学校にいるカウンセラーって何者??
スクールカウンセラーという仕事について耳にしたことがあるでしょうか。文字通り、学校にいるカウンセラーのことです。では、病院や町のカウンセリングルームにいるカウンセラーと一体どこが違うのだろうと思った人もいるかもしれません。ここではスクールカウンセラーについて、どのような人が、どのような仕事をしているのか説明します。
スクールカウンセラーの募集条件としては、東京都を例にとると①公認心理師、②臨床心理士、③精神科医、④心理学系の大学教員が挙げられています。地域によっては「スクールカウンセラーに準ずるもの」として、大学院修了後1年以上の実務経験者等を設定しているところもあります。
募集条件のひとつである臨床心理士を簡単に説明すると、大学院でカウンセリングや臨床心理学について勉強した人が有する資格です。また、公認心理師は国家資格ではありますが、まだできて数年たらずのものです。そのため、スクールカウンセラーとして応募する場合、臨床心理士、もしくは公認心理師と臨床心理士の両資格を有するケースが多いと思われます。
次に、スクールカウンセラーが学校でどのような仕事をしているのかについて説明します。まずはもちろんカウンセリングであり、子どもを主な対象とします。保護者もその対象となりますが、その場合は親として、子どものことについてのカウンセリングを受けます。
また、学校の先生方に子どものことや保護者との関わり方について、コメントをすることもよくあります。これを専門的にはコンサルテーションといいます。
他にも、先生やPTA向けに、子育てや発達障害等についての講演・研修を行うことがあります。最近では、ストレスマネジメント等について生徒向けに授業を行うスクールカウンセラーもいます。この授業は、専門的には心理教育と呼ばれます。
他にも、子どもの学習の様子を見るために授業を参観し、気になる子どもがいれば先生とその支援について話し合います。さらに、子どもと一緒に昼食をとったり遊んだり、昼休みに相談室を開放して気軽に話したりという活動を通して、子どもの悩みが深くなる前に自然な活動の中で解決していく、といった大切な役目を果たしています。
このようにスクールカウンセラーは、子どもやその家族にとって大変身近な頼れる存在です。小中高校生、またはその年代の子どもをもつ保護者の方は、病院やカウンセリングルームに行く前に スクールカウンセラーへの相談を検討してみるのもよいかもしれません。