カウンセリング及び心理学を使った心理療法について簡単に解説します
なぜ職場でカウンセリングが必要とされるのか
働き方や生活環境が大きく変化するなかで、従業員が抱えるストレスや心の負担はむしろ増しているともいわれます。厚生労働省の調査でも、メンタルヘルス不調による休職・離職は企業にとって無視できない課題となっています。そこで企業のメンタルヘルス対策の一環として注目されるのが、カウンセリングです。本記事では、従業員に案内できる相談先を理解するために、カウンセリングと心理療法の違い、代表的なアプローチを人事・管理職向けに整理します。
カウンセリングと心理療法の違い
カウンセリングと似たものに「心理療法」があります。一般に心理療法は、こころに深刻な問題を抱えた人を対象に、専門的な改善を図るものとされています。一方カウンセリングは、特に病気というわけではないものの、一時的な挫折や強いストレスで心が折れそうな人を対象に、精神的なケアを行うという違いがあります。たとえば、職場での失敗や対人関係のつまずき、大きな環境変化によるショックなどがこれにあたります。もっとも近年はこの境目もあいまいになってきています。人事としては、不調の段階に応じて、社内外のカウンセリング窓口と医療機関のどちらにつなぐかを見極められるよう、両者の役割を理解しておくと役立ちます。
心理職が用いる代表的な3つのアプローチ
カウンセリングや心理療法には、主に次の3つのアプローチがあるとされています。専門家がどのような関わり方をするのかを知っておくと、従業員に相談先を案内する際の参考になります。
1. 精神分析的アプローチ
本人が普段意識していない心の動きにも目を向けながら、悩みの背景を理解していく手法です。じっくりと時間をかけて自己理解を深めていく特徴があります。
2. 行動的アプローチ(認知行動療法など)
考え方や行動のクセに焦点を当て、ストレスにうまく対処できるよう、より適切な考え方・行動を一緒に身につけていく手法です。取り組みの内容や変化が見えやすいのが特徴で、職場のストレス対処の文脈でも広く用いられています。
3. 来談者中心アプローチ
変化や気づきは、あくまでも本人自身から生まれるものであり、カウンセラーはそれを支える役割に徹する、という考えに基づく手法です。本人を尊重する姿勢を重視し、今でもカウンセリングの基本概念となっています。
どのアプローチが適しているかは、本人の状態や悩みによって異なり、最終的には専門家が判断するものです。人事・管理職としては、専門家にはこうした多様な関わり方があることを理解したうえで、従業員が安心して相談できる窓口(社内外のカウンセリング、従業員支援プログラム=EAP、医療機関など)を整え、周知していくことが大切です。不調の度合いが大きい場合は、迷わず専門家・医療機関につなぎましょう。
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