発達障害カウンセリングについて

昨今、発達障害で悩む成人は多いです。

職場の専門分野では活躍できる成人が、実は家庭や夫婦間でその人間関係の構築に悩むといった事例は枚挙にいとまがありません。

マスメディアは自閉スペクトラム症の男性と、パートナーである女性をアスペルガー障害とカサンドラ症候群として頻繁に取り上げた時期がありました。

自閉スペクトラム症の人の特徴としては、周囲の人との会話のやり取りが得意でなく、特に表情や言葉の行間から相手の意図する事柄を抽出することが苦手とされています。しかし、特徴はあるものの人により個人差も大きいため一概に「自閉スペクトラム症だからこのような人物像だ」ということは言えません。

ただ、コミュニケーションに特徴がある方も多いため、先程の夫婦間の関係では夫に悪意はないものの、妻は「夫が自分の気持ちに気付いてくれない、周りの人には優しく良い旦那様に映るパートナーがどうして本当はこういう人なのかが、何故わかってもらえないのだろう?」という気持ちにさいなまれることが多く、次第に孤立してゆきがちになります。

このような妻の思いから精神科を受診し、自分が本当に発達障害なのか一度客観的に診てもらいたいと考える中年男性は増加傾向にあります。

最近では発達障害を専門とするクリニックや心理相談室も増えてきました。そこでは資格を有するカウンセラーや医師が聞き取りを行います。そのうえで、発達障害に関連する自閉症スペクトラム障害やADHDの傾向が強い患者の方には、定期的なカウンセリングを実施しています。これらのカウンセリングを経て、家族関係が改善した患者さんや、本人の自覚を通じて、職場や社会とのつながりに行き苦しさを感じていた方が、関係が改善された事例などがあります。