高校生の思春期うつ病のカウンセリングの目的やメリット
・思春期とは
思春期は、一般的に小学生高学年あたりの年ごろを指します。
体が子どもから大人へと変化する時期で、思春期を迎えた子どもは少し戸惑います。
急激な自分の変化に違和感を抱きながら、友人関係や異性関係に悩み始めます。
自分に関する悩みや自立をめぐる親子間の葛藤など、さまざまな問題に直面する時期です。
思春期は、それまでの発達課題をやり直す時期でもあります。
思春期には、いろいろな問題行動や身体的症状が現れる子どもも少なくありません。
例えば、ずっと「良い子」であった子どもが、自律性と自発性を獲得しようとした場合、
それまでの「良い」行動に逆行するかのように、反抗的な態度をとることも多いものです。これは、反抗期ともいわれます。
・思春期にありがちな心の病
思春期は、精神的にも急速に成長します。そのため、思春期特有の心の病気にかかってしまうこともあります。
思春期に多い心の病は、「摂食障害」や「思春期妄想症」「統合失調症」「思春期うつ病」などです。
接触障害は女性に多い障害で、神経性無食欲症と神経性大食症の2種類に分けられます。これは、精神的な原因で食行動に異常をきたすものです。
思春期妄想症は、自分の身体的欠陥が周りの人に不快感を与えている、と思い込んでしまう病気です。
一例として、自己視線恐怖や自己臭恐怖などがあります。
統合失調症は、原因不明の内因性精神疾患で、
「幻覚」や「妄想」「自我障害」「思考障害」「感情障害」などが起こります。
思春期うつ病は、思春期の子どもの2%~8%に見られる病気で、成人のうつ病と同様の症状が見られます。
特に高校生の場合、イライラなどの不快な感情が高まり、ドラッグやアルコールに手を出す人もいます。
また、自殺願望が高い場合もあります。
思春期うつ病は、摂食障害や強迫性障害、社交不安障害、パニック障害などと合併して現れることも多いようです。
・高校生のうつ病患者の症状
高校生のうつ病患者に多く見られる症状には、「やる気が出ない」「気分の変動が激しい」「怒りっぽくなる」「過眠」「食欲の増加」などが挙げられます。
朝起きられなくなり学校にも行くことができず、そのまま不登校になってしまうことも少なくありません。
高校生がうつ病になる主な原因は、「学校での人間関係がうまくいかない」「学校に馴染めない」などです。
うつ病になる高校生には、責任感が強いという特徴があります。
・高校生のうつ病患者への接し方
高校生のうつ病患者に接する場合に大切なことは、いつでも患者の話を聞く用意があるという態度を示すことです。
イギリスでは、このスタンスが「オープンドア」といわれるため、日本でも「心のドアを開けておく」と表現されます。
「いつでも力になるから、声をかけてね」などと親身に声かけをするようにします。
また会話する上で、聞き上手になることも大切です。そして常に、患者の味方であるという態度を示しましょう。
病んでいることを指摘するのではなく、逆に健康な部分を評価するようにします。
・高校生のカウンセリングの概要やメリット
高校生のうつ病患者の治療では、医師やカウンセラーによるカウンセリングが大切です。
カウンセラーは、患者の心の悩みをヒアリングし、心の専門家としての観点から援助や指導を行います。その支援によって、解決の糸口が見つかるケースも多くなっています。
カウンセリングは、「アドバイスを受けること」「答えを出してもらうこと」が真の目的なのではありません。
あくまでも患者が、自分の力で立ち直るきっかけを作ったり、自身の気持ちを整理する力を養ったりすることが目的です。そして、それをサポートするのがカウンセラーの役割なのです。