メンタルヘルスにかかる経費を削減する方略
従業員のメンタルヘルスの問題は、最悪の場合の『自死』を想定しますが、日常では義務化されたストレスチェックの実施をはじめ、私たちのようなEAP企業との提携によるカウンセリングサービスの提供など、「見えにくいところ」にお金がかかっているように感じられるかもしれません。今回は、法人経営者でもあり、公認心理師、臨床心理士、キャリアコンサルタントでもある筆者が『メンタルヘルスにかかる経費を削減する方略』についてお話します。
◆こちらの記事はこんな方にお勧めです
〇EAP企業と提携をしたものの、費用負担と効果のバランスが気になる
〇カウンセリングを実施したとしても、内容がわからず社内で対応が打てない
〇特にメンタルヘルスの不調者が出ていないのに、費用だけがかかっていると感じる
今回は私自身が、法人の経営者でもあり、心理職でもあることから、おそらく多くの企業の方が感じていらっしゃる、3つの疑問についてお話ししようと思います。
1.EAP企業と提携をしたものの、費用負担と効果のバランスが気になる
こう感じられるパターンには2つあると思われます。
まず
カウンセリング等の実施者が多く、実際の不調者の数が多く、会社負担が必要以上に多くなっている印象がある場合。
つまり、対応にかかわる経費が発生しているのに、状態が改善しないパターン。
もう一つは
EAPの会社と契約はしたものの、特にカウンセリングなどの実施報告もなく、けっこう大掛かりなシステムを入れたり、会社組織への手入れなどもしたものの、利用されていない場合。
つまり、ランニングコストばかりがかかっているパターン。
おそらく、どちらについても
「そうそう、それなんです」
という管理職の方がいらっしゃるでしょう。
この対応については、実は一つの対応で済む場合があります。
ストレスチェックの実施など、ある程度固定の費用については仕方ないと思われますが、契約をする方法について、複数の契約方法があるEAPの企業さんを選択すべきでしょう。
完全なパッケージでしか契約できない場合は、使わないサービスに対する料金発生が避けられません。
また、各企業で、面談回数などと、費用負担が従量制になっているはずですが、カウンセリングというのは、開始してしまうとほとんどの場合は1回では終了できません。
ですので、心理士等の一定の技量をもった面接対応を行っているEAPの提携先で、たくさん利用する可能性があるとすれば、面倒でも1回あたりの面接の単価を気にしてみることもおすすめです。
逆に、ほとんど利用者がいないと想定される職場環境であるなら、一人につき5回までの費用が企業費用に含まれている、というパッケージよりは、1回ずつの面接費用の負担となっているパッケージの方がお得でしょう。
そもそも、EAPの提携先とどんな契約をしているのかがわかりにくい場合もありますので、費用負担が気になる場合には、まず契約内容を確認することが大切です。
他方、心理職として、EAPのサービスの構築を考えている立場から言いますと、「よくわからないサービス」については、ぜひ聞いてほしいと思います。
例えば、当社のサービスの中に、「家族関係の状況のチェックリスト」みたいなものがあるのですが、これは今回のコロナ禍のようにテレワークが行われた際には、効果を発揮したと思われます。
サービス側でも、様々な検討をして盛り込んでいるものがありますので、不明な点はぜひ質問してみてはと思います。
この辺りは、保険などに対する考え方と同様の視点が必要かもしれません。
2.カウンセリングを実施したとしても、内容がわからず社内で対応が打てない
実をいうと、この問題はEAPの会社内でも個人情報殿兼ね合いで悩むところです。
企業としては、従業員が不調を訴えた、もしくは、カウンセリングの希望を出して面接を受けたところまではわかりますが、
「何についてどんな相談をしたのか」
については情報を得ることができません。
これは、もちろん個人情報にかかわることですので、保護される必要があります。
ただし、次のことを知っていていただければ、少しはご安心されるかと思います。
私たちカウンセラーには、守秘義務と言うものがあります。
これは、企業の中でも同じことでしょう。
業務上、知り得たことについて、必要以上に口外することはありません。
ポイントは、この「必要以上に」と言う点です。
もしも、従業員の方が、自殺をほのめかすとか、犯罪に手を染めているとか、そうした「自他の生命、財産」にかかるような事案の場合は、守秘義務の対象外です。
ですので、必要以上に報告が来ない、というのは「便りがないのはよい便り」と思っていただいてよいかと思われます。
もちろん、EAPの会社としては、どのような事案なのかは把握し、しっかりした会社であれば、カウンセラーと相談者のやり取りを報告書で統計化して、カウンセラーが維持できないケースについてのコンサルテーションやスーパーバイズを実施しています。
言うまでもなく、提携していただいている企業を守ること、相談者さんを守ることを目的としていますので、この点についても不安であれば
「カウンセラーからの相談者の報告はどのように処理されていますか」
と聞いてみましょう。
ちょっとしたことですが、メンタルヘルスの費用負担については、EAPの会社にお任せしていて、実際よくわかっていない、という場合には、どうしても負担感が出るものです。
今回お話ししたように、現実的に負担が減ることもあり得ますから、契約内容の見直しは社内の状況と照らし合わせて、定期的に実施してみてはいかがでしょう。
KIRIHARE所属 臨床心理士
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KIRIHARE Well-beingの特徴
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既存のEAPサービスは、「従業員がメンタル不調に陥った後に、相談する」というフローが基本でしたが、KIRIHAREが提案する新EAPサービスでは、不調にならないための「予防」を何よりも重視し、従業員自らが、「心のセルフケア」を意識できる環境を提供します。
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企業全体で、メンタル不調の予防・早期発見と介入のサイクルを回すことで、従業員がメンタル不調を引き起こした際も、早期回復を実現します。
【KIRIHARE Well-beingカウンセリング機能】
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社内にある保健室のような感覚で、いつでも気軽に利用できるカウンセリング機能です。従業員は、カウンセラー資格や相談援助の国家資格を持つ有資格者に、LINEでのチャット形式やZoomで悩み相談ができます。
▽LINEメールカウンセリング
プレカウンセリングでは解決できない場合などは、心理専門職の臨床心理士が対応します。チャットとは異なり、長文での相談が可能です。
▽Zoomや対面のカウンセリング
心理テストの受検結果やプレカウンセリング等で、メンタル不調の度合いや緊急性が高いと判断された場合は、心理専門職の臨床心理士によるZoomもしくは対面でのカウンセリングを提案します。
人事責任者向け機能
▽ダッシュボード機能
カウンセリング相談の希望者や実際に相談を開始した従業員の統計などが瞬時に把握できます。従業員全体のメンタルヘルス状況を多角的に理解することで、各部署の業務量や人員の調整、業務手順の見直しなど、業務環境の改善を検討する一つの手段としてもお役立ていただけます。
▽レポート作成機能
ダッシュボードで表示された項目をグラフで表示し、レポート作成が可能です。
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