ADHDの子どもの特徴と治療

ADHDとは
ADHD
とは発達障害の一種です。「物事に集中すること」や「自分の感情をコントロールすること」「他人の感情を理解すること」などができません。
これは、生まれつきもっている行動や思考の特性です。心理学用語ではキャラクターといい、個性や性格に近いものです。
他にも発達障害には、人とのコミュニケーションが困難な自閉症スペクトラム(ASD)などがありますが、ADHDの場合は注意力が欠如し多動性があるのが特徴です。

特に子どもの場合は、他の子と比較して落ち着きのなさが極めて目立ちます。
学校生活においては、「授業に集中できない」「忘れ物が多い」「片付けが苦手」「しゃべりすぎる」などの特徴があります。

・子どものADHDの場合
子どものADHDの場合、特に多くの支障が出るのは、学校生活です。
たとえば勉強中であれば、不注意による間違いをする、授業に集中することが困難、話を聞いていないように見える、教師の指示に従えない、課題を順序立てるのが困難、精神的な努力が必要な課題を嫌う、物をなくす、日々の活動で忘れっぽい、などの症状が見られます。

また授業中には、手足をソワソワ動かす、席に座っていられない、授業中に突然走り回る、静かに遊べない、じっとしていられない、相手の質問を最後まで聞けない、順番を待つことが困難、他人の邪魔をする、などの症状が見られます。

・他の発達障害との合併に注意
発達障害にはいくつかの種類があります。なかでもADHDの患者は、他の発達障害を併発しているケースが多いといわれます。治療方針は発達障害の種類によって異なるので、診断には正確な見極めが必要です。
その見極めは、専門医によって行われる必要があります。
たとえば、子どもの時にADHDと診断されても、後に自閉症スペクトラム(ASD)と診断が変わってしまったケースも存在しています。

・症状がよく似た疾患もある
また、ADHDによく似た別の疾患があることを忘れてはなりません。
たとえば、「てんかん」「甲状腺機能亢進症」「副腎白質ジストロフィー」などは、症状がよく似ています。
副腎白質ジストロフィーは、発症率の少ない稀な疾患で、脳や神経細胞の変性、副腎の機能不全を引き起こす難病に指定されている病気です。
ADHD
と間違われることが多い病気ですが、それとは異なり命に関わる疾患なので、まず真っ先に副腎白質ジストロフィーを疑い、そのおそれを消しておく必要があります。

・医療機関での治療が大切
ADHD
と判明した場合は、速やかに医療機関で治療を受ける必要があります。
医療機関では、最初に「環境調整」の対策が実施されます。
たとえば保護者などに対して、患者の異常行動を叱りつけるのではなく、良いところを探してほめてあげるような指導・助言がなされます。
また、どうしたら忘れ物が減るのか話し合い、患者と一緒に工夫して忘れ物チェックシートを作るなど、家族による協力も求められることになります。

 

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