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スタッフ

よろしくお願い致します。

「沖縄県で、心理カウンセリング波詩という、カウンセリングルームを開業しております、加藤詩子と申します。臨床心理士、公認心理士の資格と、催眠療法の国際資格を2つ持っております。主に専門はトラウマ治療で、DVや虐待、パワハラなど、そういうトラウマ臨床を専門にカウンセリングを行ってきました。それ以外にも幅広く、病院臨床に長く携わってきましたので、いろいろな方の心理的な生きづらさであるとか、心の病に幅広く対応しております。よろしくお願い致します。」

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スタッフ

ありがとうございます。元々ライターのお仕事をされていたとのことですが、、どういった経緯でカウンセラーを始められて、今はどういう思いで取り組まれているのかというところを少しお伺いできればと思います。

「分かりました。そうですね。元々大学は心理学科を卒業したので、就職の際にそのまま心理士になるという選択肢もあったのですが、その時点では、まだまだ人生経験の少ない自分に人の悩みや人生の話が聞けるのかという思いと、他にも興味のある分野がありましたので、最初はマスコミ関係に就職して、編集記者のようなことをしていました。
2年ほど、とある出版社で編集記者をしていたのですが、そこで、HIV…薬害訴訟の取材に関わる記事を書いていく中、企業人として取材し、記事を書いていくことに限界を感じました。当然出版社は広告収入を貰っているので、
スポンサーの関係で書きたいことが書けないということもあり、そこで『本気でこの人達を取材したければ、フリーになるしかない』と思い、フリーランスになりました。初めは個人で記事を書き、ノンフィクションライターのようなことをしていました。
そんな時、たまたま大阪でタブロイド紙の連載記事があった関係で、風俗店の取材に行くようになり、ストリップ劇場の取材や、社会ネタから風俗まで、幅広く記事を書いていく中で、一条さゆりさんという往年のスリップの踊り子さんとの出会いがあり、私の中で作家としての食指が動き、『この人を取材してみたい』という思いで取材し始めました。そしてノンフィクションの作家として、一条さゆりの真実という本を新潮社から出版したのですが、そのことが臨床家になるきっかけとして、かなり大きかったと思います。
この方と長期間、ほぼ生活も共にしながらドキュメンタリーとして追っていく中で、もっと人間を深く見つめたいという思いに駆られました。結局何年間か一緒にいて、内容は1人の人間の語りですが、5年掛かりでやっと本を仕上げました。そのままノンフィクション作家としてやっていくという道もありましたが、元々心理学を学び人間の心理には興味があったので、そこから心理士の道を目指しました。ただ臨床心理士の資格を取るためには、大学院に進まなければならなかったので、大学院進学のためのお金を貯めるのに、自分でお店を経営したりしました。大学院で2年間学ぶのに1500万ぐらいの費用がかかります。2年間勉強に没頭して、生活費も考えると相当な金額が必要ですが、それを自力で稼いで、大学院に行きなおしました。」

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スタッフ

ありがとうございます。おそらく一条さゆりさんに出会ったことが、一番大きな要因というお話でしたが、加藤さんはどのような部分に対して、人間を深く見つめたいというような思いになられたのでしょうか。

「彼女自身が幼少期に、ある種の虐待的な環境を生き抜いたサバイバーだったということもあって、今考えると精神的にはいろんな病を抱えていらっしゃったと思います。てんかん的な発作もありましたし、虚言癖のようなものもありました。また人の優しさに飢えてたりとかいろんな側面があって、非常に波乱万丈な人生を送られていました。やはり1人の人間を本当に深く見つめるのは難しいと思います。」

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スタッフ

一条さんに対して、いろいろとメンタルの部分で感じるところがあったと思うのですが、その当時そういった部分を加藤さんは、どういう思いでご覧になられていたのでしょうか。

「そうですね。このノンフィクションは、彼女が実はすごい嘘をついていたというところから始まるノンフィクションなんです。彼女は生前、いろんなことを私に語ってくれたのですが、その内容の多くが嘘だったんです。願望に彩られた嘘の話を、そうとは知らずにずっと話を聞き続けていました。、亡くなった後に、たまたま週刊誌が取材して暴いた内容が、私が聞いた話とは全く異なる内容だったんです。それで驚愕したのですが、その嘘の裏に秘められた真実があるのではと思い、死後に1年かけて必死で取材しました。『なぜそのような嘘をついたのか』『嘘と事実の間の彼女の心理的な心のひだは一体何だったのか』というのが知りたくて、かなりの人数を取材し、それを分析した少し特殊な内容の本です。」

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スタッフ

嘘の裏の真実というお話が今ありましたが、嘘をついた中にも、嘘をついた原因があるんじゃないかというところに、加藤さんがもっと人間を深く見つめたいという思いが出てきたというような、そういう流れですね。ありがとうございます。次の質問は、そういった経緯でカウンセラーを始められ、おそらくトラウマのある方も、今まで多くいらしたと思うのですが、どういう方にどのようなカウンセリングを行なってこられたのか、ご経歴をお伺いできますでしょうか。

「1番最初に就職したのは、沖縄県の精神科クリニックでした。精神科のクリニックなので、症状が重い方から軽い方までいろんな方がいらっしゃいます。また、精神科デイナイトケアというのも併設されていて、老人ホームの精神疾患バージョンみたいな感じなのですが、デイナイトケアを見ながら、なおかつ、精神科医からオーダーのあった方のカウンセリングに携わるっていう仕事もしていたので、両方をこなすのは大変でした。とにかく幅広くいろんな方に対応していく仕事です。仕事の内容はそういう感じでしたが、臨床にかかわる中で分かったのは、精神的に人が追い詰められる時の背景には、パワーとコントロールというか、操作性のある人に、権力を持たない者が侵略されて、人権を蹂躙されることがあるということです。いらっしゃる方の6割7割ぐらいが、ほぼそういうトラウマを持っていることに気付き、それは私が最初に見た一条さゆりさんの背景とも被るところもありました。人間を本当に深く見つめようと思ったら、人の尊厳とは何かとか、生きる意味とは何かなど、その辺まで突き詰めて考えなければなりません。とにかく現場でいろんな方とお会いして、一番重視すべきところはトラウマの治療ではないかというところに、行きつきました。虐待、DV、パワハラ、モラハラ、いじめ。そこから全部派生して、症状が起こっています。統合失調症の発症の原因が、実はトラウマであることも多々ありますし、発達障害ベースといっても、二次障害として結局、操作性の高い人に、ボロカス言われてそうなったとかね。やはり何らかのトラウマ的な原因があるわけで、1番興味があるのは、その辺の分野です。」

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スタッフ

トラウマは、さまざまな原因によって引き起こされるということに気付かれたという訳ですね。

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スタッフ

開業後、トラウマの治療に特化されたのでしょうか。

「そうとも言い切れず、病院にいた時から、自分が担当する患者さんはほぼトラウマを持った方でしたので、、自分としては、トラウマ治療に重点を置いていました。開業してからも、トラウマ治療に1番力を注いでいます。病院に勤めてた時から今に至るまで、私の中でトラウマ治療を重視するところは変わっていません。」

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スタッフ

お仕事をされていて、1番のやりがいだとか、この仕事をしている加藤さんにとっての思いみたいなところを、お聞かせ願えますでしょうか。

「そうですね。やっぱりその人らしい人格が出てきた時でしょうか。病院にいた時も思いましたが、相当精神的にボロボロの状態になって、薬も何種類も飲んでいる方であっても、必ずどこかに資源があるというか。何て言えばいいでしょう。専門的な言葉は、今出てこないですね。必ずその人の強さというか、資源になるものは、残ってるし、あると思います。そこに繋がれたときが、1番やりがいを感じます。それと、その人の心の尊厳の美しさに触れたときにもやりがいを感じます。なぜ催眠療法をしているのかというと、言語的カウンセリングでは5年6年掛かってやっと良くなるようなことが、催眠療法だと、数回で治療の効果がでることがあるからです。それが私の中で、『これは催眠療法だ』と思った理由です。5年間カウンセリングしても動かなかった人が、たった1回の催眠療法でスコーンとブレイクスルーが起きることもあって、それは本当に驚愕するぐらいの瞬間なんです。それをどうお伝えしたらいいのか。頭で考えてできることは皆さん可能な限り実行されてきたと思います。でもそこでうまくいかないから、いっそう精神的に追い詰められていきます。催眠療法は潜在意識とか無意識の部分にアプローチしていくので、本来のその人の心に1番繋がりやすいと思います。」

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スタッフ

その人らしさが出てくることや、潜在意識に繋がれるということで、催眠療法を今、手法として取り入れていらっしゃると思いますが、お話しいただける範囲で結構です。具体的にどういったシチュエーションで、この人、その人らしさが出てきたなとか、潜在意識に繋がれたなというのは、どういう時に感じられますか?

「そうですね。まず催眠療法自体に対する誤解がとても多く、テレビの催眠術のショーなどの印象が強くて、『知らない間に操作されるんじゃないか』『操られるんじゃないか』と思う方がおられます。実際にはそうではなく、普段の日常の生活の中でも催眠状態のときはあり、いわゆる特別なものではありません。、ボーッとしてる時にふっと何気に浮かんでくる考えやイメージだとか、意識と意識のほんの一瞬の隙間に、その人の無意識的な本音が実は隠れていたりします。深層の心理というか、本当のこの人が望んでる本心、それを、引っ張り出して気付いてもらうというのが、私の催眠療法で、方法としてはまずスタンダードな催眠誘導、かなり時間をかけて催眠誘導をしていく催眠療法と、催眠にかかりにくい人もいるので、そういう人には時間はかけずに、いくつかの質問を投げかけていき、思わずふっと出てきたところを拾っていく現代催眠療法があります。本人が気づかないほど瞬時にトランス状態に入ると、『私そんなことを思ってたんだ』というのがすっと出てくる瞬間があります。そういうところをふっと捕まえて、『今こう言われましたよね。それってこういうことじゃないでしょうか』とこちらが質問をすると、『あ、そっか。私確かにそういう…何で私そんなこと言ったんでしょう』という感じになります。説明が難しいですね。」

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スタッフ

なるほど。自分の中で普段絶対出ないような言葉が、ポロッと出てくることがあって、それが出てきた時に、加藤さんがそういう言葉を拾っていって、だんだん本心を引っ張り出していくような、そんなイメージということですね。

「そうそう。そんな感じですね。例えば、何か辛い体験があったとして、『その辛い体験は、あなたの体の中でいうと、どの辺にありそうな感じですか』みたいなところから質問していき、例えば『喉の辺りに黒いモヤモヤとしたものとしてあります』と言ったら、『じゃあそこにちょっと意識を向けていってみてください』と少し意識を向けてもらい、その部分を外在化して、質問をかけていったりとか、『その感覚は何歳の時のあなたと繋がってますか。ぱっと浮かぶ数字を教えてください』と言ったら『6』とか『7』とかぱっと浮かぶ数字があったりします。それは何も考えずに喋ったことですが、実は6歳の自分に、1番の元凶の根本があったとかが分かります。本当にポロッと一瞬、頭で考えずに、すっと瞬時に浮かんでくる言葉が人間にはあります。そこから拾っていくのも、現代催眠療法のやり方ですが、そういう方法もあれば、本当に深い催眠誘導をし、リラックスした状態で目を瞑ってゆったりしてもらい、こちらがいろいろと話していく中で、自然に深いイメージがパーッと湧いてくるという方もおられます。ただ、こういう状態に入りやすい人と入りにくい人がいます。緊張が高い人は入りにくく難しいので、そういう人には先ほどお話しましたように、もっと意識と意識の隙間にあるところから拾っていく方法をとるなど、人によって変えています。
入りやすい人には退行催眠をとる方法もあるし、入りにくい人にはいろんな質問をかけていく方法もあります。あと、もう1つ私がとても重視しているのは、トラウマには必ず何らかの人物が絡んでいることです。影響を与えてきた人物、それは母親だったり、両親だったり、上司だったり、旦那だったり、おじいちゃんやおばちゃんだったり、いろいろなのですが、その人に強い影響を与えている人物は、必ずその人の中にいて、後々まで強い影響を与えます。お母さんが亡くなって10年、20年経つけれど、まだ後ろから罵声を浴びせる声が聞こえてくるとか、そういう場合もあるため、その人のトラウマの元となった人物からの影響を取り除くという催眠療法があります。それはFAP療法といいますが、そういう方法も取り入れています。」

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スタッフ

FAP療法についてもう少しお伺いさせていただきますが、トラウマを与えている人物がその方にどういった影響を与えているのか、どのような形で聞き出していくのでしょうか。

「そうですね。最初のインテークである程度、生育歴、家族歴となどを聞いていきます。親から受けてる呪縛というのは、どの人も大体持っています。その呪縛からある程度自由にならないと、同じことを繰り返してしまうことがあるので、どういう呪縛をこの人がかけられてきたのかというところを丁寧に聞いていきます。それを…どう説明したらいいでしょう。小さい頃は自分でお金を稼いだり働いたりできないから、親の言うことを聞かないと生きていけませんよね。捨てられる可能性もあるので、生き延びるためには、親の、その家庭のルールに従って生きていかねばなりません。それが、その家庭の中にいる時は、それで良かったけれど、独立したり大人になって親から離れた時に、同じ生き方をしてしまうと、すごく生きづらい経験を皆さんお持ちではないでしょうか。ある程度大きくなった時に、そこを再生しないといけない状況も出てくると思います。そのために、原体験である親との関係性によって、どういう影響を受けてきたかというところを、最初はとても丁寧に取り組みます。かといって、小さい頃の体験をたくさん話してもらうということではなく、FAP療法で、その影響を取り除いていくという感じです。それをどういう風に取り除くのかを説明するのは少し難しいです。普通のカウンセリングだと、来談者中心療法とか、精神分析だと小さい頃の話を自由連想みたいにして、思い浮かぶままに話してもらうのですが、ただ、その方法では何十回とかかってしまいます。
FAP療法の場合は、そういうことをせずに、その人も覚えていない、心の奥底にある記憶を動かしてブレイクスルーを起こすという感じです。過去のことや小さい頃の体験を話さずに、親の影響を取っていくことを目指す療法で、私は必ず取り入れています。」

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FAPの知識がないのですが、小さい頃の経験を話さずに、その人の潜在的な記憶というのでしょうか、それを動かしていくというところを、もう少し具体的に話せる部分はありますか。少し話すのは難しいと思いますが。

「そうですね。いろんな出来事を話さなくても、その出来事の背後には、怒りや悲しみ、憤りや恨みなど、いろんな感情があります。パイプで言ったら、パイプの中を十分に流れなかったような感情が、人にはあると思います。本人は覚えていないけれども、その感情が消化されずにいると、結局、辛い出来事や、嫌なショックな出来事があった時、自分のやりたいことが出来なかった時に、感情がそこでパイプ詰まりを起こして、凍結保存され、上手く引き出しにしまわれず、眠ってるような状態になってしまいます。パイプの目詰りをなくし流れを良くする、水の流れを良くするために…どう説明したらよいでしょう。」

「水のスムーズな流れをつくるために、FAP療法があります。それをどのようにするかと説明するのは難しいです。いろんな感情的なワードをワーッと挙げていっているうちに、本人はちょっとしたトランス状態に入ります。終わると泣きはらした後のような、すっきり感があるみたいです。そんな感じの療法です。FAPを体験した人の感想をお聞きすると、『頭がグルグルしました』や『目を瞑ってる間に目の前にチカチカと光が見えました』とか、『思い出そうとしてないのに昔の記憶が出てきました』とか、あとは『下から突き上げるようなワーッと言う感じが出てきて、頭の上から抜けていったような感じがします』など、色々な表現をされるのですが、きっと何かが起こってるのではないでしょうか。」

「FAPの場合は一切副作用は無く、症状が悪化したことは皆無で、多くの方に非常に良い結果が出ています。」

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スタッフ

そうですか。利用者の方で、FAP療法を知ってる方はそういないと思いますので、この機会に上手くお伝えできればと、お話を聞いて思いました。

「インサイトカウンセリングとの大嶋信頼さんという方がおられるのですが、大嶋先生は多数の本を出されていて、今をときめくカウンセラーだと思います。大嶋先生の本を読んだことがある人は、かなりいるのではないでしょうか。」

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スタッフ

催眠療法を使ったときに、上手くいったカウンセリング例を教えて頂けますか。

 

「そうですね。やはり過去の両親との関係で起こっているトラウマ…アダルト・チルドレンとでもいうのでしょうか。いわゆる、毒親みたいな方との関係で苦しんでこられた方は、その親から離れても、何年間にも渡って何をしてても、後ろから親に罵倒されてる感じが染み付いて取れないという方が多くいらっしゃいます。親の呪縛といいますか。それはパワハラでもDVでも同じで、いわゆる支配されてた方は、やはりその人から離れても何年間も耳元や、その人が後ろで見張ってるかのような感じがするといいます。催眠療法を行うと、過去の記憶…深い潜在意識下で、過去の自分に出会って、本当に自分がやりたかったことや、その時凍結してしまった感情や、怒りなど、いろんな思いが目詰まりを起こしているのが分かります。それを深い退行催眠下で行うことによって、その当時自分はどうしたかったのかということが、自然に見えてきます。要するに過去の生き直しができるというか、記憶の編み直しみたいな感じです。それをやらないと、パイプの詰まりが良くならない。目詰まりが直らない。水を流してあげないといけないんです。話してばかりのカウンセリングだと意識レベルで行っているので、『いや、私があの時逃げなかったから悪いんです』とか、『私が親の言うがままに動き過ぎたからいけないんです』など、そこにばかり囚われて、その当時の自分は一体どうしてその行動を取ったのかというところまでは、なかなか意識レベルのカウンセリングでは分かりません。覚えている範囲のことを、意識で解釈しているだけです。それが催眠療法の場合、ある種のトランス状態に入ってるので、過去の自分にタイムスリップするんです。人によっては、当時の情景全てが映像のように出てきます。例えば、幼なかった5歳ぐらいの出来事に、その時着ていた自分の服の染みまで思い出す人もいます。時間は何時何分だったとか、目の前にグラスが置いてあって水滴がついてたとか、ドアの木目まで思い出したりとか。それはトランス状態に入るから、出てくることなんです。それをやることによって、意識レベルでは、覚えている記憶の範囲で、意識の検閲が入ってるので、『いや、あれは私が悪かったんです』など言いますが、退行することで、『あれちょっと待って。あの時、私は母に殴られて、押し入れに入れられたんだ』とか、全く覚えてなかった記憶も思い出します。そして、『ちょっと待って。私はずっと母親から、あんたがトロイからいけないんでしょって言われてたけれども、違うよ』『私はあの時、これをしようとしてたのに、出来ない事情があった』という、その前後の細部の記憶まで思い出します。お母さんは頭ごなしに私のことを怒ったけれど、でも、『え。ちょっと待ってよ。5歳だった私に、一体なぜそんなことが出来るのよ』ということを、退行催眠に入ることで思い出せます。そして『なんだ。私は全然悪くないじゃない』と、気付きます。退行催眠に入り映像が見え、すべてを思い出した状態の中で、『じゃあ、過去は変えられないけれど、もし今のあなたが、その当時の小さなあなたの代わりに、お母さんに何か言うとしたら、何て言ってやりたいですか』と、大きくなった自分に援護してもらったりします。退行催眠の中では『そんなこと言ったってお母さん、こんな小さいあの女の子にできる訳じゃない』と言い返すこともできるんです。そして『じゃあ、あなたのお母さんは何て思ってますか』と、今度はお母さんの中に人格交代して入ります。催眠の中でお母さんの中に入りこむと、本当にお母さんが乗り移ったみたいに、『この子は旦那に似て、とても頭が切れて、だから疎ましかったの』とか『いえ、私はこの子に嫉妬してたんです』など母親の気持ちまで、手に取るように出てきます。意識レベルでのカウンセリングが上手くいかないのは、今現在頭の中にある記憶だけしかなく、自分の狭い解釈の中で、私は親から『あんたが悪い、あんたが悪い』と言われ続け、ずっと自分が悪いと思っていたということしか理解できないからです。、退行催眠で過去にタイムスリップすることで、自分に何が起こっていたのか、映像のように出てきます。その結果、私は悪くないんだということが分かり、症状が改善されたりします。この説明でお分かりいただけますでしょうか。」

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スタッフ

子供のころ、母親が嫉妬してたということを、実は少し分かっていたけれども、心の奥底にしまいこんで、思い出すことができなかったという状態だったのでしょうか。

「そうですね。だから、頭で理解していることや、本当は分かっていることでも、それを直視すると母親から捨てられるとか、怒られるという思いがあって、結局、心の奥底にパンドラの箱のように固くしまいこんでしまいます。それを引き出すために、時間をかけて行うのが普通の退行催眠で、言語無しで時間をかけずに進めていくのがFAP療法なんです。」

「FAP療法の場合は、この人が母からどのようなコントロールを受けてきたかというところに重点をおくので、そこはセラピストがきっちりと見立てて、ある程度シナリオを組み立ててから行います。そこが外れてると治療が上手くいきません。ですが、そことスクリプトが上手くはまると、退行催眠で1つ1つふり返らなくても、改善することもあります。ただ私の場合は、現代催眠と普通の退行催眠と両方行うので、FAPで眠った記憶をある程度動かしてから、次のセッションで、この人にとって1番鍵となってる場面の、記憶の編み直しをしたりとか、毎回、毎回セッションで取りあげて、玉葱の薄皮を剥くみたいに行っていきます。」

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スタッフ

トラウマ治療を受けられる方の中には、感情を再現されるのが不安だったり、トラウマを思い出したくない方もおられると思います。そういったクライアントの方に治療の安全性をお伝えしたいのですが、そのような方にも有効的な治療方法はありますか。

「そういう場合に1番良いのがFAP療法なんです。FAP療法の場合、記憶の曝露とか無しに治療を進めます。先ほどお話しした方法もあれば、指のツボを圧迫しながら行うFAPもあります。FAP療法は催眠療法の中でも、1番安全性が高い催眠療法です。現在のトラウマ治療は、EMDRとそれからTFTという方法が主流です。ただEMDRは記憶の曝露を伴うので、治療後に非常に気持ちがかき乱されたり、症状が悪化することがあります。EMDRは効果があるけれども、少しリスクが高いということで、今はTFTのほうが主流になっています。いろんなツボをトントンして、身体に残ったトラウマを流していく方法です。記憶の曝露無しに、デブリーフィング無しに、安全にトラウマを処理できるのでTFTが主流になっていますが、ジャンルとしてはFAPもTFTと少し似ています。いわゆる、エナジーサイコセラピーです。記憶の曝露なしに、治療できるのがFAP療法です。スタンダードな退行催眠は、記憶の曝露を伴うので、感情が動かされたりしますが、FAPはそのリスクがありません。ただ、スタンダードな退行催眠も、これはセラピストの腕の見せ所なんですが、本当に深い退行催眠に入ったら、感情の揺さぶりは消えてショックなしに記憶が思い出せることもあります。催眠療法は、普通に言葉で『あの時あんなことがありました』という意識レベルで話すと、すごく感情が揺さぶられますが、睡眠療法は半分眠ったような状態で、夢見心地に思い出してるみたいなところがありますので、普通に記憶を想起するよりも感情の揺さぶりは低いという特徴があります。その辺を私は様子を見ながら、この人は少し持ちこたえられそうもないから、最初にFAP導入して、ある程度信頼関係が出来てから、一番トラウマになっている記憶を引き出すようにしています。」

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スタッフ

最後に、カウンセリングを受けたいと思っている方にメッセージをお願いいたします。

「はい。いろいろな悩みや、生きる上での苦しさなど、様々な思いを抱えて、こちらのホームページに行き着かれたことと思います。ただ、私が思うことは、今悩んでいる世界が全てではないということです。人生の背景にいろいろな事があって、悩みを抱えていらっしゃると思います。ですが、カウンセリングを受けることによって、今悩んでる世界が本来のあなたの世界ではなく、全く新たな世界、新しい自分自身の可能性に気付くきっかけになればと思います。海で例えると凪ぎた海の状態、心の状態をフラットな状態にして、本来のご自身に繋がれるようにサポートするのがカウンセリングだと思っています。今一人で悩みを抱えていらっしゃる方は、まず1度ご連絡いただければと思います。」