過重労働が身体やメンタル面に与える影響と過重労働の解消方法

過重労働には法律上の明確な定義はありませんが、一般に、残業や休日出勤が多く、1か月あたりおおむね80時間を超える時間外労働が継続する状態を指して使われます。なお、月80時間程度の時間外労働は、健康障害のリスクが高まる目安として「過労死ライン」とも呼ばれています。過重労働が続くと、従業員は身体・メンタルの両面で大きなリスクを抱えることになります。たとえば脳卒中や心臓病などのリスクが高まるほか、疲労やストレスによるうつ病などの発症リスクも高まると考えられています。本記事では、人事・管理職が知っておきたい過重労働の影響と、職場としての解消方法を解説します。

過重労働が起こりやすい職種

過重労働が多いとされる職種には、一般にホワイトカラーと呼ばれる技術系・開発系などの事務職や、オフィスを中心に働く経営企画・営業職などがあります。これらの職種は労働時間が長くなる傾向があり、その分、仕事の量や質、人間関係などに強いストレスを感じやすいといえます。働き盛りの世代がメンタル不調に陥るケースも少なくなく、年齢や性別を問わず、誰にでも起こりうる問題として人事が把握しておくことが大切です。自社のどの部署・職種で労働時間が長くなりやすいかを、勤怠データから定期的に確認するとよいでしょう。

過重労働がメンタル面に与える影響

過重労働がメンタル面に与える影響として、ストレスによる睡眠不足がネガティブ思考を増幅させ、仕事の処理能力を著しく低下させることが指摘されています。処理能力の低下はさらなる過重労働の原因となり、同時に上司や部下との人間関係上のトラブルを招く要因にもなります。

こうした悪循環からうつ病などの精神疾患を発症し、深刻な場合には強い自責の念に駆られてしまう従業員もいます。過重労働が、働く人の身体だけでなく精神面にも大きな影響を与えることを、管理職・人事が深く理解しておく必要があります。一人ひとりの労働時間と心身の状態に目を配り、悪循環に陥る前に手を打つことが、職場に求められる役割です。

過重労働を解消するには

過重労働を減らすには、上司や同僚の正しい理解と協力が欠かせません。職場として、日常的に次のような取り組みを進めることが重要です。

  • 適正な業務のあり方や業務量について、上司と部下が日常的に話し合う場を持つ。
  • 労働時間を可視化し、特定の従業員に業務が偏っていないか管理職が確認する。
  • 社内外の相談窓口や産業医面談につなげられる体制を整え、従業員に周知する。

過重労働はメンタル面への影響が大きいだけでなく、身体にも思いがけない負担をかけています。繁忙期であっても、管理職が部下の業務量と心身の状態に問いかけ、無理をさせない働き方を支えることが大切です。従業員に気になる不調が続く場合は、早めに医療機関や産業保健スタッフ、専門の相談窓口につなげましょう。