ストレスと睡眠の関係
・ストレスと睡眠の関係
ストレスとは、外的要因によって発生する心身への負荷です。
その多くは、仕事や家庭などでの人間関係が要因となって発生します。
人間にとって、軽度なストレスはむしろ良い刺激となり、意欲やモチベーションの向上につながります。
しかし、過度のストレスを受けると心身への悪影響が発生します。
その代表例が「不眠」です。不眠は、日中の眠気を誘発するようになります。
ストレスは、自律神経を乱します。
無意識下で働く自律神経は、呼吸や心拍などをコントロールするために24時間稼働しています。
自律神経は、交感神経と副交感神経で構成されています。
日中優位になるのが交感神経です。血流量を増加させ、脳を興奮させる作用があり、日中活発に活動するためには欠かせない神経です。
一方、副交感神経は夕刻から深夜にかけて優位になります。
副交感神経が優位になると、血管が拡張して心拍数が低下します。
血圧が下がり消化器への血流量が増加するため、心身ともにリラックスした状態となり、眠気が生じやすくなります。
副交感神経は良質な睡眠のためにも欠かせない神経です。
副交感神経が正常に作用すると、スムーズな寝つきと良質な睡眠が確保できます。
しかし過度にストレスがかかると、就寝時に副交感神経が働かなくなり、その結果「睡眠障害」に陥ります。
実はストレスがたまると、人間は交感神経が優位になるのです。
夜間も交感神経が活発であると、脳も体も緊張状態となり、休息をとることができなくなります。
また、交感神経が優位になると、ノンレム睡眠の時間が短縮され、中途覚醒や早朝覚醒などの症状が現れます。
ノンレム睡眠とは、脳が眠っている状態の睡眠のことで、いわゆる熟睡状態のことです。
ノンレム睡眠時間が少なくなると、脳の休息が不十分な状態となり、睡眠の質が低下します。
・ストレスによる睡眠障害の解消方法
ストレスで自律神経が乱れていると、夜間に熟睡できず、日中に眠気が生じることがあります。
日中に長時間昼寝をしてしまうと、それも不眠の要因となり悪循環です。
長時間の昼寝は避け、15分~20分程度に止めましょう。
また、午後のカフェイン摂取も控えましょう。
カフェインには、交感神経を刺激する作用があります。
夜間にカフェインをとると、交感神経が優位になってしまうため、
コーヒーなどのカフェイン摂取は、できるだけ午前中までに止めるのが得策です。
寝る直前の食事も避けましょう。
食事をすると満腹中枢が刺激され、一時的な眠気が生じますが、
消化中の食べ物で胃が活発に働いている最中のため、眠りが浅くなります。
目安としては、就寝の2時間前までに食べ終わりましょう。
食事がどうしても寝る直前になる場合は、おかゆやうどんなど胃に負担のかからないものを、少量に止めるのが良いでしょう。
なお、スムーズな睡眠導入のため、就寝するときには深部体温を低くする必要があります。
室温が高いと深部体温が上がってしまうので、25度~28度の低めの室温設定がおすすめです。
眠れないときにアルコールの力を借りる人も多いようですが、実はおすすめできません。
アルコールには寝つきをよくする効果があると同時に、中途覚醒を促すという欠点があります。
なかなか寝つけないとき、寝酒として1杯飲む程度であれば問題ありませんが、
泥酔するほどの量を飲んでしまうと睡眠の質が低下して、眠りが浅くなる傾向があります。
・ストレスの解消方法
現代社会に生きている限り、ストレスを避けることは困難です。
あれこれ悩み続けるよりも、上手なストレス解消法を見つけることが大切です。
そのためにも、心から楽しめる趣味を確保すると良いでしょう。
可能であれば、スポーツ系の趣味をもつことをおすすめします。
ストレス解消効果があると同時に程よい疲れが残るので、良質な睡眠へとつながります。