どんな人がカウンセラーをしているの??
カウンセラーを名乗っている人たちは、それぞれ何らかの資格を有しています。中には、カウンセラーとは名ばかりで、何の勉強もせずその肩書に甘んじているケースもあります。ですから、何かしら悩み事を相談したい場合は、やはり信頼のおけるカウンセラーを見つけることが大切です。ここでは、どのような人がカウンセラーとして働いているのか説明します。
第一に挙げられるのは、臨床心理士でしょう。意外に知られていませんが、これは国家資格ではありません。文部科学省認定資格という、国家資格と民間資格の中間に位置づけられるものです。もちろん、大学院修了後試験に合格しないと取得できない資格ですから、臨床心理学についてたいそう深く極めた人であることには間違いありません。その意味で、他の様々な心理系資格と比較した際、最も権威と実績のある資格です。
次に公認心理師です。公認心理師は資格が誕生してまだ数年ですが、心理系のものとしては初の国家資格です。
現在、公認心理師の8割以上が、元々臨床心理士の資格を有した人なので、大変信頼できる資格です。
ただし注意点もあります。それは、実務経験があれば、所定の研修を受けると受験資格が得られることです。この実務経験の規定が実にあいまいで、例えばボランティア相談員や占いといったものでも、心理的な相談をしていたと認められさえすれば、それが実務経験とみなされます。そして研修を受ける権利(5年間の期限付き)を獲得できるのです。したがってごく少数ではありますが、公認心理師の中には本格的なカウンセリング経験がほぼない人もいると思われます。
さらに、最も注意すべきなのは「私も当事者でしたからわかります」と、むやみに共感する類のカウンセラーです。
無論、当事者であった人がカウンセラーになることが悪いのではありません。「私もうつ病だったからうつ病の人の気持ちがわかります」とアピールすることこそがよくないのです。この時点でカウンセラーとはいえません。
なぜでしょうか。それはカウンセラーの忘れてならない基本姿勢のひとつが「その人が感じていることを、その人が感じているように体験すること」であるからです。
カウンセラーが、自分もうつ病だったからクライエントのうつ病のことをわかったように感じるというのは、自己の経験を相手のうつ病の体験に重ねてしまっています。この時点ですでに「その人が感じているように体験する」という基本姿勢に欠けているのです。そのため、「当事者系カウンセラー」には注意が必要です。
あなたが出会うカウンセラーも、何らかの資格を有していることと思います。是非、臨床心理士や公認心理師の資格をもっていることをひとつの基準として、信頼できるカウンセラーを見つけてほしいものです。