不安障害・強迫性障害を抱える従業員への対応|管理職・人事の支援

「カギを閉めたか何度も確認してしまう」「火の元が気になって家に戻ってしまう」——こうした確認のくり返しが日常生活や仕事に支障をきたすほどになると、その背景に不安障害や強迫性障害があることがあります。職場でも、出社前や業務中に確認を繰り返してしまい、遅刻や業務の停滞につながっているケースがあります。本記事では、確認癖の例を手がかりに、不安障害を抱える従業員に管理職・人事がどう気づき、どう支えればよいかを解説します。なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療に代わるものではありません。

確認がやめられない——ある朝の例

家を出るために玄関のカギを閉めたものの、部屋の灯りを消し忘れていないか気になり、カギを開けて部屋を見に行きます。確認して家を出ると、今度は「他の部屋のカギを閉め忘れていないか」が気になり、また家の中へ。すべて確認しても、今度は「確認しに行った部屋の灯りを点けっぱなしにしていないか」が気になる——この繰り返しです。

「何か焦げ臭い気がする」と感じて台所や浴室を確認し、念のため全部屋の窓を開け、そこでようやく「会社に行かなければ」と気づく。出社前から、こうして多くの時間と労力を確認に費やしてしまうのです。本人は「確認しすぎだ」と頭では分かっていても、不安をおさえるためにやめられないのが特徴です。こうした事情を知らないと、周囲には「だらしない」「遅刻が多い」とだけ映ってしまいがちです。

確認癖と不安障害・強迫性障害

こうした「何度も確認せずにいられない」状態は、不安障害の一つである強迫性障害(OCD)の症状としてみられることがあります。日常生活や仕事に支障が出ている場合は、専門家への相談が望ましいとされています。診断や治療は医療機関が行うものであり、管理職・人事が判断したり対処法を指示したりするものではありません。

大切なのは、遅刻や業務の停滞といった表面的な行動を頭ごなしに責めるのではなく、その背景に不調があるかもしれないと捉える視点です。本人を追い詰めると、かえって不安が強まり、相談しづらくなってしまいます。

管理職・人事ができる支援

不安障害を抱える従業員を支えるうえで、職場ができることがあります。まずは、落ち着いて話せる場で「困っていることはない?」とそっと声をかけ、本人が安心して相談できる関係をつくることです。そのうえで、産業医面談や社内外の相談窓口、医療機関といった専門的な支援につなぐことが、人事・管理職の重要な役割になります。

必要に応じて、業務量や勤務時間の調整など、本人が働きやすくなる環境面の配慮も検討しましょう。相談窓口や産業医面談の制度を日頃から周知しておくことが、不調の深刻化を防ぎ、従業員が安心して働き続けられる職場づくりにつながります。

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