セルフネグレクト(Self-Neglect)

ここのところ高齢者のみならず若者にも増えてきているセルフネグレクト。単語自体の意味は、

セルフ:自分自身のこと。
ネグレクト:無視すること。怠ること。あるいは放置すること。

という事で、この二つの単語を合わせた「自分自身を無視、放置すること」
転じて、「自分自身の生活に必要なことを行わない(あるいは行えない)こと」です。
生活に必要なことを行わないので、必然的にごみを捨てず、放置し続け、周囲からごみ屋敷といわれてしまう…。
というのがイメージしやすい事例です。

生活意欲がなくなってしまったり、今までの自分の生活を維持できなくなってしまったりすることで、
本人の衛生面や安全面に対して意識が行き届かなくなってしまうことが問題です。

この記事では、主な原因とされるものと、その対処法、脱出法について述べていきます。

セルフネグレクトになってしまった主な原因といわれるものには下記がその代表的な一例です。
・身体能力の低下…足腰が悪くなり、生活していく(自ら進んで行動する)ことがおっくうになってしまったため。
・判断能力の低下…認知症や、高齢による判断力の低下、その他の精神的な病のため。
・経済的な生活苦…生活に必要な公的料金が払えなくなってしまったり、医療行為を受ける経済的な余裕がなくなってしまったため。
・社会的な孤立 …友人、知人あるいは家族や親類縁者も含めて社会的に疎遠になってしまい心理的な余裕がなくなってしまったため。

上記はあくまでも一例ですが、この元々の原因があり、
周囲に相談ができない → 一人で抱え込んでしまう → 抱えきれなくなり放置する
という方向に進んでしまうことで、表面に出てきてしまうのです。

一度セルフネグレクトに陥ってしまうと、脱出は大変なのですが、上記の理由が原因として挙げるならば、
誰にでも起こりうることで、対岸の火事と見過ごせるものではありません。

では、ならないためにはどうしたらよいのでしょうか。

それは、周囲と関わりを持つこと、周囲に関心を持つことがまず一つの方法です。
生活するための能力が低下してしまっても、気軽に誰かに頼める環境を作ることはとても大切です。

それに加えて、ご家族や友人、知人と信頼関係を持つことも非常に重要です。
セルフネグレクトに限らず、日常生活の悩みなどは相談できる相手がいないとすぐに頭がいっぱいになってしまい、心理的に余裕がなくなってしまうものです。

また、経済的に厳しくなるようであればすぐに行政に相談してみるのも良い方法です。
各自治体によって対応は異なりますが、生活するための支援金、支度金を用意してもらえる可能性があります。

とにもかくにも、「一人で抱え込む」ということの無いようにしましょう。
ご自身が「なるかもしれない」「もしかしたら予備軍かも」と思う前に行動しておけば回避することができるでしょうし、
陥ってしまったときにも周囲の特に近しい方に助けてもらえます。

それでは逆に、周囲にセルフネグレクトの方がいらっしゃる場合にはどう対処したらいいのでしょうか。
まずは、行政・病院に相談するのが一番です。家族や見知った顔の人が言うよりも、かえって第三者のほうが素直に言うことを聞いてくれる場合もあるものです。
さらに、話をよく聞いてみましょう。どんなことがきっかけだったのかを話していくうちに改善することもあるので、地道に信頼を築くことが近道となる可能性があります。
そして、脱出するためにはどうしても時間がかかるものです。すぐに改善するように注意を促すよりも、状況を理解するように心掛け、根気強く付き合っていくことが改善にもつながっていきます。
セルフネグレクトの方も、望んでそうなっているわけはないのですから。

現代の闇の部分が浮き彫りになるようなお話です。「関係ない」と他人事のように切り捨てるのは簡単ですが、現代病といっても過言ではないのです。
しかし、治らないという事はありません。「まずいかな」と思ったら、まずはどんな方でもいいのです。お話をしましょう。