費用の壁をどう取り除くか?人事が従業員に案内できる低額・無料の相談窓口
従業員が心の不調を感じても、「相談には費用がかかりそう」「どこに頼ればよいか分からない」という理由で、専門家への相談をためらってしまうことがあります。実際、民間のカウンセリングルームを個人で利用すると、1回・50分あたりおおよそ6,000円〜10,000円前後が相場で、病院に併設されたカウンセリングルームの多くも保険適用外の自費診療です。費用の不安が、不調の早期発見・早期対応の妨げになっているのです。本記事では、人事・管理職が従業員に案内できる、費用を抑えた相談先を整理します。
従業員が自力で安価な相談先を探すのは簡単ではありません。人事があらかじめ利用できる窓口を把握し、状況に応じて適切な先を案内できるようにしておくことが、メンタル不調の深刻化を防ぐうえで重要です。
無料で利用できる公的機関の相談窓口
まず案内したいのが、公的機関の相談窓口です。公的機関であるため、基本的に無料で相談を受けることができます。従業員本人だけでなく、その家族の悩みにも対応できる窓口があることを知っておくと、案内の幅が広がります。
精神的な不調について相談したい場合
各都道府県・政令指定都市に設置されている精神保健福祉センターに連絡することで、本人や家族が相談を受けられたり、カウンセリングが可能な施設を案内してもらえたりします。地域の保健所でも、こころの健康に関する相談を受け付けています。
家庭や子どもに関する悩みを抱えている場合
従業員の不調の背景に、育児や家庭の事情が関わっていることもあります。こうした場合に案内できる公的窓口として、次のようなものがあります。
- 子ども家庭支援センター:子育ての悩みなどを相談できます。
- 児童相談所:虐待対応のイメージが強いですが、養育の相談をはじめ、子どもに関わるさまざまな相談ができます。
- 教育相談・スクールカウンセラー:従業員の子どもの学校生活に関する悩みについて、自治体や学校の窓口で相談できます。
比較的安く利用できる施設
民間より安い料金でカウンセリングを受けられる施設として、各大学に併設されている心理臨床センターがあります。大学院生が研修生として担当することもありますが、担当教官の指導が入るため安心です。料金は2,000円〜5,000円程度で利用できることが多く、費用負担を抑えたい従業員に案内できる選択肢の一つです。
電話相談・オンライン相談という選択肢
対面の相談先に加えて、電話相談やオンライン相談という方法もあります。対面式よりも比較的安く、移動や予約の負担も少ないため、「まずは試してみたい」という従業員にとって一歩を踏み出しやすい選択肢です。各自治体やいのちの電話などが運営する無料・低額の電話相談窓口もあわせて把握しておくとよいでしょう。
企業として相談の費用負担を軽くする
公的・低額の窓口を案内するだけでなく、企業側が従業員の相談費用を負担・補助する仕組みを整えることも有効です。従業員支援プログラム(EAP)や外部のカウンセリングサービスを福利厚生として導入すれば、従業員は費用を気にせず相談でき、不調の早期発見・早期対応につながります。費用の壁を取り除くことは、人事が従業員のメンタルヘルスを守るうえで大きな意味を持ちます。
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