従業員の不安を和らげる職場づくりとセルフケア支援|人事向け
職場における「不安」とは
何らかの理由で気持ちが落ち着かなかったり、心細かったりといった状態が、いわゆる「不安」です。不安は誰もが感じる自然な感情で、心配ごとがあるとき、初対面の人と会うとき、新しい職場や部署に入るとき、大きな業務を任されたときなどに現れます。こうした不安は病気ではなく、要因がなくなれば解消されるものです。本記事では、人事・管理職が、不安を抱えやすい従業員にどう気づき、どのように環境を整え支援すればよいかを解説します。
ただし、はっきりした理由もないのに強い不安が続く場合は、注意が必要なこともあります。日常の業務や生活に支障が出ているような従業員がいる場合は、本人を問い詰めるのではなく、産業医や社外の相談窓口など専門家につなげる流れを整えておきましょう。
従業員が不安を感じやすい代表的な要素
職場で不安を引き起こしやすい代表的な要素には、次のようなものがあります。人事・管理職は、こうした場面で従業員が不安を抱えやすいことを念頭に置いて配慮するとよいでしょう。
- 対人関係……初対面の人や目上の人に会うときの緊張、職場の人間関係や上司との関わりなど
- 環境の変化……入社・異動・昇進、業務内容の変更、テレワークへの移行など
- 役割や見通しの不透明さ……期待されている成果や判断基準が曖昧なとき、評価や処遇の見通しが見えないときなど
人事・管理職にできる環境づくり
不安をためこまない職場をつくるうえで、まず有効なのは、業務の目的・優先順位・判断基準を明確に示し、見通しを共有することです。曖昧さを減らし「何をどこまでやればよいか」が分かる状態をつくることが、従業員の不安を和らげます。あわせて、従業員が自分の気持ちを安心して伝えられるよう、相談しやすい雰囲気づくりや、定期的な声かけ・面談の機会を持つことも大切です。
また、不安が強いときには、考えごとから意識をそらすことが気持ちを落ち着けるうえで役立つことがあります。適度な休憩を取りやすい雰囲気づくりや、過度な長時間労働を避ける配慮も、従業員が頭の中の堂々めぐりから抜け出す助けになります。
従業員が自分で取り組めるセルフケアを後押しする
従業員自身が不安と上手に付き合う手立てを知っておくことも、職場全体の安定につながります。人事・管理職としては、こうしたセルフケアの情報提供や、研修・コンテンツの提供を通じて、従業員が取り組みやすい環境を整えるとよいでしょう。代表的な方法をいくつか紹介します。
①リラックス呼吸法
呼吸の仕方を意識的に変えることで、気持ちを落ち着けやすくなるとされています。とくに腹式呼吸による深呼吸が取り入れやすく、横隔膜を広げるイメージでゆっくり呼吸するのがポイントです。短時間でできるため、緊張する場面の前などに役立ちます。
②リラクゼーション(漸進的筋弛緩法)
不安があると体がこわばりがちです。意識的に筋肉を緊張させてから力を抜くと、効果的に脱力できるとされています。一つずつの筋肉を意識して緊張と弛緩を繰り返す方法で、先のリラックス呼吸法と合わせて行うと、より取り組みやすくなります。
③生活習慣の見直しを後押しする
不安を和らげるには生活習慣を整えることも大切です。とくに「カフェインを取りすぎない」「規則正しい生活リズムを守る」「適度な運動をする」の3点が役立つとされています。毎日同じ時間に起床し食事をとることを意識すると、生活リズムが整い、心身の負担を軽減しやすくなります。また、適度な運動は気分転換になり、不安を和らげる効果が期待できるとされています。人事・管理職としては、過度な長時間労働を避け、こうした生活リズムを保ちやすい働き方を一緒に検討することが、従業員の安定につながります。
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