ちょっと簡単に従業員の意識を高めたいとき
管理職の方のひとつの悩みとして、
『職員の個性』は大切だと感じつつ、会社として、
または部や課、グループとしてのまとまりは必要なのでは
ないかと考えることがあるのではないでしょうか。
わたしのかかわる保育の現場の職員でも、区分的な意識として
『3歳以上児クラスの担当の保育者』
『3歳未満時の担当のクラスの保育者』
という意識があったりするものです。
これは、管理者側が『業務分担』を設定する中で、
必然的に発生してしまうグループ化かもしれませんが、
基本的に好ましいとは思っていません。
一般の会社さんですと、課と課、グループとグループでの
切磋琢磨的なところがあるかもしれませんが、
少なくとも会社として考えたときには、同一社内に敵とか、
対立軸みたいなものを意識することは
あまり良いとは感じません。
わたしたちが提供するサービスや商品は、
あくまでもユーザーや消費者の方の利益につながるもので、
それを一緒に作り上げていくことが
前提だと考えられるからです。
従業員の方たちの意識や、方向性を合致させるために、
よくそれぞれの会社で『社訓』であったり、
「クレド」というものを作成しているところも
少なくないと思います。
会社さんによっては、朝礼でみんなで
唱和したりする場合もありますね。
ただ、作ってあるものの、特に意識させていない会社さんも、
実際には多いと思います。
また、もともと統一感がとれていないところに、
唱和しなさい、といったところでうんざりさせて
しまうこともないとは言えません。
現在のようにリモートワークなどになってくると
なおさらでしょう。
個人的に、こうした「従業員」の意識を同じ方向にむける
というか、そこまでがっちりしたものではないのですが、
職員がみんなで同じ方向をむこう、
ということにちょっと役立った方法がありました。
皆さんの会社では「販促品」というものを活用されていますか。
ハンドタオルのようなものであったり、クリアファイルとか、
コップとか、うちわとか、様々な販促品があります。
おおよそ「販売促進」という目的ですから、
会社のロゴを入れたり、連絡先を入れたりして
作られていると思います。
それを、従業員向けにデザインして、小ロットで作成してみる、
というのが結構楽しいものでした。
皆さんの会社では、「お疲れ様」といって、
ちょっと缶コーヒーをあげたり、
飴をあげたりする習慣はありますか?
様子をみていて、今日はずいぶん修羅場だったな、
と感じる従業員の方に
「よくがんばったね」
という言葉をかけることはもちろん必要ですが、その時に
「せっかく頑張ったから、これあげるよ」
と言って、ボールペンとか、消しゴムとか、
なんていうことのない販促品に、会社の名前や、
ちょっとした社員の方へのメッセージを入れたものを
いくつか作成しておいて、渡すのです。
「え、これなんですか?」
という反応はもちろんですが、けっこう、大事にされて、
机の引き出しにしまったりする方も少なくありません。
「集団の凝集性」という言葉が心理学ではあるのですが、
こうした人のまとまりをつくる方法はいくつかあります。
そのなかでシンプルな方法の一つは、
『関心を寄せる』ことです。
「お疲れ様、よくがんばったね」
という言葉と一緒に、なにか渡されることで、
その「モノ」には、『意味』がくっついてきますので、
それを時々見ると、その時の場面が思い浮かぶわけですね。
わたしたち人間は、良くも悪くも「忘れる」生き物ですので、
そういうちょっとした「モノ」の力を使うと、
人の心持ちも変わったりするものです。
あと、蛇足ですが、販促品にありがちな、
どうにもならないものとか、捨てられてしまうそうなもの、
デザインが適当すぎるもの、になってしまうこともありますが、
それはそれで「笑い話」にして『みんなにちょっといい気分に
なってもらおうと思ったら、失敗した!』
と言っておくと、逆に場が明るくなって効果的かもしれません。
ちょっと大事なのは、これを会社の経費で作ってしまうと
「こんなことに使うなら、給料あげてくれ!!」
という文句も出そうなところです。
5千円から1万円程度で作れるものもありますので、
ちょっとばかり自分でも楽しみながら作ってみる、
というところも大切かもしれません。
そんなことをする上司がいる、ということを従業員の方が、
家族や友人に話すことで、
会社のイメージもよいものになっていくでしょう。
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