従業員のうつ病サインに気づくには|管理職・人事が知っておきたい「こころ」と「からだ」の症状
従業員のメンタル不調に職場が早く気づくためには、管理職や人事担当者が「うつ病のサイン」を知っておくことが大切です。うつ病の症状は、精神面にあらわれる「こころの症状」と、身体面にあらわれる「からだの症状」の2つに大きく分けて考えることができます。この記事では、それぞれの視点から、職場で見られやすいうつ病のサインと、管理職・人事がとるべき対応を解説します。なお、症状のあらわれ方には個人差があり、ここで紹介する内容はあくまで一般的な傾向です。うつ病かどうかの判断は医療機関が行うものであり、職場が診断することはできません。
こころの症状
「こころの症状」としては、主に抑うつ気分、思考力の低下、意欲の低下が見られるとされています。職場では、これらが部下の様子の変化としてあらわれることがあります。
抑うつ気分
憂うつで気分が落ち込み、悲しい気持ちが続きます。仕事に行くことが怖くなったり嫌になったりして、日常業務に支障をきたすことがあります。遅刻や欠勤が増えた従業員には、こうした背景がある場合があります。
思考力の低下
仕事に集中できず、効率が落ちます。注意力も低下し、周囲の人の話をうまく理解できなくなることがあります。また、些細な決断ができなくなることもあります。ミスの増加や判断の遅れが目立つようになったときは、不調のサインかもしれません。
意欲の低下
これまで意欲的だった業務や、好きだったことへの興味がなくなります。人と話していてもつまらなく、面倒に感じてしまうことがあります。以前は積極的だった従業員が会議で発言しなくなる、雑談に加わらなくなるといった変化も、見逃せないサインです。
こうした「こころの症状」は、一時的なものではなく一日中ほとんど毎日続くと、本人の日常生活や仕事に大きな影響を及ぼすことがあります。管理職は、変化が一過性か継続的かに注目するとよいでしょう。
からだの症状
「からだの症状」としては、睡眠の困難、食欲の低下・増加、疲労や倦怠感などが見られるとされています。本人が自覚していても周囲には言いにくいことが多いため、表情や勤務態度の変化から気づくことが大切です。
睡眠の困難
寝つきが悪く、夜中に何度も目を覚ましてしまい、朝起きても寝た気がせず、十分な休息が取れないことがあります。日中に強い眠気やぼんやりした様子が続く従業員は、睡眠の問題を抱えている可能性があります。
食欲の低下・増加
食欲がなくなり、体重が減少していくことがあります。逆に、過食によって体重が増加することもあります。短期間での見た目の変化が、不調の手がかりになることもあります。
疲労・倦怠感
何日も疲れが取れず、からだがだるく、重く感じられることがあります。何に対してもやる気が出にくくなります。十分に休んでいるはずなのに常に疲れて見える従業員には、注意を向けるとよいでしょう。
その他の不調
意欲の低下に伴う変化のほか、頭痛・腹痛・関節痛などがあらわれることもあります。たびたび体調不良を訴えて休む従業員がいる場合、背景に心の不調が隠れていることもあります。
こころとからだはつながっている
うつ病の症状には、ここまで紹介した「こころの症状」と「からだの症状」があります。人間のこころとからだは深くつながっており、どちらか一方だけにあらわれるとは限りません。
頭痛や腹痛など「からだの症状」が気になって内科を受診したものの、検査では異常が見つからないというケースもあります。これは、うつ病の「こころの症状」と関係していることがあるとされています。従業員が体調不良を繰り返しながらも原因がはっきりしないときは、心の状態にも目を向けることが大切です。
サインに気づいたら、職場はどう対応するか
管理職や人事が部下のこうしたサインに気づいたら、まずは本人を責めず、業務量や働き方に無理がないかを確認しましょう。一人で抱え込ませず、産業医や社内外の相談窓口、医療機関につなげられる体制を整えておくことが重要です。早期の気づきと相談が、従業員の回復と、安心して働ける職場づくりへの第一歩につながります。
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