仕事においてのストレス要因は?ストレスの原因となる職場環境を考える
労働安全調査結果
厚生労働省より労働安全衛生調査が発表されました。
令和2年のデータでは、現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は 54.2%でした。
平成30年調査では58%だったので約4%減った形です。
強いストレスとなっている内容は、「仕事の量」が 42.5%と最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」が 35.0%、「仕事の質」が 30.9%となっています。
内容 | 令和2年(%) | 平成30年(%) |
仕事の質・量 | 56.7 | 59.4 |
対人関係 | 27.0 | 31.3 |
役割と地位の変化 | 22.9 | 17.7 |
仕事の失敗、責任の発生など | 35.0 | 22.9 |
会社の将来性 | 20.9 | 22.2 |
また現在の自分の仕事や職業生活でのストレスについて相談できる人がいる労働者の割合は 90.8%(平成 30 年調査 92.8%)となっています
ストレスを相談できる人がいる労働者について、相談できる相手(複数回答)をみると、「家族・友人」が 78.5%(同 79.6%)と最も多く、次いで「上司・同僚」が 73.8% (同 77.5%)となっています。
また、ストレスについて相談できる相手がいる労働者のうち、実際に相談した労働者の割合は 74.1%(同80.4%)となっており、相談した相手(複数回答)をみると、「家族・友人」が 73.5%[同 76.3%)と最も多く、次いで「上司・同僚」が 67.6%(同 69.7%)となっています。
ストレスを相談している相手
内容 | 令和2年(%) | 平成30年(%) |
家族・友人 | 73.5 | 76.3 |
上司・同僚 | 67.6 | 69.7 |
ストレスの大まかな要因や、そのストレスが溜まったときに相談できる人がいるかを実際のデータをみていきました。
このようなストレス要因を減らせるような職場環境にしなければなりません。
では逆にストレス要因になってしまうような職場環境はどのようなものか考えていきます。
ストレスの原因となる職場環境は?
大きな分類として以下の3つにわけられます。
- 作業内容及び方法:作業の負荷や内容、責任や自由度など
- 職場組織:職場の人間関係、意思決定の参画、入手できる情報など
- 職場の物理化学的環境:温熱、有害物質、作業レイアウトなど
特に仕事の要求度、コントロール、職場における上司や同僚の支援についてはこころの健康と関連が深いものとなります。
それぞれの分類の具体的内容を以下の表にまとめます。
作業内容及び方法 |
仕事の負担が大きいor少なすぎる 長時間労働である 休憩がない 仕事の役割や責任がはっきりしていない 従業員の技術や知識などが生かされない 単純作業である 自由度や裁量権がない |
職場組織 |
管理者・同僚からの支援や相互の交流がない 職場の意識決定に参加する機会がない 昇進や将来の技術や知識の獲得についての情報がない |
職場の物理化学的環境 |
重金属や有機溶剤などの曝露 換気、照明、騒音、温熱 作業レイアウトや人間工学的環境 |
職場環境のチェックポイント
仕事についてのストレスと感じるものをまとめていきました。
この内容を基に現在の職場環境をみていくことが必要です。
また上記のような知識があったとしても、労働者の声を聞かなければ実際どう思われているのかはわかりません。
管理者は具体的には労働者を観察し、コミュニケーションをしっかりとることが大切です。
仕事がやりにくくないか、環境はどうか、具体的な問題を抽出していく必要があります。
またストレスチェック制度における集団分析の結果を利用するのも有用です。
ストレスのチェック方法
仕事のストレス対策として職場環境を整えることは大切です。
しかしどこを改善する必要がわからなければ環境を整えることはできません。
自身の職場のストレス要因はどこにあるのかを把握するには、観察やコミュニケーションだけでは難しいこともあります。
この際には厚労省が推奨している職業性ストレス簡易調査票などを使用したストレスチェックを行い、集団分析を行う必要があります。
職業性ストレス簡易調査票を利用した職場のストレス要因の評価
ストレスチェックを行うための調査票は、色々な種類があります。項目数もさまざまなので目的や調査対象が費やせる時間などによって選択することが大切です。
一定の企業においてはストレスチェックを1年に1回実施することが義務となっています。
その際、厚労省から推奨されており、多くの企業で採用している職業性ストレス簡易調査票について紹介します。
職業性ストレス簡易調査票は23項目と57項目のものがありますが、23項目では項目が少ないため、57項目が採用されていることが多いためこちらの紹介です。
受験時間は5分程度です。
回答方法としては項目に対してものすごく当てはまる、やや当てはまる、やや当てはまらない、すごく当てはまらないの4択で選ぶものになっています。
質問項目としては仕事のストレス要因に関する項目が17項目、からだの状態についての項目が29項目、相談できる人がいるかどうかの項目が11項目の計57項目です。
職場環境を評価するには、この職業性ストレス簡易調査票を利用し、仕事の量的負担、コントロール、上司支援、同僚支援の4つの尺度を用いて、仕事のストレス判定図を作成すると解りやすいです。
仕事のストレス判定図
ストレス判定図は量ーコントロール判定図と職場の支援判定図の2つから構成されます。
判定図上の斜めの線は、仕事のストレス要因から予想される疾病休業などの健康問題のリスクを標準集団の平均を100として表しています。
したがって仕事の量的負担、コントロール、上司支援について平均点をだすことで健康リスクが産出されます。
例えば健康リスクが150の場合は、全国的なものと比較すると50%大きく、対策をする必要が高いということになります。健康リスクが120を超える場合ではメンタルヘルスによる問題が顕在化している例が多く見られるというデータがあります。
なお判定図を作成する際は10人以上、できれば20人以上の結果で作成することが望ましいです。少ない人数では個人の影響が大きくなり参考にしにくくなります。
また昨今では57項目に働きがいやハラスメント、上司のマネジメント、人事評価に関する項目が追加された、80項目のストレスチェック(新職業性ストレス簡易調査票)があり、より詳細に情報が得られるため、こちらの採用も増えています。
まとめ
仕事の際に感じるストレス要因とその確認方法について紹介しました。
まとめると
- 仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある人は半数以上いる
- 強いストレスの最も大きな原因は仕事量と質の問題
- 7割くらいの人はどこかに相談ができている
- ストレスを減らすには職場環境の改善が重要
- 職場環境の改善をするにはコミュニケーションやストレスチェックなどを行い現状を把握することが必要
となります。
自分自身のストレスはどれくらいなのか。セルフチェックをするために一度ストレスチェックをするのも良いと思います。
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