カウンセラーが初対面のクライアントで見ていること(2)
今回は、「カウンセラーが初対面のクライアントで見ていること(2)」をテーマに、
法人経営をしている公認心理師、臨床心理士、
でもありキャリアコンサルタントでもある筆者が、
従業員のメンタルヘルスを扱う上での
ポイントをお話しします。
今回のコンテンツはこんな方におすすめです。
・実はコーチングやカウンセリング技法はちょっと勉強した管理職
・心理職でもあり、管理職でもある筆者が
何を重視しているかを確認したい
・管理職としての業務がカウンセラーと圧倒的に違う点
第一回目では、カウンセラーが初対面のクライアントと向き合った際に、非言語的な観察からたくさんの有益な情報を得ていることをお話ししました。
このポイントについては、顔周辺だけでなく、全身について行いますので、今後もご紹介をしていこうと思います。
他方、
大変残念ですが、事実として
カウンセリング技法を学んだことで、かえってネガティブな状態になる管理職の方をよく目にすることがあります。
それは、カウンセリングの基本的姿勢である『受容』ということと
管理職が基本的な権限として持っている
「指導」とか「管理」という面が、ある意味で相いれないことによる
態度、機能の矛盾が生じるということでしょう。
『コーチング』なども同様ですが
『自分がどうしたらよいのかわからなくなる』
ということがありませんか。
私自身は、心理職であり、管理職でもあります。
ですから、カウンセラーとしての態度を持つ場合と、
管理職としての態度を持つ場というのは、明確に分けています。
もっと詳しく言えば、「私自身」という人間的なものが、
基本的な姿勢となりますが、業務として用いる姿勢は、
異なるということです。
ここで、
管理職の方に必ず守っていただきたい、
とても重要なポイントを申し上げますと
『管理職はカウンセラーになってはいけない』
と考えています。
具体的な例をあげましょう。
精神的な異常を抱える従業員がいる際に
、カウンセラーであれば、その「病理的な側面」を最も重視し、
医療につなぐべきかを考え、心理的な支援でたりると判断すれば、クライアントが持つ世界に寄り添って話を聞いていきます。
しかしながら
管理職は、医療モデルでモノを見る立場ではありません。
そこに根本的な違いがあるのです。
同じような場に「学校」があります。
スクールカウンセラー制度が導入された時期、わたしも学校現場に入っていった一人です。
また
そうしたスクールカウンセラーの活躍に対して
教師がカウンセリングの勉強をして、カウンセラーと同等の力を持とうとした時期があります。
これは、姿勢としては間違っていませんが、治療的なモデルを基本としている心理士と教育として指導や説諭を行う教師は、役割として相いれないのです。
結果として、現在は
『チーム』、『協働』という考え方が基本となっていますが、会社という場は、まだそこまでは至っていません。
カウンセリング技法、そのものは役立ちますが
管理職が従業員のカウンセラーになってしまってはいけません。
では、せっかく観察で得た情報をどうしたらよいのか。
『記録』
してください。
カウンセラー的な視点で得た情報を「仕事」という管理職の立場に持ち帰って「記録」するのです。
なぜ記録が大切かというと、カウンセラーと管理職が従業員と話をする際の圧倒的な違いは、先ほど述べた役割の違いにあるためです。
例えば、
カウンセラーであれば、
「先週から、どんな変化がありましたか?」
と聞き、実は、お付き合いしている彼とケンカがあり、今週はまったく会えていない、という話があるとします。これは、クライアントと、カウンセラーの間では、何の違和感もありません。
ところが、上司と従業員、という立場で
「先週から、お付き合いしている人と何かありましたか?」
と聞いた途端、これは、パワハラやセクハラとして扱われかねません。
それを防ぎながら、私たち管理職が従業員の内面にわずかばかり触れるポイントは
『事実の積み重ね』
と
『業務に関係しているか』
という、2点に集約されるのです。
つまり
『このごろ、あなたのメイクがちょっと異様になっていて、顧客からも『何かあったのか』と不安が出ています。業務に影響が出ているので伺いますが、なにかありましたか?』
というように
上司と従業員、という関係性の中で成り立つ対話に変換する必要があるのです。
これは、管理職としての難しさでもありますし、私が所属しているEAPなどの外部の心理支援を利用する大きな理由でもあるでしょう。
まずは、『観察した内容』、『違和感を覚えた内容』、『業務に影響している内容』を事細かにメモしましょう。
これは、万が一、従業員の方に事故があったり、心理的な自由で退職するなどで訴訟になった場合に、大変威力を発揮する資料となります。
メモすら残していない、という管理職の方は、ぜひ今日から始めましょう。
KIRIHARE所属 臨床心理士
KIRIHARE Well-being(従業員支援プログラム)のご紹介
キリハレ株式会社の創業思想である「心の健康を大切にできる社会」の実現を目的に開発した、企業様向けの新EAPサービス(従業員支援プログラム)のご紹介です。
▽こんな方におすすめ
- 従業員のメンタル不調を事前に防ぎたい
- 健康経営を実現したい
- 社内の福利厚生が充実していることを対外的にアピールしたい
- 採用において自社を『ブランド化』し、魅力を高めたい
上記のようなニーズがお有りの場合、当社のサービスを通じて解決できるかもしれません。
詳細は以下をご確認ください。
▽KIRIHARE Well-being公式ページ
https://kirihare.jp/▽資料請求
https://share.hsforms.com/18kN8rZspTq2MAEOFbwW_gg5m6sq▽新規登録(人事ご担当者様向け)
https://kirihare.jp/ap/user/register▽貴社の状況に合わせたサービス内容をご提案します。無料相談はこちらからhttps://meetings.hubspot.com/operation9/kirih
KIRIHARE Well-beingの特徴
①従業員のメンタルヘルスを継続的に維持できるよう「メンタル不調の予防」と「メンタル不調の早期発見・介入・回復」に重点を置いたサービス設計
②LINEを活用した双方向型のコミュニケーションで、各従業員の状況に沿った「心のセルフケア方法」を提案すると同時に、社外で気軽に「悩み相談ができる場」を提供
▽予防
既存のEAPサービスは、「従業員がメンタル不調に陥った後に、相談する」というフローが基本でしたが、KIRIHAREが提案する新EAPサービスでは、不調にならないための「予防」を何よりも重視し、従業員自らが、「心のセルフケア」を意識できる環境を提供します。
▽発見
従業員は、LINEにて心理テスト等による定期的な自己チェックが可能なため、ストレス状態への気づきや意識を促し、早期発見に繋げます。
▽早期介入
高ストレス状態であることを従業員自身が自覚できず、自ら対処できない場合、KIRIHARE側がメンタルヘルスの状態を検知し、LINEのプッシュ通知を使って、セルフケアの促進やカウンセリングを提案し、メンタルヘルスの悪化を防ぎます。
▽早期回復
企業全体で、メンタル不調の予防・早期発見と介入のサイクルを回すことで、従業員がメンタル不調を引き起こした際も、早期回復を実現します。
【KIRIHARE Well-beingカウンセリング機能】
▽プレカウンセリング
社内にある保健室のような感覚で、いつでも気軽に利用できるカウンセリング機能です。従業員は、カウンセラー資格や相談援助の国家資格を持つ有資格者に、LINEでのチャット形式やZoomで悩み相談ができます。
▽LINEメールカウンセリング
プレカウンセリングでは解決できない場合などは、心理専門職の臨床心理士が対応します。チャットとは異なり、長文での相談が可能です。
▽Zoomや対面のカウンセリング
心理テストの受検結果やプレカウンセリング等で、メンタル不調の度合いや緊急性が高いと判断された場合は、心理専門職の臨床心理士によるZoomもしくは対面でのカウンセリングを提案します。
人事責任者向け機能
▽ダッシュボード機能
カウンセリング相談の希望者や実際に相談を開始した従業員の統計などが瞬時に把握できます。従業員全体のメンタルヘルス状況を多角的に理解することで、各部署の業務量や人員の調整、業務手順の見直しなど、業務環境の改善を検討する一つの手段としてもお役立ていただけます。
▽レポート作成機能
ダッシュボードで表示された項目をグラフで表示し、レポート作成が可能です。
▽ストレスチェックシステム(従業員50名以上の場合)
年に1回実施の義務のあるストレスチェックの運用が、システムにて無料で行えます。面倒な事務作業や集計、集団分析も管理画面にて全て対応可能です。
現在、弊社がリリースした新EAPサービスを3ヵ月間無料で体験いただけるキャンペーンを実施中です!「従業員のメンタルヘルス対策が必要だと思っていながらも、仕組みをゼロから考えるのは難しい・・・」「コロナ禍でテレワークが進み、従業員のメンタルヘルス状況が把握しづらい」等のお悩みを抱えている企業の人事担当者様必見の特別企画です!!沢山のご応募お待ちしております。
「まずは話だけでも聞いてみたい」「とりあえず資料が欲しい」などのご希望があれば、以下に記載のURLより、お問い合わせください。
▽KIRIHARE Well-being公式ページ
https://kirihare.jp/▽資料請求
https://share.hsforms.com/18kN8rZspTq2MAEOFbwW_gg5m6sq▽新規登録(人事ご担当者様向け)
https://kirihare.jp/ap/user/register▽貴社の状況に合わせたサービス内容をご提案します。無料相談はこちらから
https://meetings.hubspot.com/operation9/kirih