従業員が相談しやすい職場をつくる|カウンセラーへの相談のすすめ方

悩みを抱えた従業員に「カウンセラーや相談窓口を頼ってほしい」と思っても、本人が「相談していいのだろうか」とためらってしまうことは少なくありません。一人では解決できないことがあるとき、専門家を頼るのは有効な選択肢です。本記事では、従業員がカウンセラーへの相談にためらいを感じる典型的な不安を整理し、人事・管理職が相談のハードルを下げるためにどう案内・支援すればよいかを解説します。

「どこに相談できるのか」を従業員に分かりやすく伝える

従業員が相談しようと思っても、相談先が分からなければ動けません。きちんと資格を持っているカウンセラーに相談できることや、社内外にどのような窓口があるのかを、あらかじめ周知しておくことが大切です。どういった専門職が対応するのかを示すと、従業員は相談しやすくなります。

社内外の窓口を整理して案内する

社内相談窓口、外部のEAP(従業員支援プログラム)、医療機関、自治体の相談窓口など、相談できる場所はさまざまです。それぞれに資格を持った専門職が対応していることを伝え、「些細な相談でもよい」「まずは話してみることが第一歩」というメッセージを添えると、従業員は安心して一歩を踏み出しやすくなります。

従業員が抱きやすい不安と、その伝え方

「私の悩みなんて、ちっぽけだから……」

「自分の悩みなんてちっぽけで、聞いてもらえないのでは」と感じる従業員は少なくありません。どんなに小さな話でも、それが本人の悩みであれば相談にのってもらえるということを伝えましょう。相談時に緊張するのは当たり前で、それを前提に気軽に利用してよいと案内すると、ためらいが和らぎます。

「相談しても解決できなかったら……」

「相談しても解決できなかったらどうしよう」という不安を抱える従業員もいます。カウンセラーは資格を持って対応する専門職であり、解決できるかどうかを心配しすぎる必要はないことを伝えましょう。話を聴いてもらうだけでも心の負担が軽くなることが多い、という点も案内のポイントです。

「相談するのが恥ずかしい……」

相談することを恥ずかしいと感じる従業員もいますが、それはまったく恥ずかしいことではありません。つらい思いを一人で抱え込むより、第三者に相談することで気持ちが楽になることはよくあります。職場全体で「相談することは前向きな行動である」という文化を育てておくことが、ためらいを減らすうえで効果的です。

相談の進め方を従業員に案内する

カウンセラーに相談するときは、話したいこと・伝えたいことを重点的に話せばよいと伝えましょう。今どう感じているのか、どういう気持ちなのかをそのまま話すことが、スムーズな相談につながります。相談の際には、たとえば次のようなことを聞かれることがあると、あらかじめ案内しておくと安心です。

  • 今の状態
  • これまでの経緯
  • 生活や仕事の状況
  • 家族構成
  • 通院・服薬の有無
  • これまでの相談歴 など

肩ひじを張らず落ち着いて話せばよいこと、話す内容に迷ったらメモを見ながらでもよいことを伝えると、従業員は相談に臨みやすくなります。

相談にかかる費用についても確認しておく

カウンセラーの活躍の場はさまざまなので、費用も一概には言えません。医療機関でのカウンセリングは料金が発生することが一般的です。一方、社内相談窓口やEAPでは、従業員が無料・低負担で利用できるよう企業が費用を負担している場合もあります。人事としては、社内で利用できる相談先の費用負担の仕組みを明確にして案内しておくと、従業員が安心して利用できます。

まとめ|相談しやすい職場をつくる

カウンセラーは、人の悩みを聴いて解決策を一緒に考えてくれる専門家です。「一人で抱え込まず、人の手を借りてよい」という雰囲気を職場に根づかせることが、従業員のメンタルヘルスを守る土台になります。相談先・利用方法・費用をわかりやすく整理し、従業員がためらわず相談できる環境を整えていきましょう。相談することは決して恥でも弱さでもなく、早期の対処につながる前向きな行動であることを、人事・管理職から繰り返し発信していくことが大切です。