子供と大人のADHD

ADHDは、注意欠如多動性障害といい、日常生活での不注意が多く、ある一定の物事への興味関心以外は集中できないという症状をもつものです。ADHDは子供にも大人にもみられますが、最近では特に大人のADHDも話題となってきています。

ADHDの子供の多くは、授業に集中できない、じっと座っていられない、忘れ物をする、物をなくす、約束の時間を忘れる、人の話を黙って聞けない、何かに集中すると止まらない、スケジュール通りに物事が進まないなど、自分ひとりで規則正しい日常生活を送ることが困難な状態になります。したがってADHDの子供は、集団行動に適応することが難しく、十分な能力がありながらも授業についていくことができない状態を経験することもあります。

 

このような場合、親や先生などが早く気いて受診させ、ADHDの診断および適切なアドバイスを受けることで、子どもの困難をひとつずつ解決し、苦手な部分のサポートもできるようになります。例えば、宿題を毎日忘れてしまうのであれば、先生が宿題のリストを必ずメモさせ、帰宅時には必要な物をランドセルに入れているか確認します。自宅では親がリストを見ながら宿題の完成を確認し、登校時には確実に持たせるようにします。これを地道に繰り返すことで、徐々に子供にも習慣付けができていき、生活の改善へと歩みを進めることができるのです。

 

しかし、ADHDの子ども全てが子供のうちに気づいてもらい、診断してもらえるとは限りません。とても苦しんでいるにも関わらずそのまま大人になってしまうと、社会に出た時点でより深くADHDの弊害に悩ませられることになります。

最近話題になっている大人のADHDは、大人になってから突然ADHDになったのではありません。ほとんどの場合子供の頃には気づかれることなく成長し、大人になってから様々な支障が現れているのです。