過重労働が身体やメンタル面に与える影響と過重労働の解消方法
過重労働とは、法的に具体的定義がなされてはいませんが、残業や休日出勤等が多く、1か月あたり80時間を超える残業が継続してしまう状態をいいます。過重労働が続くと、身体・メンタル面で大きなリスクを抱えることになります。例えば脳卒中や心臓病等のリスクが高くなり、また疲労やストレスによるうつ病等の発症リスクも高まります。
過重労働が多いとされる職種には、一般的にホワイトカラーと呼ばれる技術系や開発系等の事務職や、オフィスを中心とした職場で働く経営企画・営業職があります。これらは一般的な現場職に比べ労働時間が長くなる傾向にあり、その分仕事の量や質、人間関係等に強いストレスを感じがちであるといえます。こういった強いストレスでうつ病等にり患してしまう年齢は、男性で30歳から39歳、女性では29歳以下や、30歳から39歳が最も多いとされ、まさに働き盛りの人が多く発症しています。
過重労働がメンタル面に与える影響は、ストレスによる睡眠不足が原因でネガティブ思考を増幅させてしまうことで、これが仕事の処理能力を著しく低下させると考えられています。処理能力の低下は更なる過重労働の原因となり、同時に、上司や部下等との人間関係上のトラブルをまねく原因にもなってしまいます。こうしてうつ病等の精神疾患を発症し、最悪の場合には強い自責の念に駆られて自殺してしまう人もいるのです。
過重労働が、働く人の身体は元より、精神面にも多大な影響を与えてしまうことを、深く理解しておく必要があります。
過重労働を減らすには、上司や同僚の正しい理解と協力が必要です。適正な業務のあり方や業務量に関する話し合いを日常的にもったり、労働組合などに相談したりすることが肝要です。
また、仕事に対する取組み姿勢を自身で見直すことも必要です。過重労働はメンタル面に与える影響が大きいだけでなく、身体にも思いがけぬ負担をかけています。繁忙期や、上司や同僚が多くの業務をこなしている時期でも、自身の心と体に問いかけながら、決して無理せず仕事に取り組む姿勢が大切です。