ハラスメント研修のメリットは?やり方と進め方についても解説

 

ハラスメント研修は、ハラスメント対策としての効果が高く、職場環境の維持・改善のためにも導入したいものです。この記事では、ハラスメント研修のやり方や進め方を中心に実施時のポイントも併せて紹介していきます。

ハラスメント研修の目的・必要性

ハラスメント研修の目的は、職場のハラスメントを防止することです。ハラスメントが常態化すると、生産性の低下や優秀な人材の流出、企業のイメージダウンなどの悪影響が出ます。従業員が快活に働けるよう、積極的な対策が必要です。特にハラスメントの予防の中でも、研修は最も効果が高い対策です。研修を取り入れ、職場のハラスメント防止に努めましょう。

  

また、2019年5月の法改正により、企業ではパワーハラスメント(パワハラ)の防止措置が義務付けられています。法対応の一環としてもハラスメント研修は有効です。

ハラスメント研修のメリット

ハラスメント研修のメリットとして、社内で共通認識を持てることが挙げられます。ハラスメントが起きる原因の1つは、ハラスメントの線引きが人により異なるためです。認識が同じであればハラスメントが起きづらく、起きたとしても第三者が注意しやすい環境になります。社内全体の意識を変えられる点がハラスメント研修のメリットです。

  

研修の効果が出れば、業務に集中できる従業員が増えるでしょう。離職率の低下や企業のイメージアップにより、優秀な人材を確保しやすくなることも期待できます。

ハラスメント研修のやり方

ハラスメント研修のやり方は以下の3つです。

  

・外部研修
・社内研修
・e-Learning(eラーニング)

  

それぞれの特徴について説明していきます。

外部研修

外部研修は、社外のセミナーに参加し、ハラスメントについての知識を習得する方法です。セミナー会社やコンサルティング会社、商工会議所など、さまざまな団体が主催しています。社内の課題に合ったテーマを探して受講するといいでしょう。外部研修のメリットは、自分たちで講演する必要がなく、準備に時間が取られないことです。デメリットとしては、必ずしも必要なテーマではないこと、コストがかかるため受講できる人数に制限があることが挙げられます。

社内研修

社内研修は、社内の従業員が講師になる方法外部の講師に依頼する方法があります。それぞれのメリットとやり方を見てみましょう。

  

社内の従業員が講師になるメリットとやり方

  

従業員が講師として研修をするメリットは、社内の課題を把握している点です。より適切なテーマを選び、社内の問題解決につながる研修を実施できます。社内で完結できればコストも抑えられるでしょう。

  

社内で実施する場合、講師には相談窓口の担当者や人事、総務などハラスメントに関する業務に携わる人を選ぶとスムーズでしょう。厚生労働省(厚労省)のページでは、研修用の動画や資料が公開されています。研修内容に悩んでいる担当者は、活用してみるといいかもしれません。

  

▽厚生労働省 あかるい職場応援団
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/

 

 

外部講師に依頼するメリットとやり方

  

外部の講師に依頼するメリットは、専門性の高さです。さまざまな事例を踏まえて、ハラスメントを多角的に捉える研修が期待できます。従業員が講演する場合に必要な法律の確認やプレゼン資料の準備などに時間を取られない点もメリットです。

  

外部講師に依頼する場合、依頼先によって費用が大幅に異なります。大手の研修会社は、30万~50万円ほど費用が必要になることもあります。商工会議所やカウンセリング機関など、講師派遣をしている団体は多いです。複数から見積もりを取り、内容も併せて比較検討することをおすすめします。

e-Learning(eラーニング)

e-Learning(eラーニング)は、時間や場所を選ばず参加できます。テレワークでも活用できる人気の研修方法です。気軽に参加できる一方で、途中で離脱・退席しやすい点が課題です。講師としても、受講者の反応を見ながら話を進められず、手ごたえを感じづらいこともあります。修了テストや受講後アンケートなどを取り入れ、理解度の把握や従業員が集中して受講しやすい工夫をするといいでしょう。

  

外部のサービスを利用する場合、eラーニングの料金は、1人あたり5,000円~2万円程度が相場です。なかには、アカウントを登録すれば無料で利用できるサービスもあります。まずは、やりたい研修内容が無料で提供されていないか探してみましょう。

ハラスメント研修の頻度と時間

ハラスメント研修の頻度は、年に1回以上が理想です。研修内容を机上だけでなく現場でも定着させるには、繰り返し教育の機会を設ける必要があります。1年経てば、新たな従業員が加わることもあるため、少なくとも年に1回は実施できるように計画を立てましょう。

  

また、1回の研修で要する時間は、短いもので1~2時間程度です。場合によっては、3~4時間、あるいは終日かかる研修も珍しくありません。グループワークや演習が組み込まれていると、研修時間が長くなる傾向にあります。社内の課題に合わせて時間配分を決めましょう。

ハラスメント研修の進め方

ハラスメント研修の進め方は、以下の通りです。

  

1. 社内のハラスメント状況を把握する
2. 研修のテーマを決める
3. 研修のやり方(社内・外部・eラーニング)を決める
4. 研修の時期を決める
5. 会場を決め、予約する(対面の場合)
6. 講師に依頼する
7. 受講者へ研修の案内を通知する
8. 研修資料を準備し、配布する
9. 当日の準備(会場設営や司会進行など)
10. 研修後、レポートや感想、アンケートなどを提出してもらう

  

まず、アンケートなどを利用して社内のハラスメント状況を把握します。把握した内容から、テーマを決めていく流れがおすすめです。社内の実状に合った内容であれば、従業員が当事者意識を持ちやすく、より効果的な研修になるはずです。最後にはレポートなどを提出してもらい、次回のテーマ決めの参考にするといいでしょう。

ハラスメント研修の事例

ハラスメント研修では何を取り上げればいいのか悩むかもしれません。研修内容の例として主に以下の5つがあります。

  

・ハラスメント対策が必要とされる背景
・ハラスメントの定義
・ハラスメントを防止するための対応
・ハラスメントとなる言動
・ハラスメントについての社内ルール

  

取り上げる際のポイントについて1つずつ説明していきます。

ハラスメント対策が必要とされる背景

法改正で対策が義務化されたこと、ハラスメント発生による企業や個人への影響など、ハラスメント対策が必要とされる背景を説明します。背景を知ることで、従業員は対策の必要性を理解しやすくなります。

ハラスメントの定義

ハラスメントとは何か、ハラスメントの種類には何があるのかについて取り上げます。何がハラスメントに当たるか、認識は人によって差があります。社内で共通認識を持つため、ハラスメントの定義を提示することが大切です。

ハラスメントを防止するための対応

ハラスメントを防止するための対応を研修で紹介します。日常的な注意事項やハラスメントを受けたときの対応を伝えるといいでしょう。第三者としてハラスメントに気づいた場合の対応も併せて説明しておくと、従業員は安心してハラスメント対策に関与できます。

ハラスメントとなる言動

ハラスメントとなる言動にはどのようなものがあるかを伝えることも重要です。定義の紹介だけではイメージしづらい部分もあります。自分の言動を振り返ってもらうためには、実例の紹介も必要です。極端な例だけではなく、グレーゾーンも伝えられるとより実用的になります。

ハラスメントについての社内ルール

就業規則に記載されたハラスメントに関する内容を研修の機会に伝えておくこともおすすめです。従業員が相談したいときの窓口の利用方法も改めて周知しておくといいでしょう。

ハラスメント研修のポイント

ハラスメント研修のポイントは以下の2つです。

  

・当事者意識を持てるよう工夫する
・アンケートを実施する

  

より効果が実感できる研修になるよう、ポイントを押さえておきましょう。

当事者意識を持てるよう工夫する

研修のポイントの1つは、受講者が当事者意識を持てるよう工夫することです。工夫の例として、役職に合わせて研修内容を設定する方法があります。それぞれの実状に寄り添った研修を準備できるため、より当事者意識を持つことが可能です。演習を取り入れ、シチュエーション別に自分だったらどうするか、実際にやってみる方法もいいでしょう。自分の過去の言動が加害者になっていないかを振り返ってもらう良い機会になります。

アンケートを実施する

アンケートは、研修前と研修後の2回実施することがポイントです。研修前のアンケートは、社内の課題を探す目的で行います。課題を把握してから方針を決めることで、より効果的な研修になるのです。研修後のアンケートでは、今後の方向性を決める目的で実施します。受講者の理解度が不十分な箇所は再度研修に盛り込むといいでしょう。受講者の声を聞きながら改善を重ねることが大切です。

まとめ:社内の課題に合った研修を取り入れよう

ハラスメントをより身近に感じ、実際に対応してもらうためには、背景や定義、対応方法、実例を説明することです。研修内容によっては、自分には関係ないと認識される可能性もあります。受講者が当事者意識を持てるよう、社内の課題に合わせてテーマを決めていくことが大切です。また、演習の導入やレポートの提出により研修へ意欲的に参加できる工夫も必要でしょう。

KIRIHAREのハラスメント研修

KIRIHAREでは、以下のハラスメント研修サービスを提供しています。

 

・ハラスメント予防動画の配信
・ハラスメント研修動画
・eラーニング

ハラスメント予防動画の配信

クイズ形式の動画です。シチュエーションごとに回答が3つ提示され、ハラスメントに当てはまらない回答を選択していきます。極端な例だけでなく、日常に起こりそうな会話をクイズにしている点が特徴です。ハラスメントを身近に感じ、自分の言動を振り返る機会になることが期待できます。

 

配信頻度は月に1回です。配信時にはプッシュ通知でお知らせし、見逃しを防ぎます。

ハラスメント研修動画

パワハラ防止法に対応した研修動画です。企業の課題に合わせて、研修動画のオーダーメイドも承っています。

 

《 研修動画の例 》

・ハラスメントの定義
・ハラスメントの種類
・ハラスメントが発生した際の対応
・会社の組織づくり など

eラーニング

ハラスメント研修動画を閲覧後、理解度のチェックテストとしてeラーニングを利用できます。結果は、本人と人事の双方で閲覧でき、理解度の把握が可能です。

 

配信頻度は年2回で、1回あたりの質問数は18問となっています。

 

 

ハラスメント研修のデモ体験もご用意しております。サービスを体験してみたい方、外部に研修を依頼したい方はお気軽にご相談ください。
※デモ体験をご希望の方は、お問い合わせ内容に「ハラスメント研修のデモ体験を希望します」とご入力ください。

 

 

 

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