ストレスの原因とは?年齢別のストレスの原因をお伝えします
従業員のストレスは、目に見えにくいまま蓄積し、ある日突然のメンタル不調や休職、離職として表面化することがあります。人事・労務担当者や管理職にとって大切なのは、「何が従業員のストレス要因になり得るのか」を体系的に理解し、変化に早めに気づける目を養っておくことです。ストレスの感じ方は年齢やライフステージによっても変化します。20代の新入社員と50代の管理職とでは、抱えやすいストレスの種類がまったく異なります。本記事では、職場で従業員が抱えるストレスの要因を整理し、人事・管理職としてどう気づき、職場環境の改善につなげるかを解説します。
身体面に関わるストレス要因

身体に関わるストレスには、外からの刺激によるものと、本人の生活習慣によるものがあります。職場の人事・労務管理の観点では、「会社の制度や環境で軽減できるもの」と「本人の生活習慣に関わるもの」を分けて捉えると整理しやすくなります。たとえば長時間通勤や夜勤・早朝勤務は勤務制度の設計で緩和できますが、運動不足や睡眠習慣は本人の取り組みが中心になります。
会社側で対処しやすい外的ストレス要因
- 勤務形態:長時間通勤、夜勤、早朝勤務、過重労働など
- 作業環境:騒音、照明、室温、ほこり、長時間のパソコン作業など
- 物理的負荷:暑さ・寒さなどの作業現場の環境
長時間のパソコン作業はブルーライト対策や休憩設計で、長時間通勤はテレワークやフレックスタイムの導入で負担を和らげられます。作業環境や勤務形態は、人事・労務側の制度設計や職場環境改善で直接アプローチできる領域です。従業員一人ひとりの自助努力に委ねるのではなく、組織として見直せる点がないかを点検しましょう。
本人の生活習慣に関わるストレス要因
- 食事:食べすぎ、小食、偏食、不規則な食事時間など
- 運動:運動不足、悪い姿勢など
- 睡眠:睡眠不足、寝すぎ、不規則な睡眠時間など
- 生活:夜更かし、不規則な生活リズムなど
生活習慣は本人の取り組みが中心ですが、過重労働が続けば食事・睡眠・運動の時間そのものが奪われます。業務量や勤務時間の適正化が、結果として従業員の生活習慣の乱れを防ぐことにもつながります。人事としては、特定の部署や個人に負荷が集中していないかを定期的に確認しておくことが大切です。
精神的なストレス要因

職場でもっとも大きなストレス要因になりやすいのが、精神的なストレスです。なかでも人間関係は、上司・部下・同僚・取引先と多方面にわたり、ハラスメントの温床にもなり得ます。人事・管理職は、職場の人間関係に起因するストレスに特に注意を払う必要があります。
環境の変化によるストレス要因
- 仕事関係:就職、昇進、左遷、転勤、単身赴任、転職、ノルマなど
- 人間関係:上司、部下、同僚、取引先との関係など
- 家庭関係:結婚、引越し、育児、介護、家計など
希望しない異動はもちろんですが、昇進や念願の部署への異動といった「前向きな変化」もストレスになります。「イヤなこと」だけでなく、環境の変化そのものがストレス要因になり得る点は、人事として配置転換や昇進を行う際に押さえておきたいポイントです。異動・昇進の直後こそ、フォローが必要な時期だと捉えましょう。
心理的なストレス要因
- 身体関係:病気、けが、疲労、妊娠、出産など
- 喪失体験:家族・友人との離別・死別など
- その他:将来の不安、失敗、挫折、自己評価の低下など
家庭での出来事や私生活の変化も、職場でのパフォーマンスに影響します。プライベートに踏み込みすぎない範囲で、「いつもと様子が違う」変化に気づき、必要に応じて相談窓口へつなげられる体制を整えておくことが望まれます。
年代によって変わるストレスの傾向

従業員のストレス要因は、年代やライフステージによって変化します。ここからは、職場で関わることの多い若手から中堅・管理職世代まで、年代ごとのストレスの傾向を見ていきます。世代ごとの傾向を理解しておくと、面談やフォローの際にどこに注意を向ければよいかが見えてきます。
新入社員・若手社員(20代前半)

学生から社会人への移行期は、生活リズムも人間関係も大きく変わる、ストレスの大きい時期です。新入社員は、慣れない業務、ビジネスマナー、上司・先輩との関係、「理想と現実のギャップ(ミスマッチ)」などに直面します。この時期のストレスへのフォロー不足は、早期離職に直結します。研修やOJT、定期的な1on1面談を通じて、孤立させない仕組みづくりが効果的です。
中堅社員(20代後半〜30代)

仕事の責任が増し、後輩指導も求められ始める年代です。同時に、結婚・出産・育児・住宅購入などライフイベントが重なりやすく、仕事と私生活の両立がストレス要因になります。産休・育休後の復職支援、時短勤務や両立支援制度の整備が、この世代の定着に大きく関わります。
管理職・ベテラン社員(40代以降)

管理職は、業績責任とマネジメント責任を同時に負い、「部下と経営の板挟み」になりやすい立場です。プレイングマネージャーとして自身の業務も抱えながら、部下のメンタルケアまで担うため、本人のストレスが見過ごされがちです。管理職自身も支援対象であるという視点を、人事は忘れないようにしましょう。

また、40代以降は介護の負担が加わったり、体力の変化や将来のキャリアへの不安が出てきたりと、ストレス要因が多層化します。役職定年やキャリアの節目を迎える従業員へのフォローも、人事として意識しておきたい点です。
まとめ:人事・管理職に求められること
従業員のストレス要因は、年代・ライフステージ・職場環境によってさまざまです。人事・管理職にできるのは、「従業員がどんなことにストレスを感じやすいのか」を理解し、職場環境の改善や制度設計、相談しやすい体制づくりを通じて、不調が深刻化する前に手を打つことです。まずは自社の従業員がどの年代に多く、どのようなストレスを抱えやすいかを把握することから始めてみましょう。
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