従業員の日中の眠気を「怠け」と決めつけない|管理職・人事の着眼点

「最近、あの社員はいつも眠そうだ」「会議中にうとうとしている」——そんな従業員の様子を見て、「気合が足りない」「やる気がない」と捉えてしまっていないでしょうか。日中の強い眠気の背景には、ストレスや心身の不調が隠れていることがあります。本記事では、ストレスと眠気の関係をふまえ、管理職・人事が従業員の眠気をどう捉え、どう対応すればよいかを解説します。

「眠そう=怠けている」と決めつけない

ストレスを感じると、眠れなくなる人もいれば、逆に眠くなって困る人もいます。眠気のあらわれ方には個人差があり、本人の意志ではコントロールしにくいものです。日中の強い眠気を「だらしない」「やる気の問題」と決めつけてしまうと、不調のサインを見逃し、本人を追い詰めてしまうおそれがあります。

まずは、勤怠や業務態度の変化として表面的に評価するのではなく、「最近よく眠れていないのかもしれない」「何か負荷がかかっているのかもしれない」と、背景に目を向ける視点が大切です。

強い眠気の背景にあることがある不調

強い眠気の背景には、さまざまな要因が考えられます。代表的なものとして次のようなケースが知られています。いずれも管理職や人事が診断するものではありませんが、「眠気=本人の怠慢」とは限らないことを知っておくと、適切な対応につながります。

  • うつ病:「眠れなくなる」イメージがありますが、人によっては眠くてたまらなくなり、過眠になるケースもあるとされています。不眠だけでなく過眠も不調のサインになりうる点に注意が必要です。
  • 睡眠に関わる不調:いくら我慢しても日中に強い眠気に襲われるなど、通常の居眠りや寝坊とは異なる様子がみられることがあります。
  • 身体の病気:一見すると元気がなく、うつ状態のように見えても、その背景に身体的な病気が隠れていることもあるといわれています。

原因の特定は医師でなければできません。強い眠気や不調が続いている従業員には、自己判断で済ませず、産業医面談や医療機関の受診をすすめることが大切です。

職場の環境・働き方が眠気を招いていないかも見直す

従業員の眠気は、長時間労働や夜勤・交替勤務、過度な業務負荷など、職場の働き方そのものが原因になっていることもあります。特定の従業員に眠気や疲労が目立つ場合は、本人の問題として片づける前に、業務量や勤務シフト、労働時間に無理がないかを見直すことも重要です。

「眠いのは本人の怠慢とは限らない」という前提に立ち、変化に気づいたら声をかけ、必要に応じて産業医や相談窓口につなぐ。そして職場環境の改善にも目を向ける。こうした積み重ねが、従業員の健康と職場全体の生産性を守ることにつながります。