従業員の不安にどう向き合うか|人事・管理職のための環境づくり

新しい業務や異動、繁忙期や大きなプロジェクトの前など、職場には従業員が不安を感じやすい場面が数多くあります。不安は誰もが抱く自然な感情ですが、強すぎると集中力やパフォーマンスの低下、メンタル不調につながることもあります。本記事では、不安がどのように生まれるのかという仕組みを踏まえ、人事・管理職が不安を抱えやすい従業員にどう気づき、どう環境を整えればよいかを解説します。

不安は、目の前のことに集中しているときよりも、ふと立ち止まって考えごとをする余裕があるときに強くなりやすいといわれます。あれこれと考えをめぐらせてしまう「反芻(はんすう)」が、不安を大きくしてしまうのです。職場でも、業務の見通しが立たない、評価が気になる、といった状況で従業員が考え込んでしまうと、不安が膨らみやすくなります。

「選択肢の多さ・見通しの不透明さ」が不安を生む

不安は、選択肢が複数あって決めきれないときや、「起こるかもしれないし、起こらないかもしれない」という不確実な状況で生まれやすいものです。職場に置き換えると、役割や期待されている成果が曖昧なとき、判断を任されたものの基準が示されていないとき、評価や処遇の見通しが不透明なときなどに、従業員は不安を感じやすくなります。

逆にいえば、人事・管理職が業務の目的・優先順位・判断基準を明確に示すこと、見通しを共有することは、従業員の不安を和らげる有効な手立てになります。曖昧さを減らし、「何をどこまでやればよいか」が分かる状態をつくることが、安心して働ける職場づくりの基本です。

気分転換や運動が、不安の軽減に役立つ

不安が強いときは、考えごとから意識をそらすことが気持ちを落ち着けるうえで役立つことがあります。たとえば軽い運動やウォーキングは、心身のリフレッシュにつながり、不安や落ち込みを和らげる効果があるとされています。職場としても、適切な休憩を取りやすい雰囲気づくりや、過度な長時間労働を避ける配慮が、従業員が頭の中の堂々めぐりから抜け出す助けになります。

強い不安が続く従業員には専門家へのつなぎを

性格や受け取り方はそう簡単に変えられるものではありません。だからこそ、人事・管理職が一人ひとりの特性を理解し、見通しを示したり声をかけたりしながら、不安をためこみにくい環境を整えることが大切です。それでも不安が強く、日常の業務や生活に支障が出ていると見られる従業員がいる場合は、本人を問い詰めるのではなく、産業医や社外の相談窓口など専門家につなげる流れを整えておきましょう。