あなたは自分の性格をどんな性格だと思いますか

「あなたは自分の性格をどんな性格だと思いますか」——こうした質問は、実は「今日は寒いですね」という社交辞令と同じくらい、性格の把握には役立たないものです。社会福祉法人を経営する公認心理師・臨床心理士であり、キャリアコンサルタントでもある筆者が、短い採用面接の時間内で性格をつかむために聞いている5つの質問についてお話しします。

この記事は、こんな方におすすめです。

  • 採用面接で、応募者の性格を把握する方法を知りたい
  • 採用後に、「こんな人だったの?」と驚いた経験がある
  • 「良い人だ」と思って採用したら、部署内で適応できなかった

採用面接で性格を聞いても性格は把握できない

「あなたは自分の性格をどう感じていますか」というのはよくある質問です。しかし、もしこの質問が本当に有効なら、私たち心理職はカウンセリングで時間のかかる心理アセスメントを行う必要がなくなってしまいます。実際は、採用面接でこれを聞いても、「こんにちは、今日は寒いですね」と言っているのと同じくらい社交辞令的な質問なのです。

「良い性格」「悪い性格」はなんとなくわかりますが、それぞれの職場で必要な性格傾向は異なります。職場を「チーム」としてみれば、全員に一律同じ性格を求める方は少ないでしょう。実際、私が経営する職場でも、「今年はリーダーシップのある人が欲しい」「慎重に物事を進める人が欲しい」など、その年の組織内の動きによって期待する人材の傾向は変わります。

かといって「あなたは慎重なほうですか?」と聞いても、「はい、慎重です。学生時代はサークルで綿密に練習計画を立てていました」とすぐ答えられますし、同じ人に「度胸はあるほうですか?」と聞いても「はい、あるほうだと思います」と答えられてしまいます。

私たち心理職は「性格とは何か」を知っています。性格とは、「ある場面に出くわしたときに、その人がとる態度を集約したもの」です。つまり、面接で答えられた場面は、その人が特にピックアップした「一例」にすぎないのです。

性格検査を質問紙で行うと、似たような質問が何度も繰り返し出てきて、「あれ、これさっきも答えたな」と思うことがあります。これは、同様の状況を提示することで、その人の「緻密さ」などがどれくらいなのかを得点化しているのです。ですから、「私は緻密な性格です」という人が5人いても、得点で見れば10点満点中10点の人もいれば、8点、6点の人もいます。ここまで理解できれば、性格に関する質問の仕方は6割理解したことになります。

採用面接では何を聴けばよいのか

次に問題になるのは、「何を聴けばよいのか」ということです。各職場で求める人材は異なるため「程度の差」はありますが、心理学で「ビッグ5(Big Five)」と呼ばれる考え方を知っておくとよいでしょう。

採用担当の方なら見たことがあると思われるYG性格検査は、12因子の性格について120個の質問を行います。よく使われる検査なので、学生は対策をしており、「安定積極型」の人ばかり、という経験もあるかもしれません。一方、内田クレペリン検査のような作業検査法では、作業量や精神的な困難は発見できますが、解釈が難しい面があります。かといって、一人ひとりに絵を描いてもらって心理職にゆだねるのは、時間も手間もかかりすぎます。

ビッグ5を活用した質問方法

そこで、ビッグ5の考え方を使って、比較的簡単に性格傾向をつかむ質問の方法をお伝えします。性格の傾向は大きく「5つの因子」からできている、というのがビッグ5理論です。YG性格検査の12因子に比べると、ずいぶん簡略化されていますね。その5つの因子は次のとおりです。

  1. 開放性:「独創性/好奇心」⇔「一貫性/用心深さ」
  2. 誠実性:「堅実/勤勉」⇔「柔軟/自発」
  3. 外向性:「社交的/エネルギッシュ」⇔「孤独/控えめ」
  4. 協調性:「友好的/同情的」⇔「挑戦的/孤立的」
  5. 神経症傾向:「情緒安定/温和」⇔「情緒不安定/不安・怒り」

聞き方のポイントは、この5つを「社内である具体的な事例で聞く」ことです。たとえば「あなたが説明して販売した当社の商品の性能が異なるというクレームがクライアントから入ったとき、どうしますか?」と尋ねます。

この問いに対する答えを、5つの要素のどこが強く表れているかに当てはめてみましょう。

たとえば「まず、私が販売したものであれば謝罪します。それから上司に報告し、指示を仰いだうえで先方にお詫びに行くことを考えます」という答えには、誠実性と協調性が表れています。一方、「びっくりしてしまうので、どの点を指摘されているのかをよく聞き、その会社へ見に行きます。その結果、対応できるものはしますが、できないようなミスなら上司に相談します」という答えは、感情が先に出ているものの、すぐに謝罪するのではなく、相手の主張が真実かどうかを慎重に確かめようとする姿勢がうかがえます。

このように、会社でよくある場面や重視している場面での対応を実際に5つほど聞き、その対応を5つの因子に当てはめてみてください。同僚となったときに必要な要素をどのくらい持っているかを検討しやすくなります。面接で使うときは、5つの因子を表にしておき、当てはまる項目に「正」の字を書くなどして度合いの強さをチェックすると便利です。

KIRIHARE所属 公認心理師・臨床心理士・キャリアコンサルタント

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