『二次障がい』という言葉です。発達の難しさを抱える方々の中には、特徴的な行動などから、さまざまな挫折を経験していることがあります。たとえば、次のようなものです。
- いじめ
- 学業不振
- 教師からの叱責
- 親からの不適切な養育
私たち自身に置き換えて考えてもわかるように、こうした経験は「発達の難しさ」とは別の「二次的な不適応状態」を作り出します。これを「二次障がい」といいます。二次障がいは、心理・精神面だけでなく、身体面でも行動面でも生じます。
つまり、会社に入ってからの不調は、必ずしも「メンタル不調」や「身体疾患」とは限らないということです。採用時の様子や職場適応の状態については、メンター制度などを活用して『記録』しておき、以降に変調があった場合の対応の資料としておくと安心でしょう。
また、『ちょっと変わっている』と感じていたものが『かなり変わっている』と感じるようになった場合は、業務上の支障を確認し、「業務上で出ている支障について話がある」という形で面談やカウンセリングを勧めましょう。
まとめ
間違っても、「あまりにも変わっているから、障がいではないかと思うのだけど、カウンセリングを受けてください」といった声かけは避けましょう。場合によってはパワーハラスメントにあたることもあります。
また、ちょっと変わっているという印象を持ったとしても、その特徴が業務にうまく生かされ、活躍されている方も多くいます。「会社の中で、人材をどう生かすか」という風土も問われます。
なお今回の文章では、あえて『障害』ではなく『障がい』と表記しました。「人権問題」「差別」などの印象を持たれないよう配慮することも、会社として重要です。
執筆者:KIRIHARE所属 公認心理師・臨床心理士・キャリアコンサルタント
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心理テストの受検結果やプレカウンセリング等で、メンタル不調の度合いや緊急性が高いと判断された場合は、心理専門職の臨床心理士によるZoomもしくは対面でのカウンセリングを提案します。

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