部下のメンタルヘルス不調のサインで、たった3つだけ覚えておくこと
わたしたち管理職、人事担当者といった役割を担う時に、
本来であれば、一人一人の社員、従業員の状態を把握できることが理想ではありますが、なかなかそうもいかない、というのが現実のところでしょう。
この原稿を書いている、『今日』でさえ
私個人のお話で恐縮ですが、職員の一人がこのところずっと『ある様子』を見せていたため、その職員の上司に
『ちょっと、あの職員は大丈夫なの??』
ときいたところでした。
その直属の上司の言葉としては
「最近、ちょっと下がってますけど、別なところに関心が向いているのか・・・波だと思います」
そんな感じでした。
「あなた、ほんとにその職員のこと見てる??」
と聞こうかと思いましたが、ちょっと時間がなく、聞けませんでした。
従業員の方々は、実に様々なところでストレスのサインを出します。
個人差もありますし、特定の部署でやたらと不調者を出す場合もあるでしょう。
わたしの管理する職場では、昨年は一人、不調者が出て、退職ということになりました。
ちょうど結婚や、妊娠にかかる体調不良などがあり、配慮したところでしたが、ご本人の希望された退職でした。
こうした文章を書いているからと言って
必ずしも、従業員の方のケアが完璧であるというわけではありません。
唯一、皆さんにお話しできるとしたら、休職、復職、退職のいずれにしても、それほど不満を持たれることなくクリアしているということかもしれません。
今回は、職員のストレス状態を示す3つのサインについて
あえて立ち戻ってお話ししましょう。
わたし個人は、ずっと人事や法人の運営に携わってきているわけではありません。
国家公務員としての組織、地方公務員としての組織、教職員組織、民間のNPO、大手企業さんのメンタルヘルス、医療現場などで単なる職員としても勤務してきました。
いま振り返れば、
結構「お堅い」という現場であっても、メンタルヘルスの問題は様々な形で出ていました。
犯罪、買い物依存からの借金、家庭内暴力、精神疾患、組織内での不適応、顧客への不適切な対応など、あげつられていけばびっくりするような状態があるものです。
このあたりが、会社の規模にかかわらずメンタルヘルスに取り組んだほうがよい理由でもありますが、こうした問題が起きた場合の損害というのは、単なる損害賠償請求だけでは、カバーしきれないダメージがあるものです。
さて、具体的な3つの側面をお話ししょう。
それは、
行動面
心理面
身体面
です。
「え、そんなのわかってるよ」
と思った方は、実はわかっていない、と思われます。
この中で、どれが一番深刻と思いますか?
「心理面、身体面」
と考えた方は、残念でした。
大変なのは、実はメンタルヘルスでは「行動面」が重要なのです。
以外に思われた方も多いかもしれません。
「自殺・自死」というのは、実は、精神面ではなく「行動」です。
心理学用語では、『アクティングアウト』といって、心理面の事柄が行動として表現されることをいいます。
うつ病などの場合でも、本当の「大うつ」の時には、行動は少なく、回復傾向にあってすこし行動が出てきたときに、自殺・自死の問題が出てくるのです。
また、行動が失われていない不安などは、買い物や薬物に走ったり、異性との関係でトラブルに発展したりすることが多いです。
ですので、
今回のタイトルで言えば
部下のメンタルヘルスにおいて注意すべき、もっとも重要な点は
『トラブルになるような行動』
が見当たらないかどうか。
例えば、金銭トラブル、交際関係のトラブル、たばこ、アルコールのトラブル、過食、拒食などにみられる太りすぎ、やせすぎ
こういった点には、気づく観察が必要です。
また、
身体面では、吃音(どもり)、発汗、睡眠不足、食欲不振、食欲過多、胃腸系のトラブルなどは見分けやすいでしょう。
心理面では
イライラ、ケアレスミスの連発、やる気のムラ
といったことに気づけたら、管理職として素晴らしいです。
従業員の方のメンタルヘルスに取り組む入口として、まずこの3つの側面に注目してみましょう。
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