職場復帰支援がしたい(企業視点)
仕事をしている人で強いストレスを感じている割合は、厚生労働省の調査で58.3%(平成29年時点)でした。さらに、メンタルの不調が原因で、連続1か月以上の休職または退職した従業員がいる事業所は6.7%という調査結果があります。
メンタルの不調が原因で休職した場合、復帰の許可が出ると職場復帰することが可能です。しかし、復帰初日から100%の力で働くことは難しく、無理をしてしまうと、メンタル不調がぶり返す原因にもなり得ます。
誰でも体調を崩したり、休職する可能性はゼロではありません。休職期間も数か月、状態によっては年単位のこともあります。事業所の金銭面で負担が増加したり、生産性も低下したりするため損失です。
しかし、メンタルに関連した病気は再発もしやすいため無理に復帰させたり、仕事を任せたりすることはマイナスとなる可能性が高く、徐々に身体と心を慣らし、職場復帰を促す、「支援」が必要となります。
メンタルヘルスによる休職があった場合は、場当たり的な対応ではなく、あらかじめ対処方法を検討して的確な支援を行うことが求められます。そこでここでは復帰支援のための流れや注力点等、いくつかの項目に分けて、必要な情報をお伝えします。
職場復帰支援とは
「職場復帰」とは、休職や一時的に退職していた社員が職場に戻る際に使われる言葉です。残念ながら復帰に当たってはそのタイミングや環境次第で休職状態に戻ってしまったり、休職長期化してしまうことは多く見られます。それを防ぐために企業が講じる手段が「職場復帰支援」です。職場復帰プログラムの策定や関連規定の整備等により休業から復職までの流れをあらかじめ明確にし、職場復帰支援に関するルール化体制を整備、ルール化します。休業することになる労働者が迷わないよう、支援の体制を周知する必要があります。
職場復帰支援は5ステップ
職場復帰支援をしなければいけないとわかっていても、具体的にどのようなルール作りや支援を行えばいいのか迷うところではないでしょうか。ここでは、支援の段階を5つのステップに分類して職場復帰支援の流れを解説します。内容は事業所や業務内容に合わせてカスタマイズしていく事をお勧めします。
ステップ1:病気休業の開始及び休業中のケア
診断書が提出された時点から、休職期間がスタートします。上司から人事担当者に、経緯を連絡して必要な手続きの確認をしましょう。
休職になった時点で、体調不良だけど仕事が心配といった気持ちを持っています。そのため、安心して療養できるように声かけをしたり、以下の項目の情報提供をしたりしましょう。情報提供の内容は以下の項目です。また、その他にも必要なことは伝えましょう。
- 傷病手当金の申請方法、支払い期間など
- 休職可能期間や休職期間を更新するための手続きなど
- 不安や悩みなどを相談できる機関
- 公的、民間の職場復帰支援センター
- 休職中の連絡方法など
休職中だからといって、職場から連絡がないことも不安になる場合もあります。そのため、連絡ができるか、連絡できない場合は本人からできるようになるまで待つかなども決めておくと連絡しやすくなるでしょう。
ステップ2:主治医による職場復帰可能の判断
休業をしている労働者から職場復帰がしたい意向が来ます。その際、企業はその労働者の主治医に対して職場復帰が可能と記載された診断書の提出を依頼します。診断書には復帰後に際しての配慮事項等を具体的に記入していただきます。
ただし、主治医は仕事の内容や人間関係などを把握しているわけではありません。病気が落ち着き日常生活が送れていたとしても、仕事復帰が決まったことがきっかけで体調が変わる可能性があります。企業は診断書上の内容を産業医等と精査したうえで、主治医とすり合わせしていくことが重要です。
また、仕事内容・スタート日・本人への伝え方などを決めることも忘れてはいけません。復帰のタイミングを見送るときは本人の気持ちが不安定にならないように、理由と共に誰がどこで伝えるかも決めておくと伝えやすくなります。
ステップ3:職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
上記ステップ2での主治医からの指摘等を踏まえて、復帰を決定する前に今一度必要な情報集め、評価をした上で職場復帰を判断します。復帰が決まったらそれを支援するための具体的なプラン(職場復帰支援プラン)を管理監督者、産業保健スタッフ(産業医や保健師など)、休職している労働者本人との間でやり取りしながら作成します。
【必要な情報と評価】
収集する情報と、評価する内容は以下の通りです。ここの内容以外にも、対応する人によって必要な情報が異なります。個別性を重視して、収集すべき情報を吟味しましょう。
- 職場復帰に対する意思がはっきりしているか
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- 休職している労働者本人と話をした段階で、復職意思がはっきりしていない場合(本人はまだ不安がのこっていたり…)は想定されます。第三者として客観的に判断することが必要です。
- 主治医からの意見収集
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- 診断書記載内容のみでは汲み取れない場合、産業保健スタッフ(産業医や保健師など)は休業している労働者の同意の基、必要情報を主治医からヒアリングする。
- 本人の体調など
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- 治療状況・業務に対する思いや考え・仕事をやり遂げることがでるか・現在の体調・家族からの情報を元に本人の状態を知る
- 職場の環境について評価する
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- 仕事内容と職場の環境はバランスがとれているか・職場が支援するための準備・職場での支援者がいるかなど、準備されている環境について評価
- 他に必要な情報
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- 休職した理由、治療関連の問題点、本人の行動意識など
【職場復帰の判断】
集めた情報をベースに、産業保健スタッフ(産業医や保健師など)を中心に検討をしましょう。また、複数の診断名が付いている可能性もあります。そのような場合は、1つの症状に注目するのではなく、総合的に判断することが求められます。
復帰を見送る場合、誰がどのように伝えるかまで決めておくと安心です。伝え方や内容によっては、モチベーションが低下したり、体調が悪くなったりする原因になります。そのため、事業所側から伝えるよりも、産業医から伝えることがおすすめです。
【職場復帰支援プランの作成】
以下の項目に沿ってプランを作成していまきす。
- 復帰予定日
- 復帰後就業上の配慮
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- 本人に合ったサポート内容や方法、業務内容・量の見直し、業務に関連した配慮、治療に必要な配慮など
- 人事関連の対応
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- 利用できる勤務制度の確認、職場との連携、異動の必要性やそもそもの業種に関する配慮等
- 産業医からの意見
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- 支援全体への意見、安全配慮義務への助言等
- 具体的な支援内容
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- 支援の手順や方法、制限などの再評価・見直しの時期、全ての配慮や面談などが不要と判断できる時期
- その他に組み込む内容
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- 試し出勤制度、デイサービスや復職支援のサービスなど外部の支援等、休業している労働者本人が自己責任において行う事項
ステップ4:最終的な職場復帰の決定
以下の4項目により、最終的な復帰を決定します。
- 従業員の体調や気持ちの最終確認
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- 体調が安定しているか
- 考えや思いなど
- 主治医からの見解を本人から聞く
- 意見書の作成
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- 医師(産業医や主治医)が作成
- 職場復帰の判断
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- 今後の予定などについて従業員に伝える
- その他に必要なこと
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- 本人が主治医に決定した内容を伝える
もちろん、この段階になって体調が悪くなったり、気持ちが復帰モードになっていなかったりしたら、焦らずに再検討することも大切です。
ステップ5:職場復帰後のフォローアップ
いよいよ職場復帰です。職場復帰後は上司の観察や支援、産業医や保健師などとの面談といった方法で支援していきましょう。実施していく中で、計画したプランの評価や見直しを行います。
【確認・評価すること】
- 再発・再熱、新しい問題が発生していないか確認
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- メンタルに関連した疾患は、繰り返される可能性があります。そのため、早期発見をしてその都度、対応をしていくことで状況が悪化することを予防できます。
- 出勤や仕事に対する姿勢などの確認
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- 上司や同僚など関わっている人からの情報も参考にしましょう。
- 主治医の意見書の情報も含めることを忘れてはいけません。
- プランがどの程度実施できているか確認
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- 計画通りの内容で行っているか、実施できている状況を確認しましょう。
- 実施できていない場合は、必要性を説明し指導・助言することが大切です。
- 治療状況
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- 受診状況や現在の状態、見通しなどについて主治医からの意見を本人から収集しましょう。
- 評価・見直し
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- 状況は変化します。そのため、定期的に評価と見直しを関係者間で実施しましょう。
- 主治医から情報や職場での様子などの情報も、評価のデータに活用できます。
- その時の従業員の状態に合わせて、プラン内容を決めていくことを忘れてはいけません。
- 職場環境などの改善
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- 従業員本人がストレスを感じにくい職場環境を作るために、作業内容・方法・労働時間などを評価し、必要に応じて改善していくことがポイントです。
- 周囲への配慮
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- 本人だけではなく、関係する全ての人への配慮も大切です。業務の偏りや過度な負担がかからないように配慮しなければ、他の従業員の体調も崩れてしまう原因になります。
- 定期的に面談を行ったり、業務の取り組む姿勢などを確認したりして、仕事の進捗状況や思っていることなどを確認しましょう。
それぞれの役割り
関係する人が協力をして支援していかなければ、効果が発揮できません。人事担当者やその他の産業保健スタッフも、積極的に関わることが求められます。ここでは、それぞれの役割りを確認していきましょう。
- 産業医等
就業規則や業務内容などを、可能な限り理解しておきましょう。そして、専門的な見解・意見を合わせて、総合的に判断をします。
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- 専門的な立場から、それぞれにアドバイスを行う
- 主治医と連携して意見交換をする
- 必要な配慮を提案する
- 保健師・看護師
専門的な立場からの支援だけではなく、メンタル面でのフォローも望まれます。
- その他の産業保健スタッフ
本人への対応だけではなく、関係者への支援を行います。
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- 面談、体調確認など実施
- 人事担当者や事業所外資源等関係機関への支援や連絡調整
- 産業医の診察日の日程調整 など
- 上司(管理監督者)
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- 職場環境の問題点の把握・改善
- 就業上の配慮
- 職場復帰後の従業員の観察など
- 人事担当者
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- 労務に関わる問題点の洗い出しや確認
- 就業日数や利用できる制度などの情報提供
それぞれ専門的な知識があるため、連携をすることで職場復帰後の再発・再熱の可能性を減らすことにも繋がります。不明点・疑問点・迷うことなどがあれば、その専門に意見を伺いことも大切です。
忘れてはいけないプライバシー保護
本人の健康に関する情報は、個人情報の中でも特に注意を払いべき情報です。そのため、情報を扱う関係者は情報が漏洩しないように、さまざまな対策を行うことが求められます。
1.情報収集と同意を得ること
健康をはじめとした情報収集は、必要最小限にとどめ、情報が必要になった場合は、必ず労働者本人から同意を得ます。
さらに、情報を第三者に提供する場合も、必ず本人の同意を得ることが必要です。本人に確認をしないまま情報を提供することは個人情報の漏洩に該当することも想定されます。そして何より、信頼関係を損なうことに繋がります。
2.情報の集約と整理
従業員の健康に関する情報やその他の情報を扱う人と、その人の権限を明確にしましょう。たとえば、得た情報全てを1つの担当部署で管理します。支援をしていく過程で共有していくことが必要となったときに、集約・整理した情報を必要とする担当者に提供しましょう。
必要以上に情報を提供することは、個人情報が漏洩することにも繋がります。出てしまった情報を回収することは不可能です。また、従業員本人との信頼関係にも影響するため、必要な情報を提供するのみに留めましょう。
3.漏洩などの防止策
収集した情報は、漏洩しないように厳重に管理することが大切です。たとえば、鍵のかかるキャビネットに保管したり、パスワードを設定したりとさまざまな対策を講じましょう。
また、情報を管理したり活用したりする人に対して、健康情報を保護するために研修や教育を行うことも防止策の方法の1つです。1人1人がしっかりと情報が出ないように管理する体勢と意識が大切です。
4.ルールの策定
さまざまな情報の取扱方法を衛生委員会などの審議を踏まえて、一定のルールを決めましょう。ただし、担当者だけではなく、それぞれの職場の管理監督者も知っていなければ統一した支援はできません。そのため、支援に関係する人には特に周知徹底することが大切です。
その他の検討すること
ここからは、その他にも検討が必要な内容をご紹介します。見落としてしまいがちな項目ですが、きめ細やかな支援をしていくためには欠かすことができない内容です。紹介する内容以外に必要と判断した事項に関しては、復職前にしっかりと検討しましょう。
1.主治医との連携方法
外部の支援者である主治医との連携は対象労働者の同意を得てから行います。産業医や保健師などの産業保健スタッフや、上司・人事担当者などが主治医に会うことはほとんどありません。しかし、病院での様子や状態は主治医でなければわかりません。そのため、情報をもらったり、意見をもらったりすることは必要です。
反対に、主治医に対して事業所のルール・業務内容・夜勤の有無などを伝えましょう。それらの情報を元に治療したり、判断するための材料になります。注意したいことは、基本は職場復帰ができる程度の情報を交換することです。また、情報提供を依頼する場合など費用は、あらかじめ主治医と決めておきましょう。
2.職場復帰の可否についての判断基準
職場復帰の可否についての判断基準を決めることが必要ですが、最終的にはそれぞれの事例で判断基準が異なります。以下に基本的な判断基準を紹介します。カスタマイズしながら判断基準を作成することをお勧めします。
- 本人に復帰の意欲が十分にある
- 決められた出退勤時間に、1人で安全に行動できる
- 決まった勤務日数・労働時間で就業可能である
- 仕事を遂行できる
- 疲労を自分で解消できる
- 睡眠や食事で体調をコントロールできている
- 集中力や注意力が続く など
たとえば、業務内容や立場などは従業員によって違い、同じルールで全てを判断できるとは限りません。特に、危険物を扱う業務の場合は、特に慎重に判断することが求められます。そのため、基本の判断基準を元にそれぞれの事例を判断していきましょう。
3.試し出勤のルール
復帰をする前に、試し出勤をしてみると体調や気持ちの変化を確認することができます。いざ、出勤をしてみると気持ちや体がついていかず体調を崩したり、自信がなくなったりすることも少なくありません。そこで、制度を利用して試しに出勤してみると、出勤に対する不安や抵抗を減らすことにも繋がります。
試し出勤を実施して、体調や気持ちの確認と職場の状況確認などを行う機会を設けましょう。試し出勤の例は以下のような内容です。それぞれの事業所に合った試し出勤のルールを作成してください。
また、ルールの中に定期的に産業医の診察を受ける・体調が不安になったら中止する・上司に定期的に連絡をするといった内容も含めましょう。また、復職が難しいと判断したときは復職するタイミングを再検討しましょう。
注意したいことは、試し出勤中の災害をどのように扱うかです。職場復帰支援の1つとして実施する場合、職場の指示という解釈ができます。そのため、試し出勤中に発生した交通事故やケガといった災害の扱いをどうするかについて、人事担当者や総務などと決めておくことが大切です。
- 模擬出勤
勤務予定時間に自宅を出発して、図書館やデイケアで帰宅時間まで過ごしてみましょう。いきなり毎日行うのではなく、週1日や週2日からのように体調に合わせて日数を増やしていくと負担が少なくなります。
また、記録をつけていくとモチベーションを維持することができます。たとえば、実施した日はチェックをする、デイサービスに行くのであれば担当者にサインを貰うなど、見て変化がわかるように工夫しましょう。
- 通勤訓練
体調によっては職場に近づけない、同僚に会いたくないということも。そのため、復職予定であれば来社できるか通勤訓練をすることも大切です。
来社したら保健師などの産業保健スタッフと話をしてから帰宅する・産業医の診察を受ける・一定時間、会社の近くで過ごすなどをして帰宅しましょう。
- 試し出勤
実際に復職予定の職場で過ごしてみる方法です。仕事をする必要はなく、自分のデスクに座っているだけですが、体調の反応を知ることができます。
事前に同じ職場の人には仕事をしないこと、一定時間、在席していることなどを伝えておきましょう。目的は周囲が本人に仕事を依頼したり、間違った対応を防止するためです。本人には体調が悪くなったら無理せずに、帰宅するように伝えましょう。
4.職場復帰後の配慮など
職場復帰の原則は、「休職前に所属していた職場に復帰させること」です。一見、元の職場で復帰させることは負担が多く感じるでしょう。しかし、新しい環境で再スタートしたり、新しい業務内容を覚えたりることは思った以上に労力を使います。ただし、体調を崩したきっかけが異動の場合は、異動前に戻すか異動後に戻すかをしっかりと検討しましょう。
業務量は、段階的に増やしていくことが大切です。メンタル不調の場合、思った以上に疲れを感じやすく、取れにくいといったことなどがあります。そのため、必要な配慮について以下を参考にしましょう。
- 短時間勤務からスタート
- 軽作業や定型業務から慣れていく
- 夜勤や残業はしない
- 出張は体調が安定してから
- 高所作業・危険作業・苦情処理業務など、気を使う業務やストレスが多い業務は避ける
- 転勤の配慮
- フレックスタイム制度について など
業務内容や職場環境、労働条件などによって、配慮する期間や内容は決めることが大切です。本人への配慮ばかりを気にしてしまい、同僚などの負担も気にしていないと他に体調不良者が出てしまう可能性があります。本人への配慮と共に職場の従業員にも目を配り、変化に気付くことが大切です。
職場復帰支援全体の注意点
復帰する・しないは本人の意思が尊重されます。しかし、いざ、復帰日が近くなると不安になったり緊張したり、体調が不安定になることも少なくありません。
また、主治医や本人が復帰ができると判断をしても、業務内容や事業所のルールと照らし合わせたとき復帰できないと判断することもあります。そのため、どちらか一方の判断や考えで復帰の可否を決めるのではなく、総合的に判断することが大切です。
ルールは基本の動きです。同じ診断名で診断書がでることも珍しくありません。しかし、病状や回復スピード、体調を崩した原因などは1人1人異なります。そのため、個別性を考慮して、従業員ごとに判断していくことが大切です。
本人の様子を確認しながら無理せずに実施しよう
メンタルの不調は風邪とは違い、完治するまでに時間が必要です。さらに、環境や対応方法によっては、再発・再熱する可能性もあります。そのため、周囲がサポートをしながらしていくことが大切です。
早く職場に復帰したい、早く元気になりたいと本人は焦ります。職場も復職ができるなら、最初からフルで働くことができると勘違いしてまう場合も多く見られます。しかし、職場復帰支援は、休職や再発、再熱を繰り返さないためにも必要な支援です。労働者個人のことと受け取らず、事業所全体で支援できる体勢を整えましょう。
KIRIHARE Well-being(従業員支援プログラム)のご紹介
キリハレ株式会社の創業思想である「心の健康を大切にできる社会」の実現を目的に開発した、企業様向けの新EAPサービス(従業員支援プログラム)のご紹介です。
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KIRIHARE Well-beingの特徴
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