ストレスが多い現代社会はメンタルヘルスに対する適切なケアが必要

メンタルヘルスは、心の健康という意味で訳される言葉です。しかし、ストレス社会と言われる現代では、心の健康回復や維持増進まで幅広い意味合いで使われるように変化してきました。また、仕事や職場で多くの悩みを抱える人が増加していることから、職場で働く人のメンタルヘルスが大きくクローズアップされる時代であるとも言えます。

メンタルヘルスがクローズアップされるようになった要因には、職場等で受けるストレスを原因としたメンタルヘルス不調から精神疾患を引き起こす患者が増加し、企業に対する労災認定件数が過去最高を記録したことが挙げられます。また厚生労働省が、実際に精神疾患が認められる患者だけではなく、職場等で受ける強いストレスや不安等を抱える状態もメンタルヘルス不調と捉える指針を示したことも一因です。

職場でメンタルヘルス不調を起こす原因と考えられるのは強いストレスです。、仕事量多過ぎたり、重い責任の仕事が与えられたりする事を筆頭に、仕事上の失敗等が強いストレスを引き起こしますが、近年ではパワハラやセクハラ等のハラスメントによってメンタルヘルス不調を訴える事例も数多く報告されるように変化してきました。

これらを原因とするメンタルヘルス不調による症状には個人差が有ります。特に、うつ病や双極性障害、不安障害や適応障害等の精神疾患があると、最悪の場合は自殺行為に及ぶケースも見られます。

メンタルヘルス不調に陥る前には明らかな兆候が見られます。まず、遅刻や早退、有給休暇の取得や無断欠勤の増加といった出退勤状態の変化です。次に、仕事の進捗状況が悪化したり、ミスが増えてアウトプットの質が低下したり、適切な報告・連絡・相談がなくなる等のパフォーマンスの低下があげられます。さらには出勤・退社時の挨拶がなくなり、服装や髪型の乱れ等生活行動面に変化が表れます。その為、周囲にいる人が、そのような変化を見落とさぬことが重要となります。

このようなメンタルヘルス不調に対処するためには、自分自身の生活習慣を見直すことが必要です。質の良い睡眠をとり、過度の飲酒を避け、食事は規則正しく摂り、適度な運動を取り入れるなどのセルフケアが求められます。しかし、仕事による強いストレスが原因である場合は、ご自身の業務緩和について信頼できる上司に相談したり、社内外にあるメンタルヘルスの相談窓口を利用することも必要になります。さらに、心療内科や精神科等で受けられるカウンセリング等を活用する方法もあります。

このように、メンタルヘルス不調は重要な疾患に繋がってしまうおそれもあることから、自他ともに適切な管理やケアを行うことが強く求められています。