心理専門職が教える『能力のある人・ない人』
「学歴偏重」という採用は今ではあまり聞きませんが、
それでも、学習に取り組む姿勢や、
情報を処理する能力の指標として、出身大学などを
ある程度意識されている採用方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、旧帝大博士課程に学んだ公認心理師、臨床心理士、
キャリアコンサルタントの筆者が
「能力の見極め方」をお話します。
今回のコンテンツはこんな方におすすめです。
・出身大学にこだわるつもりはないが他の指標がわからない
・能力にはどんな側面があるのか、整頓したい
採用する際に、「どんな能力を重視するか」は、
各会社さんの業種や職種、その年の必要な
人材の質によって異なるでしょう。
しかし、
「どんな能力を重視するか」
というからには、
「能力」の諸側面を理解している必要があります。
これは、心理学では古くから課題とされていることで、
ご存じの「知能検査」というものは、
この「能力」を測定することを目的に開発されたもの、
といってもよいでしょう。
知能検査の歴史としては、当初は教育期に入る際に
障害のある子どもを見つけるために開発されました。
その後、軍隊に入隊する際に、
適切な能力があるかどうかを検査するため、
集団に対して実施されるなど開発、改良されてきました。
ひとつだけ覚えておいていただきたい点は、
ネットや雑誌などで見かける
「IQ120です」
というような表現は、ほとんどあてにならないという点です。
なぜかというと、
今回のお話の要点の一つである、
「知能の側面」をとらえていないためです。
現在、様々なところで
「生きにくさ」がテーマとして取り上げられている
「発達の難しさ」を抱えている方々の多くは、
「全体的な知能」には問題がありません。
知能検査を実施しても、「全体の知能」としては
IQ100(平均値)を超えることが多いです。
場合によっては、全体としては
非常に高い知能であることもあります。
ところが、細かく見てみますと
会話で使用するような「語の理解」はものすごく高いのに、
算数問題が極端に苦手とか
数に関することはものすごく強いのに、
雰囲気を察するのが苦手とか
そういった極端なばらつきがある場合があります。
そうなりますと、どことなく
変わった雰囲気になったりしますから
数値的に「能力はあるのに」、
思いもよらないケアレスミスを連発するとか
人間関係として適応が難しくなる、という場合があるわけです。
昨今、耳にするような
「理系だから」
「文系だから」
という言い方も、実際はあてになりません。
能力とは別問題です。
また、頭の回転はよくても「打たれ弱い」となると
持っている能力が発揮されません。
つまり「打たれ強さ」もひとつの能力です。
こちらについても、
「ゆとり教育の弊害」などといわれましたが
「ゆとり教育」というよりは、少子化による
「親子関係の変化」のほうが、重要な背景でしょう。
つまり、過保護、過干渉の問題で、
子どもが考えることを、代わりに考える親
子どもが自分でやることを、代わりにやってあげる親
の影響で経験不足になり、失敗経験などをしないで
成長してしまうことで実社会に出た際に
対応力が不足するのです。
これも、大切な「能力」であり、
「能力を発揮するために必要な能力」といえるでしょう。
当社のEAPのチェックリストの中には
「家族関係」のオリジナル尺度が入っています。
現在の社会背景においては、家族関係がこれまで以上に
従業員のメンタルヘルスに影響を与えると考えているためです。
いわゆる「打たれ強さ」のことを「レジリエンス」といって、
教育系心理学会では、ちょっと前に論点となっていました。
また、生活力に裏付けされた身体的な健康や自分なりの
ストレスコーピング
(ストレスがかかった時の対処のバリエーションの豊富さ)
というものも、社会人に必須の能力です。
採用を検討する際には、様々なテストや評価項目を
活用していることと思いますが、それらが
「何の側面を評価しているものなのか」
について、再度確認をしてみてはいかがでしょう。
例えば、内田クレペリン精神作業検査は
作業曲線をもとに、その人の作業の特徴や、
精神機能などの確認、性格の一側面などがわかる
といわれています。
古い論文では、運転手の事故率と検査結果に
関連性が見られるなどの報告があります。
ただ、これをもって、採用するとか、
採用を見送るかについては、よほどの異常性が無ければ
難しいような印象もあります。
つまり、他の能力指標も勘案したいところでしょう。
こうしてお話をしていると
「能力」と一言でいっても、
いくらでもお話しできるわけですが、
当社では「採用」の分野だけでなく、
メンタルヘルスなどの情報も提供しておりますので、
よろしければご覧いただければと思います。
KIRIHARE所属 臨床心理士
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KIRIHARE Well-beingの特徴
①従業員のメンタルヘルスを継続的に維持できるよう「メンタル不調の予防」と「メンタル不調の早期発見・介入・回復」に重点を置いたサービス設計
②LINEを活用した双方向型のコミュニケーションで、各従業員の状況に沿った「心のセルフケア方法」を提案すると同時に、社外で気軽に「悩み相談ができる場」を提供
▽予防
既存のEAPサービスは、「従業員がメンタル不調に陥った後に、相談する」というフローが基本でしたが、KIRIHAREが提案する新EAPサービスでは、不調にならないための「予防」を何よりも重視し、従業員自らが、「心のセルフケア」を意識できる環境を提供します。
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従業員は、LINEにて心理テスト等による定期的な自己チェックが可能なため、ストレス状態への気づきや意識を促し、早期発見に繋げます。
▽早期介入
高ストレス状態であることを従業員自身が自覚できず、自ら対処できない場合、KIRIHARE側がメンタルヘルスの状態を検知し、LINEのプッシュ通知を使って、セルフケアの促進やカウンセリングを提案し、メンタルヘルスの悪化を防ぎます。
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企業全体で、メンタル不調の予防・早期発見と介入のサイクルを回すことで、従業員がメンタル不調を引き起こした際も、早期回復を実現します。
【KIRIHARE Well-beingカウンセリング機能】
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社内にある保健室のような感覚で、いつでも気軽に利用できるカウンセリング機能です。従業員は、カウンセラー資格や相談援助の国家資格を持つ有資格者に、LINEでのチャット形式やZoomで悩み相談ができます。
▽LINEメールカウンセリング
プレカウンセリングでは解決できない場合などは、心理専門職の臨床心理士が対応します。チャットとは異なり、長文での相談が可能です。
▽Zoomや対面のカウンセリング
心理テストの受検結果やプレカウンセリング等で、メンタル不調の度合いや緊急性が高いと判断された場合は、心理専門職の臨床心理士によるZoomもしくは対面でのカウンセリングを提案します。
人事責任者向け機能
▽ダッシュボード機能
カウンセリング相談の希望者や実際に相談を開始した従業員の統計などが瞬時に把握できます。従業員全体のメンタルヘルス状況を多角的に理解することで、各部署の業務量や人員の調整、業務手順の見直しなど、業務環境の改善を検討する一つの手段としてもお役立ていただけます。
▽レポート作成機能
ダッシュボードで表示された項目をグラフで表示し、レポート作成が可能です。
▽ストレスチェックシステム(従業員50名以上の場合)
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