職場における「対人トラブル」の調整方法

 

組織は、異なる人間同士で構成されていますから、

当然、考え方がことなっており、

必然的に仲が良い、悪いが生じます。

決定的なことにならなければ、個人の問題で済ませることとは

言えますが、業務に差し支える場合はそうはいきません。

 

法人経営者でもあり、公認心理師、臨床心理士、

キャリアコンサルタントでもある筆者が

『職場内退陣トラブルの解決方法』についてお話します。

 

◆こちらの記事はこんな方にお勧めです

〇いがみ合っている職員がいる

〇人間関係にどこまで立ち入っていいかわからない

〇人間関係が悪い職員同士をどう処遇していいかわからない

 

「対人関係」はトラブルのもと

 

人間が複数集まると、多かれ少なかれ

トラブルはあるものです。男女間でも、

男性同士でも女性同士でも、性別は関係ありません。

 

わたしは、臨床の現場のスタートは少年院という場でした。

わたしは体格も170センチくらい、

体重も50キロそこそこの、どちらかというと

細いほうですから、17.18歳の少年たちのなかには、

「これは本気でかかってこられたらかなわないな・・・」

と体感としてわかることも少なくありませんでした。

 

だからと言って、規則をいいかげんにしたりすることは

できませんし、更生をうながすべく、対応するしかありません。

 

わたしの心理技術のかなり多くの部分は、

この自分自身がぎりぎりの立場におかれていた現場での

相手の心理把握と働きかけで身についたと思っています。

 

少年たちは、様々な組織に入っていたり、

それまでの成育歴等から、人間不信などが強い傾向が

ありましたから、とにかく対人トラブルが多いのです。

 

「なんだか、嫌な目で見てくる」といっては

「なにか文句あるのか」とケンカを吹っ掛けたり

同じ居室内で共同生活をしていますから、

このごまと気に入らないことがあったり

違う意味ではなれ合いが生じて、

規則違反をしようとしてみたりと

本当にいろんな人間関係の形を目の当たりにします。

 

しかも、それらが非常に「濃い」ものでした。

 

対人関係は、わたしたち社会人においても、

職場のストレスの重要な部分を占めています。

組織の中でも、グループ化や、いじめ、ハラスメント、

などの問題がたくさんあるでしょう。

 

わたしの現在の職場は福祉関係の法人ですので、

シフト勤務でいろいろな職員が入れ替わります。

難しいのは、連絡調整のところで

「こう連絡したのに、違うようになっていた」

「そんな風には聞いていない」

とか、1対1の人間としてどうというより、

「言った、言わない」「意味が伝わらない」

というトラブルが時々あります。

 

ただ、これまでもお話している通りで、

退職する人がほぼ皆無の職場なので、

基本的にはそんなに大きく対立したり、

根深くなることはありません。

 

というか、そうならないように、

必要な時は「対人調整」をしています。

 

必要な脚色をして、お話ししましょう。

 

「対人調整」の事例

 

何年か前ですが、パートで入っていた職員が、

ある女性職員の態度が気に入らない、として、その職員に

「馬鹿にしてるのか」

などと暴言を投げかけたことがありました。

 

その女性職員は、私のところに駆け込んできて

「もう仕事していられません!!やめます!!」

と感情的な状態でした。

周りで見ていた職員も数名いましたので、

一人ずつ呼び出して様子を聞いていきます。

 

状況としては、午後から現場に入ったパート職員に対して、

女性職員が午前中の様子を引き継ぎしていたようです。

その時の言い方が気に入らない、として、

そのパート職員が腹を立てたという、

なんともこの状況だけ聞くと、大人げない、と

評されてしまいそうな場面に思われます。

 

パート職員を呼び出して、話をきくと、前段階があったようで

「自身の身内がなくなった時に、その女性職員は

香典をよこさなかった。自分にとっては大切な身内で、

その女性職員は、他の職員の身内が亡くなった時には、

香典を出していたのに。私を馬鹿にしているんです!!」

というわけです。

 

対処方法

 

皆さんなら、どのように対処するでしょうか。

 

わたしは、心理職としては、まず

「そういう背景があったことは、知りませんでしたが、

ご自身としては大切な身内をなくされたことはもちろん、

同僚にその悲しさを理解してもらえなかったことが

悔しかったということですね」

と返しました。

 

「その通りだ。絶対許さない」とその職員は、言います。

 

「けれども、その各個人の事情を、仕事現場に持ち込まれては、

私は指導、注意をせざるを得ないのはわかりますか?

その女性職員を、あなたがどう思っても、それは自由です。

許さなくても仕方ないですが、その態度を職場に持ち込んで、

業務に支障が出た場合、

私はあなたの責任を問うこともあり得ます」

 

ポイントは、ここです。

人間関係そのものについて、

わたしたち管理職が立ち入るものではありません。

 

それは個人の心情の問題ですから

「仲良くしなさい」という学校のようなところとは違います。

 

けれども「業務に支障が出る」という客観的状況を

生むとしたら、それは「仕事として」注意指導します。

 

また、多くの管理職の方は、こうしたことに介入することは、

すごく面倒で、対応したくないことの一つかと思います。

 

ところが、こうしたことについて、

管理職が「個人のことだから」として逃げてしまいますと、

他の職員からの信頼も失うのです。

 

このことに納得したあと、

「心情はお察ししますが、今後どうされますか?」と聞くと

「わかりました。たしかに、大人げなかったとはおもいます。

許しませんが、今後は職場ではそうした態度は

しないとお約束します。」

 

『そのことを、女性職員とのお話でもいうことはできますか?』

 

「わかりました。お約束します」

 

パート職員との話がまとまり、

泣いていた女性職員を呼び出します。

 

先ほどのパート職員が話していたことを、

多少柔らかくして伝えます。

 

身内が亡くなった時に、共感してもらえなかったように感じたこと。

職場でその感情を出したことについては、反省していること。

以降、職場においてそうした態度は出さないと約束すること。

 

「そう聞いて、どう思いますか?」

 

その女性職員は、まさか、自分が

香典を渡していなかったことで、そんな関係になっていた

とは思いもよらなかったようです。

 

「それが原因なのだったら、決してそんなことはないことは

お伝えしたいです。ただ、職場でああしたことを言われると、

わたしも困るので、それはやめてほしいです。」

 

『では、そのことをお話できますか?』

 

「わかりました」

 

この状態で、はじめて二人を同席させます。

 

わたしが間にはいって、

現場で起きたことを、間違いがないか確認します。

 

『それで、先ほど個別に確認したのですが、、、』

二人に確認した事項を、もう一度二人の前で話します。

 

そうでしたよね?というと、もちろん二人はうなずきます。

 

それで、お二人とも、すこし付け足したいところが

あるようなので、〇〇さんからどうぞ。

 

「大人げないことを言いましたが、先ほど、お話された通りで、

今後はそうしたことはしません。すみませんでした」

 

「ご香典のことは、悪意があるわけではなく、

すみませんでした。

でも、今回のようなことはとてもショックで・・・。

こういうことはやめてほしかったです」

 

そのあと、しばらく、言葉と感情の推移を見守ります。

 

『以降、ここから出て、現場に戻ったら、

今回の話はぶり返さない。

他の職員に対しても、お互いの悪口めいたことは言わない、

ということで、いいですね?』

 

この確認が大切です。

 

『では、終わりますので、お二人とも立ってください。

今後ともよろしくお願いします』

 

三者で、挨拶をして、解散させます。

 

非常に面倒くさい手順のように感じられるかもしれませんが

対人トラブルがあるときには、

かならずこのような調整を行います。

 

まとめ

全体の時間としては、40分くらいでしょうか。

わたしも、執務時間を取られますので、

あまりやりたいものではないですが、

「こうした職場の人間関係から逃げない」

ということは、意識しているところです。

 

わたしの運営する組織では、こうしたことは、

職場の風土を作るうえで、非常に重要だと考えています。

 

KIRIHARE所属 臨床心理士

 

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