部下の仕事への意欲がわかないとき、管理職はどう気づき支援するか
「最近、あの部下の仕事への意欲がわいていないように見える」——管理職をしていると、メンバーのモチベーションの低下に気づく場面は少なくありません。本人が口に出さなくても、表情や仕事ぶりからそのサインが見えてくることもあります。本記事では、部下が仕事への意欲を失っているとき、管理職・人事がどう気づき、どう声をかけ、どう環境を整えればよいかを、よくある4つのパターンに分けてご紹介します。
人の気分には浮き沈みがあるため、たまたま気分が乗らない日があっても不思議ではありません。ただし、沈んだ状態がずっと続くようであれば、仕事だけでなくプライベートにも影響が及び、メンタル不調につながる可能性もあるため、早めに気づいて手を打つことが大切です。
意欲を失うパターンとしては、「思うように進まない → ストレスがたまる → 頑張れない」という流れがよく見られます。この状態が長く続くと、仕事への意欲が少しずつ失われていきます。部下にこうした兆候が見られたら、以下のどのパターンに当てはまるかを一緒に整理してみてください。
Q1. 部下が完璧を求めすぎていませんか?
A1. まずは「80点」で一区切りにできるよう、上司から働きかけましょう。
真面目な部下ほど、与えられたテーマに完璧な対応をしようとして抱え込んでしまうケースが多く見られます。物事は人によって見方や考え方が異なり、求められる水準にも差が生まれます。そのため、仕事のゴールにはある意味で終わりがありません。
仕事の目的と結果がおおむね合っている状態を「80点」とすれば、多くの場合それは十分な「合格点」です。残りの20点は、依頼者の考え方や描いたストーリーをどうすり合わせるかという部分で、本人ひとりで完成させようとするとかなりの労力がかかります。管理職としては、「ここまでで一度見せて」「残りは一緒に詰めよう」と中間段階で共有を促し、抱え込みを防ぐ関わりが有効です。負担が減り、部下の気持ちも楽になるはずです。
Q2. 部下に苦手な仕事が偏っていませんか?
A2. 部下が得意・苦手を発信できる雰囲気をつくりましょう。
人の考え方や感じ方がそれぞれ違うように、得意なこと・苦手なことも人によって異なります。苦手なことばかりに取り組んでいると、面白くない・進まない・気が乗らないと、どんどんつらくなってしまいます。
部下は「仕事は断れない」と感じて、苦手なことを抱え込みがちです。管理職としては、業務分担を見直す前提として、各メンバーの得意・苦手を把握し、「何が苦手か遠慮なく言ってほしい」と日頃から伝えておくことが大切です。1on1などの場で得意・苦手を聴き取り、業務のアサインに反映するだけでも、状況は変わっていきます。
Q3. 職場のコミュニケーションがうまく回っていますか?
A3. 感じ方が違うのは当然。すれ違いを減らす対話の場を用意しましょう。
考え方や感じ方は人それぞれで、違って当然です。歩んできた人生も環境もそれぞれ違うのですから、意見がぶつかるのはとても自然なことです。とはいえ、その溝は少ないに越したことはありません。
自分が思っていることは、想像以上に周りに伝わっていないものです。「他人も自分と同じ考えだろう」という思い込み、相容れない考え方を受け止めづらい気持ち、意見を言って嫌われたくない気持ち——これらは誰もが同じように抱えています。管理職は、メンバー同士が安心して意見を言い合える心理的安全性の高い場づくりを意識し、ちょっとした会話や相互理解の機会を増やすことで、チーム全体の仕事の進めやすさを高められます。
Q4. 部下の仕事が正当に評価されていますか?
A4. 取り組みの「方向性」が合っているかを、上司の側から確認しましょう。
何をやっても評価されないのは、部下にとって非常につらいことです。「頑張っているのに……」という気持ちが生まれ、意欲を失う大きな要因になります。そんなときは、組織やチームが求める方向と、部下が出した結果の方向が合っているかを、上司の側から確認してあげてください。
仕事を任せる側は、少なからず期待する結果を思い描いているものです。この方向がずれていると、いくら頑張っても評価に結びつきにくくなります。期待する方向やゴールを明確に伝え、ずれていれば早めに軌道修正を一緒に行うことで、部下の努力が成果と評価につながりやすくなります。
当てはまるものがあれば、ぜひ職場で試してみてください。なお、部下の沈んだ状態が長く続く場合や、明らかな心身の不調が見られる場合は、管理職だけで抱え込まず、産業医・人事・社内外の相談窓口(EAPなど)につなぐことが大切です。
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