うつの初期サインに人事・管理職が気づくには
誰でも、憂うつな気持ちが数日続いたり、どうしてもやる気が起きなかったりという経験があるものです。多くの場合は、いつの間にか気分が回復し、その状態がずっと続くことはありません。しかし、うつ病はそうした状態が長く続き、人間関係や仕事など、これまで普通にできていたことができなくなってしまう状態を指すとされています。職場で部下や同僚の不調にいち早く気づくことは、重症化や休職を防ぐ第一歩です。本記事では、人事・管理職が見逃しやすいうつの初期サインと、その気づき方・対応のポイントを解説します。
仕事ぶり・様子にあらわれる初期サイン
うつの状態にある従業員は、気分が滅入った状態が続き、これまで興味を持って取り組んでいた仕事に関心が向かなくなることがあります。「普通のことが普通にできない」つらさから、自分は周囲に迷惑をかけている役立たずだと感じてしまうこともあります。職場では、遅刻や欠勤が増える、ミスが目立つようになる、口数が減る、報告・連絡が滞る、表情が乏しくなる、といった変化として現れやすいものです。きっかけは人それぞれで、些細な一言が引き金になる場合もあります。
身体面にあらわれるサインにも目を向ける
うつは、こころだけでなく身体にも影響します。本人や周囲が気づきやすいサインには次のようなものがあります。
- 食欲のコントロールが難しくなり、体重が減ったり、逆に増えたりする
- 夜眠れなくなる、あるいは逆に眠りすぎる
- 特に朝は体が重く、出社や始業が難しくなる
- 頭が働かず、集中力ややる気が落ちてしまう
「動きたいのに動けない。それなのに夕方になると少し楽になり、夜は眠れなくなる」といった状態を繰り返すこともあります。とくに午前中の不調や、朝の遅刻が続くといった変化は、職場で気づきやすいサインの一つです。
季節による変動も知っておく
季節によって不調が出やすい方もいるとされています。特に秋口から初冬にかけて生じやすいといわれ、春になると軽くなる傾向があるとされます。職場としては、特定の時期に不調を訴える従業員がいる場合、季節的な要因も念頭に置きながら、無理のない業務調整を検討するとよいでしょう。
早めの「声かけ」と専門家へのつなぎが大切
ここで挙げたサインのすべてが当てはまらなくても、いくつか心当たりがある場合は、軽いうちに対応することが重要だと考えられます。無理に行動を続けると、重症化につながるおそれもあります。管理職や周囲が「いつもと違う様子」に気づいて手を差し伸べることが、本人が自分で気づくきっかけになることもあります。
気になる様子が続くときは、本人を問い詰めるのではなく、まずは話を聴く姿勢で声をかけ、産業医や社外の相談窓口など専門家につなげる流れを整えておきましょう。こころの不調も、身体の不調と同じように回復に時間がかかることがあります。早めの相談と、安心して相談できる職場環境づくりが、回復への近道になります。
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