うつ病でも利用できる障害者求人とは?

うつ病でも利用できる障害者求人とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

たとえ体調が回復しても、以前のような働き方をしてしまっては、うつ病再発のリスクが高まります。できるだけ、自分のペースで働きたいものです。
そのようなときは「障害者求人」で仕事を探すのも選択肢のひとつです。

 

1 障害者求人の支援対象
《身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、高次脳機能障害、難病などの障害があるために、長期にわたり職業生活に相当の制限を受けている、または職業生活を営むことが著しく困難な方》

うつ病も「精神障害」に該当するので、もちろん支援対象です。

障害者手帳の有無は不問といわれますが、実際には身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳が必要であるケースが多いようです。場合によっては、主治医の診断書、意見書(ハローワークの書式)が必要なこともあります。

2 障害者求人のメリット
《障害者枠から就職先を探すことができる》
ハローワークや地域障害者職業センターで、求人検索することができます。通常、ネットからもハローワークの求人検索ができますが、実はこの方法では見ることのできない非公開求人というものも存在します。こちらは、ハローワークのコンサルタントが紹介することにより、初めて応募可能となります。紹介の場合はライバルとなる応募者もおらず、面接前に職場見学ができるなど、採用が前提の応募と考えてもよい形式です。

 

3 障害者求人のデメリット
《給料が一般求人より安い》
ある程度仕方のない部分ではありますが、給料が一般求人よりも低く設定されています。さらにアルバイトのような時間給の仕事が多く、月給制の求人は少ないのが実情です。
会社としては、ノルマや責任を全うしている一般社員に多くの報酬を与えようと考えるのが当然です。障害者求人枠の採用となると、体調を考慮しながらの時短勤務や軽めの仕事が多いため、給料アップもあまり期待できないでしょう。

 

一度り患すると「完全に克服した」「再発の心配はない」と言いづらいのが、うつ病という現代病の特徴です。ですから、求職したり仕事をしたりする上での不安は、常につきまといます。

「障害者求人」は、障害者の雇用対策として、障害者雇用促進法において初めて制定されたものです。各企業に対し、雇用する労働者の2.0%に相当する障害者を雇用することを義務付けた、障害者雇用率制度によります。

こういった点から、一般求人では応募できないような大企業の求人も、障害者求人の中にはあります。また中高年など、高めの年齢における求人については、一般求人での過酷な条件が多少緩和されているように感じるかもしれません。
しかし、会社にとって条件の良い人が採用されやすいのは、障害者求人でも一般求人でも同じであり、その点に関してあまりの楽観視は禁物といえます。

障害者求人での精神障害者の就職件数は、年々増加傾向にあります。
自分の病状を知り、メリット・デメリットを熟考した上で、選択肢として障害者求人を検討してみるのもよいでしょう。