テレワークでのメンタル不調の原因と具体的な対策とは?【メンタルヘルス対策】

テレワークとは、インターネットなどの情報通信技術を使い、時間や場所を有効に活用する柔軟な働き方のことです。人との接触を避けられる働き方として、感染症の拡大防止の手段としても注目されてきました。

テレワークには「通勤によるストレスの軽減」や「担当業務に集中できる」など多くのメリットがあります。一方で、「長時間勤務になりやすい」「コミュニケーションが取りづらい」といったデメリットも生じています。

全国の人事担当者を対象にした調査(出典:Mental-Fit リサーチ(株式会社SEN))では、テレワーク導入後に従業員のメンタルヘルス不調が増えたと回答した企業は59.7%と、約6割を占めています。また、休職や離職が増えたと回答した企業は47.9%と半数近くにのぼり、そのうち「コミュニケーションの取りづらさが原因で気づくのが遅れた」と回答した企業は96.0%でした。

テレワークによって軽減されるストレスがある一方で、テレワークの就労環境が原因でストレスを抱える事例も増えています。従業員へ適切なケアができるよう、対策を進めていくことが必要です。

テレワークでのメンタルヘルス不調の原因

テレワークによるメンタル不調の原因の例として、次の6つが挙げられます。

  • コミュニケーション不足や孤独感
  • オンとオフの切り替えの難しさ
  • 運動不足
  • 家族がいる空間での仕事
  • 生活リズムの乱れ
  • 長時間労働

1つずつ説明していきます。

コミュニケーション不足や孤独感

テレワークでは、人とのやり取りが必要最小限になりやすいのが特徴です。無駄なやり取りを省けるため作業を効率的にこなせるメリットがある一方、何気ない会話の時間が減る分、悩みを誰にも話せない状況に陥りやすくなります。話せば解決することも抱え込みやすくなり、メンタル不調につながります。

また、人間関係の構築が不十分な場合、相手の様子を把握しづらいこともデメリットです。コミュニケーションの取り方に気を遣ったり、「機嫌が悪いのでは」と誤解が生じたりします。とくに新入社員や異動して間もない人は、相手のことが分からず、不安やストレスを感じやすくなります。さらに一人暮らしの場合は、人との接点が減り、孤独感や疎外感を抱きやすくなります。

オンとオフの切り替えの難しさ

テレワークは時間の融通が利きやすい一方で、メリハリをつけづらい点がデメリットです。とくに在宅勤務では仕事と生活の空間が同じになるため、気分が仕事モードに切り替わらず、集中力が上がらないことがあります。仕事が思うように進まないことも、ストレスの要因になります。

運動不足

在宅勤務では家から出る必要がなくなり、運動不足になりがちです。運動しないと血流が悪くなり、体内に疲労物質がたまりやすくなります。疲れやすい状態では何をするにも消極的になり、気分が落ち込む原因にもなります。

家族がいる空間での仕事

テレワークでは、家族との生活空間を仕事場として共用することもあるでしょう。家族と過ごす時間が増えることや、育児と仕事を両立しやすくなることはメリットです。しかし、仕事中に家族から話しかけられやすく、生活音も聞こえやすいというデメリットもあります。家族の理解と協力がなければ仕事が進められず、ストレスを感じてしまうことがあります。

生活リズムの乱れ

テレワークでは、生活リズムの乱れも懸念されます。通勤が不要で朝にゆとりが出る分、夜更かしをしがちです。寝る前にスマートフォンやパソコンの光を浴びると体内時計が乱れ、不眠の原因にもなります。また、外出や食事の準備が億劫になり、食事を簡易的に済ませやすいのも特徴で、乾麺や冷凍食品だけでは栄養が偏ります。睡眠や食事を十分にとれていないと身体が疲れやすく、メンタルを崩しやすくなってしまいます。

長時間労働

テレワークでは出勤に伴う雑務がなく、担当業務に集中できます。しかし、集中しすぎて休憩時間が短くなり、長時間労働になりやすい面があります。逆に、生活空間ではうまく仕事モードに入れず、終業時間が遅くなるケースもあります。

さらに、仕事の姿勢が見えない状態では過程が評価されづらく、成果を出すために働きすぎてしまうこともあります。人によって勤務時間が異なる場合、業務時間外の連絡につい対応してしまいがちです。実際の労働時間の把握は、本人が適切に報告しない限り難しく、長時間労働に気づきにくいという問題もあります。

テレワークでのメンタルヘルス対策の具体例

出勤時よりもテレワークの方が従業員のメンタルヘルスケアが難しいと感じている企業は73.3%にのぼります(出典:月刊総務オンライン「メンタルヘルスケアに関する調査」)。従業員のメンタルヘルスを守るには、テレワークならではの対策が必要です。

メンタルヘルス対策というと、企業から個人へのケアをイメージする人も多いかもしれません。しかし、セルフケアや産業医、外部機関など、さまざまな方面からのケアが必要とされています。ここでは、テレワークで必要とされる具体的なメンタルヘルス対策を、大きく4つに分けて説明します。

メンタルヘルスケアの教育・情報提供

メンタルヘルスケアでは、従業員一人ひとりが知識を身につけることが大切です。知識の習得は自分の身を守るだけでなく、メンタル不調者への理解にもつながります。知識の定着を図るため、教育や情報提供が重要です。

教育は、立場ごとの悩みに対応するため、階層別に研修を行うとよいでしょう。管理職向けに、個人面談で部下の不調に気づくための研修を実施している企業もあります。

情報提供の例としては、メンタルヘルスの関連情報をWebサイトに掲載し、従業員がいつでも閲覧できるようにする方法があります。ただし、定期的に更新しなければ利用率は落ちてしまいます。自社ですべてをまかなうのではなく、他社のサービスを活用するのもおすすめです。KIRIHAREでも、コンテンツ配信サービスを提供しています。

ー KIRIHAREのセルフケアコンテンツ ー

日記アプリやコラム、マインドフルネス動画を配信し、従業員が自身のメンタルを把握する支援をします。コンテンツは、従業員の性別や年代、ストレスチェックの結果などをもとに、一人ひとりのストレス状況に合わせて配信します。LINEや専用アプリ、Webサイトなど、利用しやすいプラットフォームを選択できます。

労働環境の把握・改善

テレワークでは作業環境が整っておらず、出勤時にはなかったストレスを感じることがあります。従業員の労働環境を把握し、ストレス負荷の少ない状態へと改善することが必要です。

労働環境の把握には、アンケート調査などを利用するとよいでしょう。改善例としては、サテライトオフィスの活用や、在宅勤務のための手当を支給し、各自で設備を整えられるようにする方法があります。

早期発見のための対応

メンタルヘルス不調者を早期に発見し、適切なケアで重症化を防ぐことが大切です。早期発見には、他の従業員と気兼ねなく話せる関係づくりが欠かせません。チャットツールの導入でコミュニケーションを取りやすくする方法もおすすめです。さらに、定期的なオンライン面談の機会を設け、少しでも不調を感じたときにすぐ相談できる環境を整えるとよいでしょう。

同居家族がいる場合、企業から従業員の家族に協力を依頼するのも一つの方法です。テレワークで起こりがちなメンタルヘルス不調についての知識を家族にも共有し、従業員の様子に異変があれば報告してもらう仕組みを取り入れている企業もあります。

また、従業員が安心して相談できる窓口の設置も、早期発見に役立ちます。メールやチャット、オンライン面談で、テレワークでも気軽に相談できるサービスを利用するのもよいでしょう。KIRIHAREでは、LINEでのチャットやZoomを使ったオンライン面談などで相談できるサービスを提供しています。

職場復帰への支援

休職中の従業員は、復帰後にうまく働けるか、不安や焦りを感じています。とくに、復帰後にはじめてテレワークになる場合は、以前との環境の違いから不安が大きくなるでしょう。

休職からの職場復帰支援プログラムを、テレワークでも対応できるよう整備しておくことをおすすめします。とくに復帰前の産業医との面談では、従業員の体調を確認するうえでも対面の方が望ましいでしょう。さらに、復帰支援プログラムの内容を事前に周知しておくことで、復職のハードルも下がります。また、休職中でも使える外部EAPサービスを利用し、復職に向けてサポートするのもおすすめです。

まとめ

テレワークは、時間と場所の融通が利きやすい柔軟な働き方として注目されています。うまく活用すれば業務効率が上がり、ワークライフバランスの向上にもつながる制度です。しかし、コミュニケーション不足や、生活と仕事の切り替えの難しさが原因でメンタルヘルス不調になることもあります。

テレワークでも、従業員のメンタルヘルス不調を感知できる対策が必要です。専門家の意見も踏まえながら、従業員一人ひとりに合ったメンタルヘルスケアを実施していきましょう。

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